対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第27号

 

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ツシマヤマネコ一時収容施設って?


 昨年12月末にツシマヤマネコ一時収容施設が完成しました。でもこの施設って何のためのものでしょう?
 それを理解するにはツシマヤマネコが今置かれている現状を考えなければなりません。野生のツシマヤマネコは非常に少なくなってきており、近い将来何かのきっかけで一気に絶滅してもおかしくありません。それを避けるためには、十分な数のツシマヤマネコを飼育下で確保しておかなければなりません(再導入基本構想では遺伝的にも配慮して100頭程度がよいのではとしています)。現在飼育下に20頭おりますが全然足りず、まだまだ増やさないといけないということなのです。そして当然ヤマネコを収容する施設も用意する必要があります。
 今回は、まだ繁殖に参加しないヤマネコ達を"一時"的に収容するためにこの施設を作りました。彼らは繁殖や再導入などのヤマネコ達の将来のために活躍する日を待ちながら、しばらくそこに住みます。繁殖のために島を出ることもありますが、それは対馬のヤマネコ達の将来のために外で活躍するということなのです。そんなヤマネコ達と施設を温かく見守ってください。

 一時収容施設には12部屋あり、1部屋のスペースは約9平方メートル。寝室と運動場に別れており、運動場には植木、水場、遊び用の丸太などがあります。また部屋の高さが3mあり、渡し木を使って高い所にある登り台に登れるようになっています。今は1頭で2部屋と広めに使っています。


おねがい
 施設にはヤマネコが住んでいます。彼らが将来再導入や繁殖の役割をしっかり果たすためには、できる限り人の目に触れないことが大事です。そのため施設は非公開とさせて頂きます。
 ご協力お願い致します。




里帰りしたヤマネコ情報

 福岡市動物園で生まれ、この秋冬に対馬へ里帰りしたヤマネコたちを紹介します。
 昨年の10月4日に初めて対馬の地を踏んだのはNo.17♀です。新聞やテレビでも大々的に取り上げられて、今回帰ってきた6頭の中では一番有名になりました。2003年4月7日生まれで、身体は小粒ですが、すぐにこちらの環境にもなれました。
 次いで、10月12日にNo.22(オス)とNo.24(メス)の2頭がやってきました。No.22は、2004年3月28日生まれで、性格はかなりの荒坊です。No.24は2004年4月3日生まれで、非常に繊細な性格で、私自身よく悩まされています。次に、12月23日にNo.23(オス)が来島しました。先に帰ってきたNo.24とは兄妹(姉弟?)ですが、餌もむしゃむしゃ食べて性格も大らか(身体も大きい)です。
 最後に、2005年1月17日にNo.12(オス)とNo.25(メス)が帰ってきました。No.12は、2002年4月9日生まれ、No.25は、2004年4月10日生まれです。2頭とも臆病ですが、これから徐々に対馬の環境にも慣れていってくれると思います。
 顔も性格もみんなまったく違うヤマネコたちですが、今のところ対馬を満喫しているのではないでしょうか?
(写真:飼育中のNo.22)



とらやまの森第27号

 

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