第2回焼酎リユースびん推進会議 議事要旨
第2回焼酎リユースびん推進会議 議事要旨
議事要旨
○日時
平成23年3月2日(水)13:00~15:00
○会場
鹿児島県鹿児島市 ホテルウェルビューかごしま「潮騒」
○出席者
構成メンバー24名中19名出席(欠席:5名)
○議題
- 1.平成22年度の事業成果について
- 2.全国でのリユースびん利用の取組みについて
- 3.今後の取組について
議事
<委員からの主な意見>
1.平成22年度の事業成果について
○<事業全般について>
- 本事業は、びんリユースを普及拡大するものか、Rマークびんを普及拡大するものなのか。
(事務局回答)環境負荷低減に資するリユースを全般的に進めるものである。そのための方策としてRマークびんを採用するというものが選択肢としてあると考えている。
<奄美地域でのモデル事業について>
- 奄美地域でのモデル事業は、島外へ出荷されたものが戻されるとかなりの量がリユースできると期待される。
- 黒糖焼酎は、島内で3割消費、島外に7割出荷。島外に出たびんは戻っていない。
- 奄美エコマネー事業の制度、P箱等を導入して、業務用を含めて酒販店がきちんと回収してびん商に渡すなりメーカーに返すなり、良いびんが回る仕組みを構築するのが良い。その延長線上に島外出荷にもP箱を導入すればうまくいくだろう。
- 地産地消、ごみ減量化などを図る自治体がいれば、支援していくことが必要であろう。
2.全国でのリユースびん利用の取組みについて
○<全国動向について>
- 例えば、宅配事業で進めているグリーンコープのリユースの事例なども踏まえると、できるところはできつつあるのであろう。他にもリユースできるところがあるのではないか。
3.今後の取組について
○<普及啓発に向けて(ディスカッション)>
(酒造メーカーからのコメント)
- これまで900mlRマークびんでリユースを進めてきた。鹿児島・九州に出荷されてしまうものの回収率を向上させるのは難しく、むしろ鹿児島・九州で出荷されたものの回収率をより向上させることが重要である。
- 平成23年4月から720mlもリユースしようと検討している。Rマークびんではないが、びんの特性はリユースできることにあるので、Rマークびんであるかどうかはこだわる必要はないと考えている。
(焼酎の出荷動向・容器について)
- 焼酎の出荷動向は焼酎ブームによって拡大されていったが、県外への出荷・消費が伸びている。容器においても酒類免許の規制緩和もあり、スーパー・コンビニ等での販売量が増え、その多くは紙パックである。
(酒造メーカーがリユースびんを使用しやすい環境づくり)
- 酒造メーカーへのアンケートの中でリユースびんをなぜ使わないかという本音が出ている。この点を解決していくことが重要であろう。その一番の問題は、消費者の自宅にあるびんには何が入っているかわからない、だから扱いたくないという点であろう。一方、業務用のびんにはマジック書きがあるというような状況にある。
- メーカーが安心して使える洗びんの供給体制を構築する必要がある。「無理やり使わされている」という話にもなりかねない。メーカーはちょっとした傷に神経質になっている。メーカーが安心して使える体制作りについて、メーカーや現場の話を聞きながら進めるべきだと思う。
(国に期待するリユースしやすい仕組みづくり)
- 国としてリユースが必要であると考えるならば、環境省、経済省、国税庁等が一致団結して、リユースしやすい仕組みを作ってもらいたいという本音がある。環境負荷を考慮して、リユースびんで販売する側にメリットを与えて、価格に反映して売りやすい仕組みづくりなど、国が目を開いてやらないとメーカーは使わない。
(流通業におけるびん回収の状況)
- 流通業から見ると、業務用からのびん回収は100%以上となっている。100%以上というのは、料飲店がスーパー等で買う分も含まれるからである。そのなかから、リユース可能なびんを仕分けるのは非常に大変である。
- 現状、丸正びんのほとんどがごみになっている。一部は利用してもらえるところもあるが、全量は無理である。利用してくれるところでも、1本1円というような価格であり、持っていく先がないのが現状。びんを回収してもそのままごみになってしまう。この流れを変えてもらわないと進まない。
(びん回収業からみたびん回収の状況)
- 回収したびんは、廃棄にもコストがかかっている。リユースのためには現状とは違うコストが係ることは仕方ない。「リユースをしなさい」ということでびんを回収しても、メーカーが使ってくれないと在庫となり、廃棄するしかない。最後のしわ寄せがびん商になっている。
- 酒造メーカーにはリユースびんを使用してもらいたく、また、びんを売ったところが回収をしないとリユースは進まない。
- リユースするものが馬鹿をみるとならないようにして欲しい。酒造メーカーでもリユースできる新しいびんを買って、リユースびんを普及しようとしている所もあれば、紙パックでしか出荷しない所もある。
(川下(消費者)からの対策の重要性)
- 第1回推進会議で大前委員から推進のための3つの切り口として「法的拘束による手法」、「経済的インセンティブティブによる手法」、「消費者・ユーザーへの教育」が示された。例えば、デポジット制度のようなもので、川上から川下まで(製造~流通~消費~回収)まで関わってくるインセンティブ施策を講じるのが重要ではないか。
- 酒造メーカーにリユースびん利用に関する法的拘束をかけるような方策は望ましくない。本格焼酎メーカー以外にもびんを扱っている飲料メーカーは幅広く、多くは中小メーカーである。法的拘束であれば大手から率先してこの制度に参加していくべきであろう。
- 川上でなく川下から対策をとって欲しい。十分なコンセンサスが得られたうえで「メーカーさんどうですか」という取組みのステップが必要。メーカーは、ユーザーが紙パックをくれといえば作らざるを得ない。お客様が神様という弱い立場に居る。
- 法律で規制してはいけないということではなく、慎重であるべきであろう。法律の強制では社会は歪んでしまうことがある。
- 川下的な発想をすべき。メーカーはビジネスとして売れる物をつくる。それは悪いことではない。
(消費者への草の根レベルでの普及啓発・教育の必要性)
- 思っていた以上にまだまだ越えなければならないハードルが沢山あると感じた。消費者教育の話について、マイバッグの話はどこに行っても出てくるようになった。リユースびんについても草の根活動の環境の話に入れてもらわないと展開が難しい。鹿児島でもそのような活動を行っている組織は、市町村レベルでも大きな力を持っているので、そういう会合のなかで、ごみの問題とともに、もっと草の根的な活動のなかで進めて欲しい。
- 環境フェアで得られた意見が消費者の現状だろう。消費者は「どこに持っていけばよいのか分からない」など、解決すべき点は多い。
- 欲しい銘柄がリユースびんかどうかなど、消費者側、メーカー・店側が一緒に同時進行で進めないと難しいところである。まだまだ厳しいところがあると思った。
- 消費者に適切な情報を提供して判断してもらわねば、世の中は変わっていかない。環境問題は無意識な行動のなかで生じている。無意識で行ってきたことを意識付けなければならない。これは行政だけではなく、メーカーからも働きかける仕組みづくりをすべき。
(びんリユースを進める際の留意点)
- びんをリユースするのが最高の価値ではなく、環境にやさしい流通・消費を目指す、ということ。びんを神聖視するのは極めてまずい。適切な組み合わせを考えないと逆に危ないことになる。
事務局:閉会