対馬野生生物保護センター

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2005年9月:センターの活動日誌・木村

2005年9月の活動

♪♪♪

投稿者:木村 投稿日:2005/09/27(火曜) 21:24 No.789

先日の日曜日は棹崎公園お散歩観察会「虫の音を聴く会」でした。島内の小中学校はどこも運動会だったこの日、運動会の疲れもなんのそので観察会が行われました(昆虫少年のパワーはすごい!)。

「虫の声」の歌で知られる、心地よい音を奏でるマツムシやスズムシ、騒がしいクツワムシなど、虫のオーケストラの中様々な虫が観察されました。
対馬固有のホタル、アキマドボタルの灯りもあたりに漂い、目にも耳にもやさしい時間を楽しみました。

秋の夜長にホタルを見ながら虫の音鑑賞というのも、なかなかオツなものです。

↑写真は日本最大級のホタル、アキマドボタルのオス

棹崎のダンギク

投稿者:木村 投稿日:2005/09/13(火曜) 20:06 No.777

ダンギクの花が咲く季節になりました。阿比留さんから棹崎公園入口のものはもう咲いていると聞いたので、海岸側の園地に咲くダンギクを見に行ったのですが、全て根こそぎ無くなっていました。

野山に咲く草花は誰のものでもなく、みんなのものです。棹崎園地のダンギクを楽しみにしていた人はみな、今年から見られなくなるのかと残念に思うでしょう。棹崎まで見に来るのは大変でしょうし、我が家の庭で咲かせたい気持ちもわかります。
が、韓国が浮かぶ海をバックにダンギクを見る、棹崎だけの風景は無くなってしまいました。

先週対馬の現存植生図の紹介をして、今週も続きを書こうと思っていました。自然植生が残っているところを紹介して、みなさんに対馬の自然の森を見てもらおうと思っていましたが、そこに残されているかもしれないランなどの野草も持っていかれてしまうのではないかと怖くなりました。

森づくり勉強会

投稿者:木村 投稿日:2005/09/05(月曜) 20:33 No.770

土曜日の夜に、「とらやまの森再生プロジェクトチーム」の森づくり勉強会がありました。

←みんなで囲んでいるのは「対馬の現存植生図」です(植生とは、生きている森の集まりのこと)。対馬のどの場所に、どのような種類・状態の樹木を主とした森があるのかが、この地図を見ればひとめでわかります。

まず初めに気が付くのは、対馬の上島と下島では植生がほぼきれいに真っ二つに分かれるということ。下島は九州地方で普通に見られる常緑広葉樹の森が広がっていますが、上島はコナラなどの落葉広葉樹の森が広がっています。縦に長細い対馬では、上島と下島で気温が2,3度違うと言われている通り、気候によって植物も棲み分けているようです。

続いて色分けされているところをひとつひとつ見ていくと、島のほとんどは2次林(伐採など、一度人の手が加えられている森)で、自然のまま残された森がほとんどないことがわかりました。数字で対馬の自然林は一割ほどしかないと知ってはいましたが、この大きな地図上で、小指の爪の半分ほどの小さな範囲(神社や山頂部など)で点々としか残されていない現状を知り、森とともに生きてきた対馬の歴史と文化を改めて痛感させられました。よくまあこれだけ切ったものだと・・・つづく