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九州地方環境事務所

報道発表資料

2020年11月20日
  • 報道発表

令和2年-3年ツシマヤマネコ飼育下繁殖計画及びツシマヤマネコ飼育下個体の移動等について【11月20日】

環境省では、絶滅危惧種のツシマヤマネコの保護を図るため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)に基づく保護増殖事業を実施しており、(公社)日本動物園水族館協会(以下、「日動水」)に依頼し、国内の計8施設において飼育下繁殖事業に取り組んでいます。

このたび、令和2年冬から翌3年春の繁殖期に向けた「令和2年-3年ツシマヤマネコ飼育下繁殖(移動)計画」を策定し、7頭の移動を実施することとしたのでお知らせします。

環境省では引き続き、日動水と連携し、関係動物園の協力を得て、ツシマヤマネコの飼育下繁殖に取り組みます。

1.令和2年-3年の飼育下繁殖に関する方針

・飼育下繁殖第一拠点施設(※注1)では主にファウンダー(※注2)中心の繁殖に取り組む。

・飼育下繁殖第二拠点施設(※注3)では、今回の移動計画で想定されているペアでの繁殖に取り組む。

・遺伝的多様性を維持するため、人工繁殖推進施設(※注4)での人工授精や収容された野生個体からの生殖細胞の確保に取り組む。

・繁殖に寄与しない個体は、展示ならびに各種研究の対象個体として活用していく。等

※注1:ファウンダー候補を導入し、複数頭での繁殖に積極的に取り組む動物園

   (福岡市動物園・西海国立公園九十九島動植物園)

※注2:野生由来で、繁殖のため飼育下に導入し、繁殖に成功した個体

※注3:第一拠点での繁殖個体又は収容できないファウンダー候補を受入れ、繁殖に取り組む動物園

   (京都市動物園・名古屋市東山動物園)

※注4:採精や人工授精等の技術確立に取り組む動物園及び施設

   (井の頭自然文化園・横浜市立よこはま動物園・対馬野生生物保護センター)

2.各施設での取組方針

上述の方針を基に各施設において以下のとおり、繁殖等に取り組む。

①福岡市動物園

・ファウンダーであるメスNo.74 とファウンダーのオスNo.60での繁殖に取り組む。

・ファウンダー候補導入に向けて、メスNo.81を維持する。

※メスNo.81については、井の頭自然文化園で人工繁殖を実施した後、福岡市動物園へ移動。

②西海国立公園九十九島動植物園

・ファウンダー候補であるメスNo.69とオスNo.70※及びオスNo.85 との繁殖に取り組む。

※オスNo.70についてはよこはま動物園へ移動し、人工繁殖を実施した後、再度西海国立公園九十九島動植物園へ移動し自然繁殖を実施する。

③名古屋市東山動物園

・メスNo.89 とオスNo.40、オスNo.83 との繁殖に取り組む。

④京都市動物園

・メスNo.86とオスNo.68との繁殖に優先的に取り組む。

・メスNo.84とオスNo.68との繁殖に取り組む。

・オスNo.41を展示個体として維持する。

⑤井の頭自然文化園

・メスNo.66についてオスNo.50、オスNo.70の精子を用い人工授精を実施する。

・メスNo.81についてオスNo.50、オスNo.70の精子を用い人工授精を実施する。

⑥富山市ファミリーパーク

・オスNo.37とメスNo.42を展示個体として維持。

※No.37は栄養管理の研究対象個体として利用。

⑦横浜市立よこはま動物園

・メスNo.65,メスNo.72についてオスNo.70,オスNo.88の精子を用いて人工授精を実施する。

⑧沖縄こどもの国

・オスNo.20を展示個体として維持する。

⑨対馬野生生物保護センター及びツシマヤマネコ野生順化ステーション

・野生個体の救護を目的とした施設であるが、繁殖拠点施設の負担軽減のため、一時的な措置として先天性心疾患個体のNo.73 を引き続き維持する。

・収容された野生個体からの採精及びその他人工繁殖に関する技術のツシマヤマネコへの応用を検討し、可能な範囲で取り組む。

・オスNo.71を展示個体として維持する。

・オスNo.88を野生復帰技術開発個体として維持する。

3.移動個体一覧

上述の計画に基づき7個体(オス4、メス3)の移動を以下のとおり実施する。

個体番号

性別

年齢

移動前

経由

(人工繁殖)

移動後

No.41

オス

13歳

西海国立公園九十九島動物園

京都市動物園

No.42

メス

13歳

ツシマヤマネコ野生順化ステーション

富山市ファミリーパーク

No.70

オス

11歳

西海国立公園九十九島動物園

横浜市立よこはま動物園

西海国立公園九十九島動物園

No.72

メス

5歳

西海国立公園九十九島動物園

横浜市立よこはま動物園

No.81

メス

3歳

西海国立公園九十九島動物園

井の頭自然文化園

福岡市動物園

No.85

オス

2歳

福岡市動物園

西海国立公園九十九島動物園

No.88

オス

1歳

福岡市動物園

横浜市立よこはま動物園

ツシマヤマネコ野生順化ステーション

○個体の安全確保のため移動時の取材はご遠慮下さい。

○個体の写真提供、取材については各飼育園にお問い合わせ下さい。

○詳細な移動日は各飼育園館で調整し、決定します。

○予定については変更の可能性があります。

添付資料

(参考1)飼育施設別ツシマヤマネコ飼育頭数

(参考2)ツシマヤマネコ飼育下繁殖事業の概要

問い合わせ先

環境省

・九州地方環境事務所野生生物課

 課長          鑪 雅哉

・対馬自然保護官事務所

(対馬野生生物保護センター)

 首席自然保護官     松岡 法明

 TEL:0920-84-5577

(公社)日本動物園水族館協会

 会長          福田 豊

・生物多様性委員会委員長 佐藤 哲也

・ツシマヤマネコ種別計画管理者

             井之上 尚文(福岡市動物園)

 TEL:092-531-1968



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