高病原性鳥インフルエンザについて
高病原性鳥インフルエンザについて
近年、日本を含む世界各地で、高病原性鳥インフルエンザによる野鳥の死亡例が報告されています。高病原性鳥インフルエンザは、国内では2004年に初めて確認され、その後、家きんや野鳥で散発的に発生しています。特に2010年冬から2011年春にかけては全国的に多くの野鳥、家きんで発生し、九州ではナベヅルなど希少種を含む野鳥や家きんで発生が確認されました。
高病原性鳥インフルエンザウイルスは、感染力が強く、海外では数千羽単位の野鳥の大量死が発生した事例が知られています。集団生息地で発生した場合や、希少種等では種の絶滅につながりかねないことから、野鳥の保護管理上重要な課題となっています。また、家きんでも警戒が必要な重要な感染症であり、海外では濃厚な接触によるヒトでの発症、死亡例も報告があるため、野鳥だけでなく、家きんやヒトにおいても警戒が必要です。
以上のように、高病原性鳥インフルエンザは野鳥だけの問題ではないことから、環境省、農林水産省及び厚生労働省等が連携して対策に取り組んでいます。
鳥インフルエンザウイルスは、野鳥観察など通常の接し方では、ヒトに感染しないと考えられています。正しい情報に基づいた、冷静な行動をお願いいたします。
野鳥が同じ場所で多数死んでいるなど、異常が発見された場合は、素手では触れず、お近くの都道府県や市町村役場にご連絡下さい。
環境省の対応
環境省では、渡り鳥の飛来経路解明によるウイルスの感染ルート調査、定期的な糞便調査や死亡野鳥の検査による野鳥のインフルエンザウイルス保有状況のモニタリング、渡り鳥の飛来状況に関する情報提供を実施し、高病原性鳥インフルエンザの発生抑制と、被害の最小化に努めています。
環境省では「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」を策定し、検査体制、モニタリング手法や発生時の対応について定め、各地方自治体や関係省庁、団体と連携して対応する体制を作っています。
対応を、関係機関と連携して行いました。
野鳥との接し方について
鳥インフルエンザウイルスは、本来はヒトに感染するウイルスではありません。そのため、例えばウイルス粒子を多量に含んだ家きん等の糞便や羽毛、死体などとの濃厚な接触があった場合を除いて、ヒトには感染しないと考えられ、日本でヒトに感染する可能性は非常に低いと考えられます。通常の野鳥観察などの接し方では、感染することはまずありません。しかし、野鳥をはじめとする野生動物は、インフルエンザに限らず何らかの病原体を持っている可能性があることから、以下の注意事項を守っていただければと思います。
- 1.死体や弱っている個体を見つけても素手では触らないようにして下さい。
- 2.野鳥の死体や排泄物に触れてしまった場合、十分に手洗い、うがいをして下さい。
- 3.糞が靴底につくことで、病原体を運んでしまう可能性もありますので、もし糞を踏んでしまった場合は必要に応じて靴底を洗って下さい。
- 4.野鳥をむやみに追い立てたり、不必要に接近したり、捕まえようとしたりすることはやめて下さい。