対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第17号

 

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ツシマヤマネコ2頭が山に帰りました


Fm-12

 病気やけがで保護されていたヤマネコ2頭が、5月20日と6月20日にそれぞれ山に帰っていきました。
 1頭(Fm-12:メス(左写真))は、1月30日に峰町で、干物かごに入り込んで出られなくなっていたものです。ひどく衰弱していて、健康が回復するまでの飼育時間が長かったので、野外で生活できるようになるために多くの訓練が必要でした。訓練の成果で、保護されてから4ヵ月後には、なんとか自力で餌を取れるようになりました。


Mm-13

 もう1頭(Mm-13:オス(左写真。保護収容時))は、5月12日に上県町の国道382号線上で交通事故で保護されたヤマネコです。最初は事故のショックで目が見えていませんでしたが、次第に回復し、約1ヵ月後には餌を取れることが確認できました。2頭とも、ケージを開けるとうれしそうに飛び出していきました。
 その後、無事に生活できているかを確認するため、首につけた小型の電波発信機(約27g)で追跡しています。2頭とも元気に生活している様子です。


Mm-13

 また、2頭はそれぞれ保護された場所の近くの山に放したのですが、そのご近所の方々には、飼い犬をつなぐ、交通事故に気をつけるなどのご協力をいただきました。
 犬をつないで飼うことや安全運転は、人間の安全な生活にとっても重要なので、他の地域でもいつも気をつけていたいですね。(左写真:Mm-13 野生復帰時)




コラム 「消えたヤマネコ」

 6月20日に山に帰ったヤマネコは、5月12日の明け方、国道の真ん中でうずくまっていました。それを最初に発見した人は、すぐに佐護の駐在所に行き、駐在さんと一緒に現場に戻ってみるとそこには何もいません。キツネにつままれたような気分の二人でしたが、気になりながらもそれぞれ帰っていきました。それでも気になった駐在さんは、朝になってセンターに電話してみると、やはりヤマネコは保護されていました。駐在所に行っている間に他の人に保護されていたのです。駐在さん曰く「安心しました。ヤマネコも人の子と変わらんぐらい心配やもんね。」とのこと。
 多くの人に心配されたヤマネコでしたが、無事山に帰ることができました。もう事故にあわないで元気に暮らして欲しいですね。


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