報道発表資料

2016年07月06日

長崎県対馬市における春期のツマアカスズメバチ防除結果(速報)について(お知らせ)

長崎県対馬市に侵入、定着している特定外来生物ツマアカスズメバチの防除については、本年4月にとりまとめた防除計画の中で、春期のトラップ設置による、営巣前の女王バチの補殺が防除手法のひとつとして示されています。 本年度から新たにこの手法を用いて、対馬市において春期の女王バチを対象とした防除(対馬市住民による女王バチの捕獲、環境省によるモデル地区における女王バチの集中捕獲と港湾周辺における防除)を実施しました。今般、その実施結果を速報値としてとりまとめましたのでお知らせします。

長崎県対馬市に侵入、定着している特定外来生物ツマアカスズメバチについては、本年4月に防除計画(※)をとりまとめたところです。防除計画では、侵入地域である対馬市内においては、これまでの巣の撤去による防除に加えて、新たに春期の女王バチを対象に防除及び拡散の未然防止を強化することとしています。

※ 別添の(参考1)ツマアカスズメバチ防除計画(抜粋)を参照願います。

本年4月中旬から5月下旬にかけて、防除計画に基づき、

   1.対馬市住民によるツマアカスズメバチ女王バチの捕獲

   2.モデル地区における女王バチの集中捕獲(環境省実施)

   3.港湾周辺における防除(環境省実施)

を実施しました。今般、その結果を速報値としてとりまとめましたので、以下のとおりお知らせします。

1.対馬市住民によるツマアカスズメバチ女王バチの捕獲について

より多くの女王バチを捕獲することを目的に、環境省と対馬市が連携協力し、住民の皆様にご協力いただき、住民自身がトラップを設置する「ツマアカ女王蜂駆除大作戦」を実施しました。(今回が初めての実施。)

≪ 実施経過 ≫

・本年2月~3月に行政区区長への説明会、市民説明会を開催するなど、全島181の行政区単位で参加を呼びかけ。

・参加を表明いただいた地区に、設置可能なトラップ数を申告いただき、必要な資材を配布。

・各地区住民が、4月中旬から5月下旬までの期間中に、1回につき2週間程度トラップを設置(可能な方は期間中に2回設置。)。(トラップの作成・設置方法については参考資料を参照。)

・各地区住民が捕獲物を回収し、トラップ毎に袋に入れて一部をサンプルとして対馬市等へ提供(可能な方のみ任意に実施)。

・環境省において、提供されたサンプルの一部を分析し、ツマアカスズメバチ女王バチの捕獲数をカウント。

≪ 実施結果 ≫(詳細は別紙の1)

全島で90地区に合計1,929個のペットボトル等の資材を配布しました。住民自身が用意したペットボトルも含めると2,424個のトラップを設置したことになります。(一部に長崎県対馬振興局及び対馬市設置分を含みます。)

回収した一部のサンプルの捕獲数から、全島でおよそ7,000~12,000匹の女王バチが捕獲されたと推定されました。(推定捕獲数は、簡易的な方法により推定した結果によるもので、あくまで参考値としてお示しするものです。)

今回の捕獲の効果等については、今後のモニタリング結果等を踏まえて検証を行う必要があります。

2.モデル地区における女王バチの集中捕獲について

1の住民によるトラップ設置とは別に、環境省において、1箇所の行政区(佐須奈地区:旧上県町)内で、4月中旬から5月下旬にかけて、集中的にトラップを設置し女王バチを捕獲しました。地区内に約100m間隔の高密度で501個のトラップを2回設置しました(1回の設置期間は2~3週間程度。)。

捕獲圧を高めた場合の駆除効果及び在来種への影響を把握するため、設置位置を記録するとともに、捕獲されたスズメバチ属とミツバチを全て記録しました。

≪ 実施結果 ≫(詳細は別紙の2)

ツマアカスズメバチ女王バチは、第1回487匹、第2回129匹、計616匹、在来のスズメバチ4種計で、第1回189匹、第2回89匹、計278匹が捕獲され、捕獲されたスズメバチ属のうちツマアカスズメバチが最も多く69%を占め、次いでコガタスズメバチが24%で両種で93%を占めました。ミツバチ(働きバチ)は、第1回51匹、第2回9匹、計60匹と少数でした。

なお、テンなどによるトラップの破壊が多く確認され(第1回47%、第2回27%)、その多くは捕獲物が回収できませんでしたので、実際の捕獲数はさらに多かった可能性があります。

今回の捕獲の効果等については、1と同様に、今後のモニタリング結果等を踏まえて検証を行う必要があります。

3.港湾周辺における防除

対馬島内から九州等未侵入地域への拡散を未然に防止するため、環境省において、九州等の港湾と航路があり拡散拠点となり得る港湾周辺でのトラップによる防除を実施しました。

4月中旬から5月下旬にかけて、比田勝港、舟志港、峰港、仁位港、竹敷港、厳原港の6港湾で実施し、各港湾の周辺を囲むように約2kmのラインを設定し、約100mの間隔で1港湾につき20個のトラップを2回設置しました(1回の設置期間は2週間程度。)。

≪ 実施結果 ≫(詳細は別紙の3)

6港湾地域全体でツマアカスズメバチの女王バチは、第1回163匹、第2回58匹、計221匹が捕獲されました。

港湾別のツマアカスズメバチの捕獲数は、2回計で、比田勝港57匹、舟志港23匹、峰港60匹、仁位港70匹、竹敷港10匹、厳原港1匹でした。

今回の捕獲の効果等については、1及び2と同様に、今後のモニタリング結果等を踏まえて検証を行う必要があります。

4.今後の防除等について

ツマアカスズメバチの巣は、6~7月までは藪の中や人工物の中など閉鎖的な空間に多く作られ、発見されることは多くありません。女王バチは、巣内に留まり産卵に専念するようになります。

働きバチが増加し、営巣地の環境が手狭になると、より空間の得られる樹上等の巣へ移動し、8月以降には徐々に巣が大型化していき、多くの巣が発見されるようになります。

10月以降には巣から新女王バチが飛翔し始めますので、それまでにできるだけ多くの巣を発見し、対馬市と連携・協力して巣の撤去を実施します。

より多くの巣を発見するためには、引き続き住民の皆様のご協力が必要となります。また、島外への拡散を未然に防止するため、港湾周辺地域でのより重点的な巣の発見に加え、貨物や船舶等への混入防止について関係事業者の皆様のご協力が必要となります。引き続き、情報発信と普及啓発を行っていきます。

なお、春期の女王バチ捕獲の効果及び在来種への影響については、今後発見されるツマアカスズメバチの巣の数や位置、在来種を含む分布状況のモニタリング結果等を踏まえ検証し、また実施手法の点検を行いつつ、来春の防除等に反映することにより、対馬島内でのツマアカスズメバチの密度低下を目指します。

添付資料

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