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九州地方環境事務所

肝付町×出光興産㈱×ソーラーフロンティア㈱ 地域課題とソリューションのマッチング事例

 令和4年11月21日、「地域脱炭素の実現に向けた地方公共団体と企業のマッチングイベント」が福岡市内で開催されました
 このイベントの趣旨は、2050年のカーボンニュートラルに向けて、地方公共団体と、ソリューションを持つ企業をつなぐことで、地域課題の解決に寄与する脱炭素の取組を前進させることです。今回、このイベントを契機に連携が生まれた事例として、今年の6月27日付で「肝付町地域活性化起業人に関する基本連携協定」を締結した鹿児島県肝付町、出光興産株式会社(地域活性化起業人)及び同社の子会社であるソーラーフロンティア株式会社へのインタビューをご紹介します。それぞれのご担当者に本イベント参加のきっかけやイベントの印象、イベント後から締結に至るまでの経緯等をお伺いしました。
※環境省九州地方事務所、経済産業省九州経済産業局、一般社団法人九州経済連合会による共同開催。
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左:肝付町 永野和行町長・中央:重藤匡氏【派遣社員】・右:ソーラーフロンティア㈱ 山中一典取締役執行役員
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※ インタビュー当時の所属名

■ 脱炭素をきっかけに地域課題を解決する

―― まずは本イベントに参加しようと思ったきっかけを教えてください。

【西森】 肝付町では、人口減少や高齢化、公共サービスの縮小、地場産業の衰退など地域の課題が浮き彫りになってきています。それらの課題の解決策の一つとして、「エネルギー政策」がカギになるのではないか、その上で、脱炭素化は今後さらに進める必要があると考えましたが、何から手を付けていいかわからない。そこで、民間の力を借りたいと思い、参加に至りました。
 
【柴立】 出光興産は燃料油、基礎化学品、高機能材、電力・再生可能エネルギー、資源の大きく5つの事業セグメントを持つ会社。そして、ソーラーフロンティアは、太陽光発電を中心としたソリューションを提供する会社であります。ある日、「地域脱炭素」というキーワードで情報を収集していると、福岡にて自治体と民間のマッチングイベントがあるという情報を見つけ、弊社のエネルギーソリューションを活用することで自治体様の脱炭素、ひいては地域課題解決に役立てるのではないかと考えました。また、今回参加する自治体様は、脱炭素に関する熱量が高いのではないか(=事業として前進しやすい)という仮説のもと、参加に至りました。

―― 実際に参加した印象は、どうでしたか?

【柴立】 民間企業の80社近く(実際81社)が参加しており、かなり熱気があると感じました。民間企業の関心の高さをうかがえました。
 
【西森】 どんな企業が参加するのか、肝付町のブースに来てくれるのか、少し不安でありましたが、実際には多くの企業様にブース訪問いただき、現場は非常に活気があったという印象を受けました。

―― 肝付町のブースに訪問するきっかけはありますか?

【柴立】 事前に自治体側と企業側にどの企業・自治体と話をしたいかのアンケートがあり、肝付町様が弊社の名前を書いてくださっていました。当日お礼のご挨拶も含め、訪問させていただきました。

―― 肝付町様はソーラーフロンティア株式会社様の社名をアンケートに記載した理由はございますか?

【西森】 再生可能エネルギーの導入や普及に一番取り組みやすいのは太陽光発電ではないかと考え、ソーラーフロンティア様は太陽光発電企業としての専門性が非常に高いため、記載させていただきました。

■脱炭素の課題に対し、人材派遣を行うことで自治体ノウハウを蓄積する

―― イベント後、連携協定に至った経緯を教えてください。

【柴立】 イベント時は5分程度しかお話できませんでしたので、後日意見交換する機会をこちらから作りました。
肝付町様とは杓子定規な話ではなく、約2時間じっくりと意見交換をさせていただき、連携協定を含めた支援や企業版ふるさと納税を活用した人材派遣の話など具体的な話をさせていただきました。
3回目(令和5年1月)では、肝付町様より総務省の「地域活性化起業人制度(企業人材派遣制度)」を活用できないかというお話をいただき、今年6月の連携協定に至った次第です。

―― 連携協定締結までに苦労されたことはありますか?

【西森】 人材派遣に伴う予算をどう確保するか、という点は苦労しましたね。
しかし、首長からも脱炭素化を推進していくというコンセンサスは取れていたため、スピード感をもって実行することができました。

―― 今回の連携協定をどのように活用していきたいですか?

【西森】 肝付町では、令和4年1月に「肝付町脱炭素戦略ビジョン」を策定しました。
今回の連携協定により重藤さんに来ていただいたわけですが、重藤さんにはこの方針をもとに、企画立案と実行の最前線で活躍いただくことを期待しています。

【柴立】 大きくは3つ。1つは、民間の営利企業であることからビジネスにつなげていくことを期待しています。自治体様としては、公平性の観点もありますが、計画からお手伝いさせていただいていることもあり、WIN-WINな関係でありたいと考えています。
2つ目は、自治体様との連携を通した知見の蓄積です。今回の人材派遣を通して、自治体様ならではの業務の流れなど民間企業では得られないノウハウの取得を期待しています。同時に、業務の流れや実行スピードの向上、自治体様の生の声を取得し、地域活性化起業人が併走することで、より実行力のあるソリューションをスピード感を持って提供できることを期待します。
最後に企業価値の向上です。今回の連携協定を通して、肝付町のHPに掲載されること、このようなインタビューを環境省からいただけることは、今後事業を進めていく上のファーストアプローチとしてインパクトを持たせることができると期待しています。
 

―― 今回の人材派遣の当人であられる重藤様から意気込みはございますか?

【重藤】 今回の人材派遣については、社内公募がありました。
民間企業から自治体で仕事ができるということは、またとない機会でしたので、立候補し、今に至ります。
今回の派遣を通して、官公庁様の勉強会などに多数参加させていただいていますが、「地域の課題をどう解決するか」に尽きます。その一つのキーワードが「脱炭素」だと認識しております。肝付町様の課題を解決することは、そのほかの自治体様の課題解決することのモデルになりうると考えています。ひいては、2050年のカーボンニュートラル達成に向け、日本国内へ波及できるものにしていきたいです。

■マッチングイベントとは、双方の熱意や思いを寄せる場所

―― 最後に本イベントへの参加を御検討いただいている自治体様、企業様へのメッセージをお願いします。

【西森】 まずは、「行動を起こす」ことが大事!
行動を起こすことで、自治体は脱炭素の取り組みをPRできます。
地域課題の再発見、課題解決のきっかけにつながります。
マッチングイベントに参加して、地域課題を解決していきましょう!!
 
【柴立】 企業側は、「地域課題を解決する」、これを主軸にマッチングイベントに参加されると良いと思います。課題を発見し、課題解決に導く、その過程として自社のソリューションがどう当てはまるのか、この視点で参加するのが理想的と考えます。
自治体様にとっては、民間企業の脱炭素ソリューションを通して、地域課題の発見や課題解決のきっかけになります。昨今、地域脱炭素のみならず、民間企業においても脱炭素経営がトレンドとなっており、再エネ関連事業者が対応する顧客層は拡大しています。よって、自治体様が主体性と熱意をもって取り組まなければ、民間企業もそれら具備する自治体様との連携を優先することとなり、マッチングは難しくなってしまいます。肝付町様にはその主体性と熱意が非常にありました。

ぜひ、熱意をもって本イベントに参加してみてはいかがでしょうか?