対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第38号

 

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ツシマヤマネコニュース!


5ヶ月ぶりに下島でツシマヤマネコ確認!
長崎県は、今年の3月に23年ぶりに下島でツシマヤマネコが確認されたことを受け、引き続き厳原町内山地区で自動撮影カメラを用いた調査を行ってきました。その結果、8月7日にツシマヤマネコが撮影されました。
 今回撮影された個体は、体の模様から、3月に撮影された個体と同一である可能性が高いことが分かりました。また、撮影された個体の状態から、3月に撮影された時点から引き続き、栄養状態は良好であると推測されます。
 5ヶ月ぶりの確認となりましたが、今回の撮影によって、この個体は撮影された地点の周辺になわばりを持ち、定住しているツシマヤマネコであることが推測されます。もし、この個体が本当に定住しているのであれば、それは下島の内山地区がツシマヤマネコにとって安心して暮らせる環境であることを意味しており、この個体以外にも下島でツシマヤマネコが生息している可能性があります。
 下島では自動撮影カメラを用いた調査以外にも痕跡調査を実施しており、ツシマヤマネコの可能性がある糞を回収して、DNA分析による種の判別をしています。その結果、5月に回収した糞の中に、ツシマヤマネコの反応がありました。今後も引き続き、関係行政機関、専門家、地域の皆さんの協力を得て、下島でのヤマネコの生息状況を調査してゆく予定です。
写真:下島で5ヶ月ぶりに元気な姿を見せてくれたヤマネコ


人の動き

村山 晶(むらやまあきら。元自然保護専門員:獣医師)山形県出身
 ツシマヤマネコに出会い、5年9ヶ月対馬で過ごしたことは、私の一生に強烈な影響を与え続けると思います。本当にたくさんの人に出会い、もちろんヤマネコにも出会い、たくさん失敗もしながら、多くのことを学びました。ツシマヤマネコを絶滅の危機から守るための挑戦はまだこれからもしばらく続くと思います。対馬を離れても、ずっと対馬を想い、関わり続けてゆきたいと思います。ありがとうございました。

茂木 周作(もてき しゅうさく。自然保護官補佐:調査・研究担当)新潟県出身
 学生時代に3年間沖縄から対馬に通い、ツシマヤマネコの調査・研究をしてきましたが、対馬に来る度に対馬の自然の豊かさと対馬に住む人の心温かさに感動していました。この度、対馬の島民となり、みなさんと一緒にツシマヤマネコの保護活動に関われることをとても嬉しく思うとともに、学生時代にお世話になった対馬の自然と住民の皆さんに少しでも恩返しが出来ればと思っています。これからは、保護活動に直接結びつくようなデータを取るために調査をバリバリ行ってゆくつもりです!皆さんが暮らす地域にも調査でお邪魔することがあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します。


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