対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第23号

 

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あなたの鶏小屋は大丈夫ですか?


鶏小屋

 昨年のとらやまの森18号でもお伝えしましたが、冬場はヤマネコにとって餌が少ない季節です。寒くなるにつれて、ネズミなどのヤマネコの餌が減ると言われています。また、テンが好きな果実もなくなります。そうなると、彼らにとって特に鶏が魅力的に見えるのでしょう。これまで、ヤマネコやテンに鶏小屋が襲われるのは圧倒的に冬が多いのです。
 野生動物にとっては、人のものかどうかの区別はつきません。また、襲ったヤマネコやテンを取り除いたとしても、他の個体がやってくるので、きりがありません。つまり、鶏小屋を補強するしか方法がないのです。愛情込めて育てた鶏のためにも、右図のポイントをもう一度チェックしてみてください。




お騒がせヤマネコ・トモオくん

Mm-13

 ろうきんブックレット「ツシマヤマネコ」の中で、友谷(ともや)という集落が好きなので「トモオ」と仮に※名づけたヤマネコ(Mm-13)が、また友谷で保護されてしまいました。彼が保護されたのはこれで3度目。最初は交通事故に遭ってケガをして、2度目は一昨年の夏に鶏を10羽も殺してしまって鶏小屋の中で、3度目の今回も鶏小屋の中でした。
 センターに連れて帰って血液検査をしたところ、特に異常はありません。約10日後、野生に帰すことに決めたのですが、友谷の集落の方にとっては前科2犯のヤマネコなので、複雑な思いがあるはず、と考え、集落の公民館に集まっていただいて説明会を行いました。
 説明会で「山に放すことになるので鶏小屋の戸締りを。」と呼びかけたところ、最終的には「仕方なかねぇ、友谷のトモオじゃけんねぇ」と理解していただきました。また、昔からのヤマネコのエピソードなどを多く聞かせてもらい、思いもかけず対話の場となりました。
 このトモオくん、実は一昨年の夏にはセンターから脱走するという暴挙(?)をなしとげたヤマネコです。そのときにも、センター職員はチラシを持って集落を回りましたが、おかげで集落の人たちの生の声を聴くことができました。どうやら、彼のお騒がせぶりは、センターに地元の方々との接点を作ってくれているようです。でももう戻ってこないでね・・・。

 ※ センターでは、通常は野生動物であるヤマネコに名前はつけません。本の中で便宜的に名づけたもの。



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