報道発表資料

2020年03月19日

令和元年度の長崎県対馬におけるユーラシアカワウソの調査結果について【3月19日】

長崎県対馬において平成29年にユーラシアカワウソが確認され、その後の環境省及び専門家による調査により少なくともオス、メス共に2個体、のべ計4個体が確認されました。令和元年度の環境省の生息状況調査ではカワウソと断定できる痕跡は発見できませんでしたが、専門家の調査により、美津島町尾崎においてユーラシアカワウソ1頭とみられる足跡が見つかりました。 令和2年度は、引き続き、全島的な生息状況を調査するとともに、過去に痕跡が見つかった場所のカメラ調査を実施する予定です。

1.令和元年度調査結果等

・令和元年10月14日から21日、および11月16日から17日にかけて、対馬の海岸線や河川を中心に広域の生息状況調査を実施しました。その結果、カワウソの可能性がある動物の糞が6地点で合計8個発見され、DNA分析を行いましたが、カワウソのDNAは検出されませんでした。

・筑紫女学園大学 佐々木浩教授らによって実施された哺乳類調査において、令和元年12月28日に対馬市美津島町尾崎において、ユーラシアカワウソのものとみられる足跡が見つかりました、複数の専門家に確認を依頼した結果、ユーラシアカワウソの足跡であると判定されました。

・なお、足跡による個体識別やDNA分析は実施できず、性別や個体は不明です。

2.今後の調査方針

過去3年にわたり、対馬全域における生息状況調査を実施してきましたが、対馬のカワウソに関する情報は、依然として十分に得られているとは言えない状況です。そのため、カワウソの出現する場所およびその頻度に関するデータを得るため、痕跡調査、センサーカメラ調査を継続し、生息確認情報の充実を図ります。令和2年度は、引き続き、対馬全域において痕跡調査を中心とした生息状況調査を継続します。また、過去の生息確認地点において痕跡調査とカメラ調査を実施する予定です。

3.お願い

カワウソやツシマヤマネコ等の生息に影響を与えるおそれがあるので、以下の4点について、ご協力をお願いします。

  1. 捕獲をしない

  2. 生息地にむやみに立ち入らない(生態調査や報道目的も含めた写真撮影を含む)

  3. 餌やり、餌づけをしない

  4. 交通事故防止のための安全運転

(参考)これまでの経緯

・平成29年2月に、長崎県対馬において琉球大学が設置したセンサーカメラによりカワウソと思われる動物が撮影され、8月17日に同大学の伊澤雅子教授のグループが報道発表を行いました。

・環境省では、平成29年7月11日から18日に対馬島内にて痕跡調査(フン、毛、足跡、食痕等を捜索する調査)を筑紫女学園大学の佐々木浩教授に依頼して実施し(緊急調査)、採取したフン2個について九州大学医学研究院の関口猛助教に依頼してDNA分析を実施した結果、ユーラシアカワウソ(Lutra lutra)のDNAが検出されました。

・また、個体識別や生息数推定を行うため、同年8月28日から9月2日にかけて対馬全域を対象とした痕跡調査(調査代表者:筑紫女学園大学 佐々木浩教授)を実施し(全島調査)、採取したフン4個からユーラシアカワウソのDNAが検出されました。

・これらの結果を踏まえ、対馬では少数の個体が河川や海岸を利用しながら生息していることが明らかになり、同年10月12日に環境省において調査結果の報道発表を行いました。

・計10個のフンについて、DNA分析(個体識別及び性判別)を実施した結果、上県町佐護と上対馬町富浦で発見されたフンからオス1個体(①)、佐護で発見されたフンからメス1個体(②)、佐護と上県町仁田で発見されたフンからオス1個体(③)の少なくとも3個体が生息していることが示唆されました。

・平成30年度の調査の結果、厳原町久和においてこれまでとは異なるメス1個体(④)のフンが検出されました。これにより、平成29年以降、対馬において少なくともオス、メス共に2個体、のべ計4個体が確認されました。

表.これまでに確認されたカワウソの痕跡一覧

ID

   発見日時

発見場所

性別

推定個体番号

1

 2017年7月14日

佐護

オス

2

 2017年8月31日

佐護

不明※³

3

 2017年8月31日

富浦

オス

4

 2017年9月1日

佐護

オス

5

 2017年9月9日

佐護

オス

6

 2017年9月30日

佐護

不明※³

7

 2017年11月26日

佐護

メス

8

 2017年12月23日

仁田

オス

9

 2018年1月12日

佐護

不明

不明

10

 2018年1月12日

佐護

オス

11

 2018年12月7日

久和

メス

12

 2019年12月28日

尾崎

不明

不明

※ マイクロサテライトにより個体識別は実施できたものの、性判定が実施できなかったため不明としている。

添付資料

■ 問い合わせ先
環境省
・九州地方環境事務所野生生物課
 課 長 鑪 雅哉
 係 長 森口 祐二
・対馬自然保護官事務所
(対馬野生生物保護センター)
 上席自然保護官 山本 以智人
 TEL:0920-84-5577
  • アクティブレンジャー日記 九州地区(リンク)
  • 環境省Twitter(リンク)
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