報道発表資料
- 報道発表
博多港におけるヒアリの確認について
平成29年7月21日に福岡県福岡市博多港において港湾管理事業者により発見されたアリについて、専門家による種の同定の結果、同日に特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)と確認されましたので、お知らせします。 当該ヒアリは、中国・広東省広州市の南沙港から出航した貨物船から陸揚げされたコンテナを集約するコンテナヤードにおいて、コンテナの外で発見されたものです。 発見時に確認された個体については、すでに全て殺虫処理しており、また確認地点付近にはベイト剤を設置しています。
1.経緯
当該ヒアリは、中国広東省広州市の南沙港から出航した貨物船から陸揚げされたコンテナヤードの地面で発見されました。
7/3 及び10日
中国広東省広州市の南沙港にてコンテナを積載した貨物船が出港(2回)。
7/12 及び19日
福岡市博多港アイランドシティコンテナターミナルにて南沙港からのコンテナを陸揚げ(2回)。7/21まで保管される。
7/21
上記コンテナヤードにおいて港湾管理事業者によりヒアリ調査を実施時に、コンテナヤードにできたアスファルトくぼみ付近にてアリ数十匹が発見される。発見したアリは全て殺虫処分し、サンプルを採取するとともに、発見地点周辺を囲い込むようにアリ忌避剤を散布して万一の拡散を防止するとともに、周辺にベイト剤を設置。同事業者にて拡大鏡を用いてアリ個体を確認したところ、ヒアリである可能性があると判断され、福岡市と九州地方環境事務所に報告。アリのサンプルは同日中に九州大学熱帯農学研究センターの専門家に同定を依頼。専門家によりサンプルがヒアリであることを確認。
2.今回の確認されたヒアリについて
確認されたヒアリは、既に同種が定着している中国広東省広州市から輸送されたコンテナを集約しているコンテナヤードで発見され、また、現段階では他の貨物やコンテナが一時保管された場所の周辺からの発見情報はないため、ヒアリが当該地域周辺に定着し繁殖している可能性は低いと考えられます。
なお、今回ヒアリが確認されたコンテナヤードは、全国の7港湾で緊急に調査されたヒアリ調査(6月30日)の際にはヒアリは確認されていなかった場所です。
3.今後の対応
当該コンテナヤードで確認された個体は、初期対応の結果、発見された全ての個体が薬剤の噴霧により殺虫処分されました。当地においてはすでにベイト剤設置による防除が実施されておりましたが、今後はベイト剤設置範囲を広げ、水際対策を強化していくこととしています。
なお、福岡県、福岡市、博多港の港湾管理者等の関係機関に対しては、以下を依頼しています。
・今回使用した船舶や保管場所、倉庫、その他運搬車両等の関係者に当該生物の混入があったことを周知し、他に混入の恐れがないか確認を依頼すること
・今後同様なルートで製品を輸入する際に、当該アリその他の特定外来生物の付着・混入がないよう、現地の工場・保管場所・コンテナ置き場・積み出し港等の状況を把握し、対策を採ること
・福岡市や環境省等が行う緊急調査に協力すること(同行取材は調査の都合上ご遠慮願います。)
4.情報提供のお願い
ヒアリは、攻撃性が強く、刺された場合、体質によってはアナフィラキシー・ショックを起こす可能性があります。世界各地に定着がみられることから、一旦定着すれば根絶することは困難となるため、侵入監視により、早期発見、早期駆除により定着前に根絶を図ることが極めて重要です。
当該博多港や既に発見されている港湾に限らず、海外からの貨物や旅客が到着する港や空港においては同様にヒアリ侵入のリスクがあります。
地方自治体や駆除業者の方々につきましては、在来種ではないことを確認の上、ヒアリと思われる個体が発見された場合には、管轄区域の環境省地方環境事務所にご連絡ください。
連絡先URL:https://www.env.go.jp/region/index.html
ストップ・ザ・ヒアリ(ヒアリの特徴・生態・駆除方法・刺されたときの対処方法等の参考):https://www..env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_fireant.pdf
※ヒアリは強い毒を持つため、生きた個体を素手で触らないようにしてください。
今回発見されたヒアリ
今回ヒアリが確認された場所
今回確認されたコンテナの一画(赤矢印部分)
- ■ 問い合わせ先
- 環境省自然環境局
野生生物課外来生物対策室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8344
室長 曽宮 和夫
室長補佐 八元 綾
担当 知識 寛之
九州地方環境事務所 野生生物課
直通 096-322-2413
課長 鑪 雅哉
課長補佐 森 一弘