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九州地方環境事務所

報道発表資料

2017年08月18日
  • 報道発表

博多港におけるヒアリの確認について(平成29 年7 月21 日の続報)

平成29 年7月21 日に福岡市東区博多港のコンテナヤードのアスファルトのくぼみで特定 外来生物ヒアリ(Solenopsis invicta)が確認されました。その後、港湾管理者が内部にヒア リが混入している可能性があるコンテナを特定し、8月17 日に当該コンテナを開けて内部を 検査したところ、約300 個体のヒアリ(生体約20 個体を含む)が確認されましたので、お知 らせします。 生きた状態で確認された個体については、全て薬剤で殺虫処理しており、また当該コンテナ 内部及び荷物については燻煙消毒を行いました。

1.経緯

当該コンテナは、中国広東省広州市の南沙港から出航した貨物船で博多港アイランドシティ
コンテナターミナル(以下、ICCT) で陸揚げされたものです。

7/21 港湾管理者がICCT においてヒアリ生息調査を実施した際に、コンテナヤード舗装面
にできたアスファルトくぼみ付近にてアリ数十匹を発見したことから、発見したアリ
を全て殺虫処分し、サンプルを採取。発見地点周辺を囲い込むようにアリ忌避剤を散
布して万一の拡散を防止するとともに、周辺に殺虫餌(ベイト剤)を設置。ヒアリの
可能性があると判断し、福岡市と九州地方環境事務所に報告。
九州地方環境事務所が九州大学熱帯農学研究センターにアリのサンプルの同定を依
頼し、同センターの専門家がヒアリであることを確認。
(詳細の経緯については平成29 年7月21 日付け報道発表資料「博多港におけるヒア
リの確認について」(URL:https://www.env.go.jp/press/104366.html)参照)

7/22~7/26 港湾管理者及び福岡市がICCT で目視調査。この間に当初発見地点付近で複数
回にわたりヒアリ(計数十個体)を確認したため、内部にヒアリが混入してい
る可能性のあるコンテナを平積みにして、周辺にヒアリが拡散しないように個

別に取り囲むようにアリ忌避剤を散布。7/25 には港湾管理者が内部にヒアリが
混入している可能性のあるコンテナ1 個を特定。当該コンテナの周囲に高密度
に殺虫餌(ベイト剤)を設置し、コンテナを取り囲むようにアリ忌避剤を散
布。九州地方環境事務所がコンテナを開封して内部の検査、消毒を行うため
に、当該コンテナ貨物の運送事業者等と調整を開始。

8/17 運送事業者がコンテナ貨物の荷主及び港湾管理者の協力を得て当該コンテナを開
け、九州地方環境事務所職員が内部を検査。コンテナ内部床面を中心に約300 個体の
アリ(生体約20 個体を含む)を確認。生きた個体は殺虫処分。九州地方環境事務所職
員が死骸を採取して九州大学熱帯農学研究センターの専門家に同定を依頼したとこ
ろ、ヒアリであることを確認。また、死骸の中にはヒアリの餌となっていた可能性の
ある他種のアリや、種が特定できない女王アリと思われる個体の一部も含まれていた
ことを確認。

 

2.今回の確認されたヒアリについて

九州地方環境事務所職員が、ヒアリが確認された当該コンテナ内部及び荷物を燻煙剤で消
毒しました。また、当該コンテナ内部床面に液剤の散布を行い、生きて確認されたヒアリは
全て殺虫処理しました。さらに港湾管理者の協力を得て、九州地方環境事務所職員がコンテ
ナ底面及び留置地点の舗装面を検査して、ヒアリがいないことを確認しました。
また、現段階では他のコンテナやICCT 周辺からの発見情報はないことから、ヒアリがICCT
周辺に定着し繁殖している可能性は低いと考えられます。
なお、博多港ICCT は、環境省及び国土交通省が全国7港湾で緊急に調査したヒアリ生息調
査(6 月30 日)で、ヒアリが確認されていなかった場所です。

3.今後の対応

今回、ヒアリが確認されたコンテナが留置されていたICCT では、すでに港湾管理者等によ
って殺虫餌(ベイト剤)設置等による防除を実施していましたが、環境省では、今後は国土
交通省、福岡市、博多港の港湾管理者等の関係機関と協力しながら、殺虫餌(ベイト剤)設
置等の防除対策の範囲を広げ、水際対策を強化する予定です。また、環境省は、国土交通省
港湾局と協力して、中国、台湾等の定期航路を有する68 港湾における目視及びトラップによ
る調査や殺虫餌(ベイト剤)の配備を行うとともに、全国のヒアリが確認された地点におい
て周辺2km の調査を順次実施しており、博多港は両調査の対象となっています。

4.情報提供のお願い

ヒアリは、攻撃性が強く、刺された場合、体質によってはアナフィラキシー・ショックを
起こす可能性があります。世界各地に定着がみられることから、一旦定着すれば根絶するこ
とは困難となるため、侵入監視により、早期発見、早期駆除により定着前に根絶を図ること
が極めて重要です。
当該博多港や既に発見されている港湾に限らず、海外からの貨物や旅客が到着する港や空
港においては同様にヒアリ侵入のリスクがあります。

連絡先URL:https://www.env.go.jp/region/index.html

ストップ・ザ・ヒアリ(ヒアリの特徴・生態・駆除方法・刺されたときの対処方法等の参考):https://www..env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_fireant.pdf

※ヒアリは強い毒を持つため、生きた個体を素手で触らないようにしてください。

      

今回発見されたヒアリ(写真:環境省提供

              

今回ヒアリが確認された場所

tizu

 

■ 問い合わせ先
平成29年8月18日(金)
環境省自然環境局
野生生物課外来生物対策室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8344
室長   曽宮 和夫   
室長補佐 八元 綾    
担当   知識 寛之   
九州地方環境事務所 野生生物課
直通 096-322-2413
課長   鑪 雅哉
課長補佐 森 一弘
担当   立岩 沙知子
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