対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第3号

 

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【全島の目撃情報】 1998年7月~9月の目撃情報


 対馬野生生物保護センターでは対馬の生きものについての情報を集めています。今回は7月~9月の全島のツシマヤマネコの目撃情報をまとめてみました。確実な情報は4件しかなく上県町内だけだったので地図は載せませんでした。が、次号では是非全島の地図も載せたいものです。今後も皆さんからの情報お待ちしております。ご協力お願いします。
 7月~9月の目撃情報で最も多かったのはツシマテンです。全島で目撃されています。ちょうどこの時期に親離れするらしく、若々しいテンが道路などに出てきます。夏季は全体が黒っぽいです。もう一つ多かったのがヘビ類です。やはり夏はヘビも暑いのか、よく夜に道路上で目撃されています。対馬には3種類のヘビがいますが、最も大きいのがアオダイショウ(ナガムシ)です。1m以上あります。アカマダラは対馬ではアクリョウと呼ばれ、1mくらいで体の色が赤っぽいです。最後にツシママムシ(ヒラクチ)は3種のうちでは小さいので見落としやすく、攻撃的なうえ毒を持つのでかまれると危険です。

ツシマヤマネコ目撃情報

日付 場所 備考
7/3 中山道ドンドン道 仔ネコ2頭
7/10 中山~佐護の路上 親1頭仔2頭路上を横断
8/25 佐須奈西南入口の道路上 若獣
9/16 新弓張トンネルの仁田側100m手前 若獣1頭



対馬野生生物保護センターの本棚からオススメの1冊

「失われた動物たち~20世紀絶滅動物の記録~」

プロジェクトチーム・・・編
WWFJapan・・・監修
広葉書林 定価2,200円

 日本にも過去にはオオカミたちが生息していました。「赤ずきんちゃん」のオオカミとは異なり、日本では地方によっては畑を荒らすシカやイノシシを退治してくれる守り神としてオオカミを崇(あが)めていた所もあったなど、決して嫌われる存在ではありませんでした。しかし、押し寄せる近代化の波とともに次第にないがしろにされるようになり、生息域が狭められたり、毛皮の取引の対象とされたりして、1900年にエゾオオカミが、そして1905年にはニホンオオカミが絶滅してしまいました。このようにこの本に登場するのは、人間の手によって殺されたりして生息の場を失い、地球上から姿を消してしまった91種の動物たちの物語です。「う~む」と考えさせられる一冊だと思います。ぜひ読んでみて下さい。



対馬の動物紹介シリーズその3

チョウセンケナガニイニイ

半翅目セミ科 「チョウセンケナガニイニイ」 Suisha coreana

  • 体中に毛がはえている
  • 体長は20mmくらい

 チョウセンケナガニイニイは、普通のセミとは発生時期が少し違っていて、朝晩の冷え込む10月頃に現れます。外部の形態も変わっていて、体中に毛が生えています。日本では対馬にのみ分布している珍しいセミです。写真を撮ろうと思い近づくとすぐ逃げてしまいますが、よく見ると毛が生えているはずです。
 上県町内では、今年は9月30日に佐護深山ダム周辺で初確認されており、椋梨のバードウォッチング公園などは、よく鳴き声を聞かれる場所でもあります。
 他のセミと同様鳴くのはオスだけですが、鳴き声はニイニイゼミと似ていて、チーッチーッチーッ・・・チと断続的に鳴きます。秋以降にセミが鳴いているなと思ったら、チョウセンケナガニイニイかも知れません。注意してみて下さい。


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