九州地域のアイコン

九州地方環境事務所

平成29年度ヤンバルクイナ飼育下繁殖等業務

1 業務概要
(1)業務名
平成29年度ヤンバルクイナ飼育下繁殖等業務
(2)業務内容
1)飼育下繁殖業務
業務の実施は、環境省ヤンバルクイナ飼育・繁殖施設等沖縄島内にある施設で行う。施設において、飼育下個体及び今後新たに飼育する個体を飼育・管理し、飼育、繁殖及び飼育下個体群の適切な管理に関する経験の蓄積、関係施設、技術、体制に関する知見を収集し、今後の事業に反映させることを目的として、以下に係る業務を実施する。業務実施にあたっては各施設の管理主体と必要かつ十分な調整を行うものとする。
・飼育個体の管理
飼育個体への給餌、飼育室の清掃、飼育個体の健康状態の観察、飼育室内の植栽や床面の管理及び清掃等の一般的な作業の他に以下の管理業務を行う。
①個体識別、②つがい形成、繁殖、育雛等の行動様式の変化に従った管理、③親鳥の抱卵時若しくは孵卵器入卵時の卵、育成個体及び繁殖個体の健康状態等の管理(検査・診察)、④傷病個体の診療及び治療、⑤飼育下において死亡した個体の検査及び死因究明
また、飼育下繁殖事業における飼育個体の把握を行うため、飼育個体管理表(別紙)を1ヶ月ごとに更新し環境省那覇自然環境事務所やんばる自然保護官事務所担当官(以下「担当官」とする。)へ提出する。
・飼育下繁殖の実施
ヤンバルクイナ保護増殖ワーキンググループの合意を得た繁殖計画に基づき、飼育下繁殖を行う。
・飼育下個体群の管理
飼育個体群管理においては遺伝的多様性の保持を考慮する。
・データ収集
日々の飼育に係る情報(各個体の給餌に係る食欲、残餌、排便状況、活動性、天気や温湿度等環境情報、診療及び治療情報)を飼育日誌に記録するとともに、飼育下における繁殖生態・人工孵化・育雛・つがいの形成(ペアリング)等に係る情報の記録・収集を行う。また必要に応じて、個体の状態や季節に応じて給餌内容や給餌量を変化させるなどデータ収集のための試験を行う。
・遺伝子解析用サンプル(血液)の採取
遺伝子解析に用いるための血液サンプルを必要に応じて飼育個体から採取する。
・野生復帰試験に係る個体の選定等
野生復帰試験に係り、10羽程度の個体の選定を行い、基本的な個体識別等作業や発信機の装着、健康状態チェックや検疫を行うこととする。
・飼育下個体群管理マニュアル及び飼育技術マニュアルの改訂
新たに得られた知見を反映させ、「ヤンバルクイナ飼育下個体群管理マニュアル」及び「ヤンバルクイナ飼育技術マニュアル」を改訂する。
※本業務は、クイナ類の飼育繁殖及び野生動物救護の経験のある獣医師の指導下で行うこととする。

2)環境省施設の管理・運営
環境省施設の管理運営を行う。必要に応じて月に1回以上獣医師が駐留しヤンバルクイナの診療や治療を行い、設置された医療機器の管理や各棟の運営体制を整える。
また、環境省施設への見学や取材が行われる際には、担当官と協議の上で、施設の案内や説明等の対応を行う。また、見学、取材及び業者等の来訪者名簿を作成し、環境省施設来訪者の把握に努める。

3)管理診療棟の清掃
環境省施設の管理診療棟内の掃き掃除、拭き掃除及び外周清掃を週1回以上、年間48回行う。各回の作業時間は半日とする。作業にかかる清掃用具及び消耗品は請負者が準備する。

4)草刈り作業
飼育繁殖棟及び検疫棟外周の雑草抜き及び芝刈りを月6回以上(週1回以上)、年間72回行う。各回の作業時間は半日とする。草刈りした草等の片付けは請負者が実施する。作業にかかる草刈り用具及び消耗品は請負者が準備する。

5)落ち葉採集
飼育室の床材として用いるための落ち葉採集を年間12回以上(1ヶ月に1回以上)行う。落葉は国頭村安田周辺の森林で採取し、タバコの吸い殻、ビニル製品、空き缶等のゴミが混入しないよう十分な確認を行う。1回の採集量は70リットル袋で50袋以上とする。各回の作業時間は1日とする。作業にかかる消耗品は請負者が準備する。

6)ヤンバルクイナ保護増殖事業ワーキンググループ会合の開催
飼育下繁殖事業に関する検討等を行うことを主な目的として、業務の実施期間中にワーキンググループ会合を2回程度開催する。
会合の開催場所は環境省漫湖水鳥・湿地センター(豊見城市豊見城)若しくは那覇自然環境事務所(那覇市樋川)の会議室とする。それにともなう会議費用は発生しない。具体的な日時や場所等については、担当官の指示に従うものとする。
 ①日程調整、②会議資料の作成、③ワーキンググループ委員への開催通知、④会議の運営及び会議内容の記録、⑤ワーキンググループ委員への旅費及び謝金の支払い、⑥会議議事録の作成を行う。
※旅費は国家公務員等の旅費に関する法律に従って支給し、謝金は委員1人に対して1回あたり(14,000)円を支給するものとする。
ワーキンググループ委員は、公益財団法人 山階鳥類研究所 副所長 (千葉県我孫子市)、沖縄フィールドワーク代表 (沖縄県うるま市)、国立大学法人 新潟大学 准教授 (新潟県新潟市)、特定非営利活動法人 どうぶつたちの病院 沖縄 理事長 (沖縄県うるま市)、日本獣医生命科学大学獣医学部 教授 (東京都武蔵野市)、独立行政法人国立環境研究所 職員(茨城県つくば市)、横浜市繁殖センター 職員(神奈川県横浜市)を予定している(委員の都合等による変更の可能性あり)。

7)打ち合わせ等
・ワーキンググループ会合前の打ち合わせ
ワーキンググループ会合開催前に、事務所担当者と関係者による打ち合わせを1回以上行う。
・定期ミーティング
2月毎に定期ミーティングを行い、飼育個体の状況、業務における課題と対応及びその後の予定等について事務所担当者に報告する。
・緊急時の報告
上記の他、飼育個体の死亡等の緊急事態が発生した際には、状況や対応等の報告を速やかに行う。

(3)業務実施期間
  平成29年4月1日から平成30年3月31日

2 応募要件
(1)基本的要件
  ①予算決算及び会計令(昭和22年勅令第165号)第70条の規定に該当しない者であること。なお、未成年者、被保佐人又は被補助人であって、契約締結のために必要な同意を得ている者は、同条中、特別の理由がある場合に該当する。
  ②予算決算及び会計令第71条の規定に該当しない者であること。
  ③環境省から指名停止措置が講じられている期間中の者でないこと。
④参加希望書類の募集要領で示す暴力団排除に関する誓約事項に誓約できる者であること。
(2)技術力に関する要件
①クイナ類の飼育繁殖及びウイルス性感染症、細菌性感染症、寄生虫病その他の感染症等の予防・治療について知見及び技術を有しており、飼育繁殖及び予防・治療を行った実績があること。
②クイナ類の計測、個体への標識装着及び標識装着個体の確認に関して実績があること。
③ヤンバルクイナ保護増殖事業ワーキンググループ会合で行われるヤンバルクイナの飼育下繁殖等に関する議論に用いる資料の作成や議事録のとりまとめに必要な生物学的、野生動物医学的知見等を有していること。
(3)設備・システムに関する要件
①ヤンバルクイナの主たる生息地である国頭、大宜味、東の3村内において、ヤンバルクイナの飼育が可能な施設を確保していること。
②沖縄島内において、集中治療室やレントゲン機器等のヤンバルクイナの傷病個体の収容、診断、治療が可能な設備を確保していること。
(4)業務執行体制に関する要件
①執行体制には、クイナ類の育雛から繁殖までの飼育実績を有する者が存在すること。
②本業務を統括する者は、クイナ類の飼育繁殖及び野生動物救護の経験がある臨床経験の豊富な獣医師であること。
③ヤンバルクイナの個体識別等を行う技師は、20羽以上の野生又は野生由来のクイナ科鳥類の計測に関する実績を有すること。
④事業実施期間を通じて、飼育繁殖施設に2名以上の飼育員を確保し、鳥類のウイルス性感染症、細菌感染症、寄生虫病その他の感染症等の予防について実績を有する飼育繁殖のための技術員が定期的に検査できる体制を確保できること。また、傷病個体の収容、診断、治療にあたれる獣医師を1名確保すること。
(5)業務実績に関する要件
①野生動物の傷病鳥獣救護に関する業務を受注した業績があること。
②クイナ類の調査・研究等に関する業務を受注した業績があること。
③やんばる地域における自然環境に関する調査業務を受注した業績があること。

3 募集要領を交付する期間及び場所等
(1)交付期限:平成29年3月10日(金)~3月21日(火)17時15分まで)
(2)交付場所:那覇自然環境事務所サイトの「調達情報」>「参加者確認公募に関する公示」より必要な件名を選択し、「公示」の下段に入札説明書のファイルが添付されているので、ダウンロードして入手すること。
https://kyushu..env.go.jp/naha/procure/

4 参加希望書類の提出期限等
(1)提出期限:平成29年3月30日(木)12時まで
(2)提 出 先:〒900-0022 沖縄県那覇市樋川1-15-15 那覇第一地方合同庁舎1階
        環境省九州地方環境事務所那覇自然環境事務所 総務課 調整係
電話098-836-6400 FAX098-836-6401
(3)提出方法:持参又は郵送(書留郵便等の配達の記録が残るものに限る)すること(提出期限必着)。
(4)参加希望書類の書式:募集要領に定める様式により作成すること。

5 公募実施後の対応
審査の結果、応募要件を満たすと認められる者が一しかいない場合にあっては、当該応募者との契約手続に移行する。応募要件を満たすと認められる者が複数いる場合にあっては、一般競争入札(総合評価落札方式)に移行することとする。

6 その他
(1)手続において使用する言語及び通貨
   日本語及び日本国通貨に限る。
(2)関連情報を入手するための照会窓口
   4(2)に同じ。
(3)平成28・29・30年度環境省競争参加資格(全省庁統一資格)の「役務の提供等」の「調査・研究」の認定を受けていない者であっても、参加希望書類を提出することができるが、その者が2に定める応募要件を満たすと認められ、一般競争入札(総合評価落札方式))に移行した場合には、当該資格の認定を受ける必要がある。
(4)契約締結日までに平成29年度の予算 (暫定予算も含む。)が成立しなかった場合は、契約締結日は、予算が成立した日以降とする。
 また、暫定予算になった場合、全体の契約期間に対する暫定予算の期間分のみの契約とする場合がある。
(5)本公示に記載がない事項は、募集要領によることとする。