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九州地方環境事務所

外来生物対策-セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモについて

セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモについて

 セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモはオーストラリア又は熱帯地方原産のクモで、日本には海外からの貨物等と一緒に国内に侵入してきたと考えられています。

図:クモのイメージ図
クモのイメージ図

図:横から見たイメージ図
横から見たイメージ図

 クモ類の腹部は上図に示した部分をいいます。また、背面というのは地面にいるクモをそのまま上から見た面、腹面というのはひっくり返して見た面のことです。  

和名
セアカゴケグモ
学名
Latrodectus hasseltii
原産地
オーストラリア
特徴
 メスの体長(口~腹部の一番下まで。脚は含まない)は約1センチで、毒をもっていますが、オスはメスの半分以下の大きさで、毒はもっていません。全体的に黒色で、腹部は球のように丸く、背面の中央部分に赤い模様があります。腹部の腹面にも赤い模様がついています。

写真:背面 腹部が丸い・背中に赤い模様
背面

写真:腹面 腹面にも赤い模様
腹面

(写真は未成熟個体のものであり、成熟個体では背面の白い模様が消えます。)

和名
ハイイロゴケグモ
学名
Latrodectus geometricus
原産地
亜熱帯地方
特徴
 メスの体長は1センチ程度で、毒をもっていますが、オスはメスの半分以下の大きさで、毒はもっていません。腹部が球のように丸く、体色は茶色、灰色、黒色とかなり個体差がありますが、腹部の背面に縁取りのある赤褐色の斑紋、腹面に赤色の斑紋があることが大きな特徴です。

写真:背面 左が雌、右が雄。腹部が丸く、縁取りのある赤褐色の斑紋
背面

写真:腹面 雄も雌も腹面に赤い模様がある
腹面

 

※色が異なる個体

 ハイイロゴケグモの体色は様々で黒化型と呼ばれる真っ黒な個体もいます。下の個体は、ハイイロゴケグモのメスの写真です。色は異なっても腹部腹面の赤い模様があり、見にくいですが腹部背面にうっすらと斑紋が見えます。

写真:背面 腹部が丸く斑紋が見える
背面

写真:腹面 腹面に赤い模様
腹面

 

○国内における生息場所

側溝・溜め枡、壁のわれめ等の隙間、自販機の下等を好みます。室内に侵入している場合もあります。

○巣の特徴

 巣の形は、いわゆるきれいな蜘蛛の巣の形ではなく、不定形であり、綿ぼこりのように見えるものもあります。下の写真に写っている白くて丸い物は卵のう(卵がたくさん入っている袋状のもの)です。

写真:卵のうと雌

写真:電話ボックスの中にあった巣

 

○間違いやすいクモ

 日本には、セアカゴケグモやハイイロゴケグモによく似た在来のクモもいます。腹部の形や、赤い模様の有無で見分けることができます。

写真:背面
背面

写真:腹面 赤い模様があるが、腹部が細長い
腹面

 

 上の写真のクモは、ハイイロゴケグモの特徴である腹部の腹面に赤い模様がありますが、腹部の形が楕円形をしているため見分けることができます。また、このクモは体長も1センチ以上と大きいため区別することができます。これは在来種のジョロウグモです。

写真:背面 背面だけを見るとハイイロコケグモにそっくり
背面

写真:腹面 腹面に赤い模様が無い
腹面

 

 上の写真のクモはハイイロゴケグモによく似ていますが、腹部の腹面に赤い斑紋がありません。オオヒメグモ属の一種(オオヒメグモもしくはカグヤヒメグモ)です。

○注意点

  • 側溝の掃除や園芸などをする際には、軍手等を着用して作業してください。
  • セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモのメスは毒をもっていますので、見つけた場合は素手で捕獲しようとせずに、靴で踏みつぶしたり、市販の殺虫剤等で駆除してください。
  • セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモに咬まれた場合は、患部を水や石けん水で洗い流す等した上で、医療機関にご相談ください。医療機関を受診される際にクモの種類がわかるように、可能であれば咬んだクモを殺した物を持参してください。

○環境省作成のチラシ

チラシDL [PDF 306KB]

○同定の参考になるチラシを作成しました ご利用ください

チラシDL[PDF 666KB]

○セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモ等の写真が下記ページにあります。啓発等にご利用ください。

本省外来生物法外来生物写真集のページへのリンク

○リンク

「福岡県福岡市のセアカゴケグモ・ハイイロゴケグモにご注意ください!」