びんリユースの「Q&A」

◆びんリユースの「Q&A」

 びんをリユースするための、参考となる資料を集めました。「びん」を使ったり使われたりとそれぞれ立場は違うけど、みんなで少し考えてみると、ちょっといいかも~

【目次】

  1. 1.ガラスびんを取り巻く状況
    1. 1)ガラスびんの利用状況、環境対策、法律など
    2. 2)ガラスびんリユースの現状
  2. 2.リユースびん利用のメリット・デメリット
    1. (1)びんリユースシステム構築によるメリット・デメリット(概略)
    2. (2)環境負荷の低減効果
      1. 1)CO2削減、ごみの減量
      2. 2)リユースびんによるCO2削減効果の目安
    3. (3)リユースびんに関する消費者の意向
    4. (4)リユースびん利用によるコスト削減効果(概要)
  3. 3.疑問・課題(リユースびんQ&A)
    1. 1)すべての製品をガラスびんで出荷するの?
    2. 2)キープボトルで記入されるマジックは消えるの?
    3. 3)ラベル糊跡は落ちるの?
    4. 4)回収時にびんにキズはつかないの?
    5. 5)びんを何回もくりかえし使って大丈夫なの?衛生的なの?
    6. 6)現在の製造工程を変更する必要はあるの?
    7. 7)自社(酒造メーカー)では洗浄できないけどどうすればよいの?

1.ガラスびんを取り巻く状況

1)ガラスびんの利用状況、環境対策、法律など

[1] ガラスびんにおける環境への取組
  • →循環型社会の形成のため、3R(リデュース、リユース、リサイクル)に向けた取組が必要です。ガラスびんにおいて当てはめると以下のように整理されます。
    • ・リデュース(発生抑制)とは、びんを軽くし、使用する資源量を減らすこと。
    • ・リユース(再使用)とは、一度使ったびんを洗い、くり返し使用すること。
    • ・リサイクル(再生利用)とは、資源として再度びんの原料や他の用途(例えば、道路基盤材など)に利用すること。
  • →3Rは、いずれの取組も重要ですが、優先順位としては、リデュース、リユース、リサイクルの順となります。(ただし、環境負荷低減に有効である場合)
[2] 容器包装リサイクル法(以下、容リ法)
  • →廃棄物の処理に伴う環境への負荷の低減に関しては事業者や国民等の排出者が一義的な責任を有するという「排出者責任」の考え方と、製品の製造者等が製品の使用後の段階等で一定の責任を果たすという「拡大生産者責任(EPR:Extended Producer Responsibility)」の考え方の両者がある。
  • →多くの焼酎メーカーもびんの利用量に応じて再商品化実施委託料を負担する必要がある。委託単価は茶びんでは1トンあたり5~6千円(1kgあたり5~6円)程度とされています。
    • ※販売に用いたすべてのびんのうち、自ら回収した分、事業活動により消費された分(市町村で処理されない分)などを控除した上で、費用を負担することとなります。

     詳細は、日本容器包装リサイクル協会HP(http://www.jcpra.or.jp/index.html)をご覧下さい。

2)ガラスびんリユースの現状

[1] びんリユースについて
  • →びんは、焼酎などの酒類をはじめ、清涼飲料水、調味料、食品など様々な製品に使われる容器です。
  • →びんは繰り返し使えるという特徴があります。使用後に回収され、洗浄し、再度中身を充填し、再使用されるびんのことを一般にリユースびん、またはリターナブルびんと呼びます。
  • →一方、繰り返し使用せず、一度しか使用しないびんのことをワンウェイびんと呼びます。ワンウェイびんの多くは、リサイクルされ、再度びんの原料や他の用途(例えば、道路基盤材など)に利用されています。
[2] リユースびんの使用量について
  • →主なリユースびんとして、一升びん(酒類や調味料に利用)、ビールびんなどがあります。
  • →ガラスびんの使用量は、平成21年度で年間273万トン、うち繰り返し使用するリターナブルびんは133万トン、48.7%といわれています。リターナブルびんの比率は年々減少傾向にあります。
図表1 リユースびん・ワンウェイびんの使用量、リユースびん比率の推移
図表1 リユースびん・ワンウェイびんの使用量、リユースびん比率の推移
出典)ガラスびんリサイクル促進協議会資料
[3] リユースできるびんの証、Rマークについて
  • →Rマークは日本ガラスびん協会が統一規格びんとして認定したリターナブルびんに刻印されており、このマークが刻印されたびんは、多くの団体にリターナブルびんとして使用してもらえるよう、デザイン(設計図)が公開されています。
  • →酒類に使用されているRマークびんとしては、300ml、500ml、720ml、900mlなどがあり、900mlRマークびんは、平成16年から普及し始め、南九州を中心に年間約200万本が流通しています。
  • →リターナブルびんは繰り返し使えるよう設計されており、設計上では20回程度利用できます。びん回収率が高まれば、1びんあたりの使用回数も増えると考えられる。
図表2 Rマーク(日本ガラスびん協会の認定)
図表2 Rマーク(日本ガラスびん協会の認定)
出典)日本ガラスびん協会
http://www.glassbottle.org/quality/returnable/rmark.html
[4] Rマークびんの普及状況
  • →Rマークびんは飲料・酒類以外にも、食品、調味料などにも使用されています。
  • →平成21年におけるRマークびんの出荷量は約2,170万本となっています。
図表3 Rマークびんの出荷量の推移
図表3 Rマークびんの出荷量の推移1
図表3 Rマークびんの出荷量の推移2
出典)ガラスびんリサイクル促進協議会(http://www.glass-recycle-as.gr.jp/data/pdf/data_02.pdf

2.リユースびん利用のメリット・デメリット

(1)びんリユースシステム構築によるメリット・デメリット(概略)

  • →リユースシステムを構築することによって、社会全体の環境負荷低減(温暖化対策、廃棄物削減対策)になるとともに、一般廃棄物が削減されることで市町村における収集コストが低減されるとともに、各地域における回収業(びん商)などの事業拡大・支援に繋がり、地域活性化・雇用創出の効果も期待されます。
  • →また、リユースシステムに参加するボトラー(酒造メーカーなど)、流通業(卸売・小売業など)、消費者、行政、びん商といった各主体にとっても、それぞれさまざまなメリットが生じうると考えられます。
  • →ただし、既往の調査研究では、リユースシステムのCO2排出量は、輸送距離とびん回収率の影響が大きいことが指摘されており、効率的な輸送、高い回収率が担保される場合にはCO2削減対策としても効果があとされている点に留意が必要です。
表-1 びんリユースシステムによる影響
表-1 びんリユースシステムによる影響
出典)環境省「我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会」第3回検討会 資料1
[1] 酒造メーカーにとってのメリット・デメリット
  • →リユースびんに期待されるメリットとしては以下のようなことが考えられます。
    • ・びん調達費が軽減でき、経営上のメリットが期待
    • ・容器包装リサイクル法における再商品化義務料の低減が期待
    • ・地球環境のため、循環型社会形成のために地域社会に貢献
    • ・P箱で納品・出荷となると、現在負担している、納品時段ボールの廃棄費用、出荷用段ボールの購入の費用の軽減、それらの組み立て・潰しに係る手間削減
  • →ワンウェイびんを使用している酒造メーカーの多くは、新びん調達・製品出荷をそれぞれ別の段ボールで行っていますが、リユースシステムが構築され、いずれもP箱となれば、段ボールの廃棄物削減にも寄与するとともに、組立・廃棄にかかる手間・コストも軽減できます。リユースシステムにより、企業における環境対策が推進され、企業イメージの向上、CSRの推進なども期待されます。
  • →一方、懸念される事項としては、リユースびん採用によって、検びんにかかるコストが増加すること、リユースびんの欠け・きず・擦れ等によって消費者が購入を敬遠する可能性、購入者からのクレームが発生する可能性などが挙げられます。(なお、ワンウェイびんからリユースびんに切り替えた酒造メーカーからは、リユースびんに変更してもクレームは増えていないとの意見も聞かれています。)
表2 リユースシステムによる影響(酒造メーカー)
出典)環境省「我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会」第3回検討会 資料1
表2 リユースシステムによる影響(酒造メーカー)

(2)環境負荷の低減効果

1)CO2削減、ごみの減量
  • →既往研究をもとに、900mlびんのワンウェイびんを使用するケース(九州地方で生産、首都圏等で消費)とリターナブルびんを使用するケース(九州地方で生産・消費)の環境負荷分析結果を整理する。環境負荷分析項目として、エネルギー消費量、CO2排出量、廃棄物発生量・最終処分量を取り上げ、LCAを行っている。
図表4 既往調査における900mlびんに関する環境負荷分析のシナリオ
図表4 既往調査における900mlびんに関する環境負荷分析のシナリオ
出典)
環境省「ペットボトルリユース実証実験結果の取りまとめ」別紙2より引用
http://www.env.go.jp/press/11451.html
  • →ワンウェイシステムよりもリターナブルシステムの方がいずれの項目でも環境負荷が小さくなることが示唆されている。(エネルギー消費量、CO2排出量、最終処分量)
図表5 ワンウェイとリターナブルの環境負荷の比較(エネルギー消費量)
図表5 ワンウェイとリターナブルの環境負荷の比較(エネルギー消費量)
図表6 ワンウェイとリターナブルの環境負荷の比較(CO2排出量)
図表6 ワンウェイとリターナブルの環境負荷の比較(CO2排出量)
図表7 ワンウェイとリターナブルの環境負荷の比較(最終処分量)
図表7 ワンウェイとリターナブルの環境負荷の比較(最終処分量)
  1. ※1:「リターナブルシステム」地域内循環シナリオ、Rマークびん900ml、リターナブル回収率37%、販売拠点までの輸送距離100km
  2. ※2:「ワンウェイシステム」ワンウェイびん900ml、リターナブル回収率0%、販売拠点までの輸送距離1,300km
出典)
環境省(http://www.env.go.jp/press/11451.html
2)リユースびんによるCO2削減効果の目安
  • →前述の研究成果によれば、リユースびんの使用により1本あたり210g-CO2の削減効果があるとされている。
  • →身近なCO2削減対策と比較しても大きな効果が得られる対策といえる。
表3 身近なCO2削減取組の効果
表3 身近なCO2削減取組の効果
(出典)チーム・マイナス6%1人1日1kg(http://www.team-6.jp/try-1kg/life/index.html

(3)リユースびんに関する消費者の意向

  • →既往の調査結果では、下記のような傾向が見られる。
    • ・ガラスびんに関する事柄説明後のリターナブルびん商品の購入意向は、「購入したい」(29.6%)と「まあ購入したい」(55.4%)をあわせ、85.0%に購入意向がみられる
    • ・リターナブルびんの取り扱い先が増え、普段食品や飲料を購入するお店(スーパーやコンビニなど)でリターナブルびん入り商品を販売していたら、リターナブルびんを選択するかについては、「リターナブルびんを選ぶ」が6割、「リターナブルびん以外の商品を選ぶ」が1割、「どちらでも構わない」が3割
図表8 リターナブルびん商品の購入意向
図表8 リターナブルびん商品の購入意向
  • ※ガラスびんに関する事柄説明後の意向調査
    出典)「ガラスびん」の利用に関する調査(日本ガラスびん協会)
図表9 普段食品を購入している店がリターナブル対応となった場合の選択意向
図表9 普段食品を購入している店がリターナブル対応となった場合の選択意向
  • ※ガラスびんに関する事柄説明後の意向調査
    出典)「ガラスびん」の利用に関する調査(日本ガラスびん協会)
  • ・リターナブルびん商品購入意向理由は、「ゴミが減る」が約8割、「原料や資源の節約になる」が約7割、「二酸化炭素の排出量削減になる」が6割近く
  • ・リターナブルびん商品を、あまり購入したくない、購入したくないと回答した人の非購入意向理由は、「返却が面倒」(51.0%)がトップ、「汚い感じがする」(45.1%)が2位。次いで、「重い・割れるなど、ガラスびん自体が扱いづらい」「返却までの保管がかさばる」も各3割みられる
図表10 リターナブルびん商品の購入意向理由<複数回答>
図表10 リターナブルびん商品の購入意向理由<複数回答>
  • ※ガラスびんに関する事柄説明後の意向調査
    出典)「ガラスびん」の利用に関する調査(日本ガラスびん協会)
図表11 リターナブルびん商品の非購入意向理由<複数回答>
図表11 リターナブルびん商品の非購入意向理由<複数回答>
  • ※ガラスびんに関する事柄説明後の意向調査
    出典)「ガラスびん」の利用に関する調査(日本ガラスびん協会)

(4)リユースびん利用によるコスト削減効果(概要)

工程及びコストの変化
  • →ワンウェイびんとリユースびんにおける工程の違いを簡略に整理すると、以下のようになる。リユースびんとしてRマークびんを想定すれば、丸正びんと径・高ともに同じであるので製品充填において、変更は生じない。
  • →主な変更点としては、びん調達・製品出荷が段ボールからP箱に変わる点、(自社で洗浄すると)洗浄工程が必要となる点、が挙げられる。
図表12 ワンウェイびんとリユースびんの工程
図表12 ワンウェイびんとリユースびんの工程
  • →製造工程におけるコスト変化としては、削減可能性として「びん調達費」、「段ボール廃棄費」、「出荷段ボール購入費」、「再商品化義務費用」が挙げられる。一方、コスト増の可能性としては、「びん及びP箱出荷による輸送コスト」、「P箱の使用料」となる。
表4 コスト削減・増加項目の整理
表4 コスト削減・増加項目の整理
  • ※自社で回収びんを洗浄する場合には、洗浄コストが増となる場合がある。
  • ※上記は一般論であり、いずれの項目も各工場での製造工程・現状での調達状況等により異なる。

3.疑問・課題(リユースびんQ&A)

1)すべての製品をガラスびんで出荷するの?

  • →焼酎メーカーでは、ガラスびん、紙パック、ペットボトルなど、様々な容器で製品を製造・出荷しています。どの容器を使用するかは、出荷先・消費者などの要望を踏まえて、選択されています。
  • →今回の趣旨は、現状ガラスびんで出荷している製品について、リユース(再使用)を推進していきたいと考えています。

2)キープボトルで記入されるマジックは消えるの?

  • →マジックは洗浄工程で消すことができます。
  • →いろいろな色が使われており、白色などに比べて、金色や銀色のマジックは消えにくく、洗浄の手間はかかりますが消すことが出来ます。

3)ラベル糊跡は落ちるの?

  • →ラベルの糊跡が残ってしまうびんは不良びんとしてリユースではなく、リサイクルに回されます。
  • →ラベルのずれやたわみなどを防ぐため、強力な糊、撥水ラベルの両者を採用されている場合には、剥がすのに手間がかかります。

4)回収時にびんにキズはつかないの?

  • →一升びんと同様に、P箱を利用すればキズ・カケなどは少なく回収できます。
  • →自社で洗浄する場合には、利用できないびん(不良びん)を廃棄する必要があります。現在利用されている事業者では不良率は1%以下とのことです。
  • →洗いびんを購入する場合には、びん商・洗びん業者の方で、厳しくチェックされ、キズ・カケ等があるびんは不良びんとしてリユースではなく、リサイクルされます。

5)びんを何回もくりかえし使って大丈夫なの?衛生的なの?

  • →リターナブルびんにはいくつもの種類がありますが、一升びんで洗いびんを利用されている方は多いと思います。
  • →焼酎以外では、ビールびん、牛乳びんなどでも洗浄されくり返し利用されています。
  • →びんは専用の機械できれいに洗浄され、衛生管理は万全です。洗浄後、高精度の機械や人の目によってキズがないか確認され、安全なことが確認されたガラスびんだけに中身を詰めることになります。
  • →この段階でキズが見つかったびんは、砕かれてカレットになり、ガラスびんの原料などに再利用(リサイクル)されます。産業廃棄物としての処理料金も高くなる事から、より丁寧にリユースしやすいよう扱うことが大切です。

6)現在の製造工程を変更する必要はあるの?

  • →900mlRマークびんの高さ・径は丸正びんとまったく一緒です。ボトリング工程などはそのまま利用できます。
  • →洗いびんを利用する場合には、一升びん、新びんと同様にリンサーを使って利用。
  • →変更点としては、P箱で納品・出荷するため自動化されている場合には変更が必要かも知れません。
  • ※その他、個別の製造工程ごとに変更があるかも知れません。

7)自社(酒造メーカー)では洗浄できないけどどうすればよいの?

  • →使用済みのびんは、一升びんと同様、びん商・洗びん業者の方が協力して、もう一度利用できる形で納品されます。
  • →遠方に出荷されたびん・P箱も全国びん商の方、市町村などを通じて回収されることに期待しています。

(以上)

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