対馬野生生物保護センター

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2005年6月26日:お散歩観察会「身近な昆虫探し」

2005年6月の活動

観察会スタート

 6月26日(日)、午後1時から「身近な昆虫探し」観察会を行いました。対馬の自然を知るうえで昆虫は欠かせない存在です。なぜなら、世界中で対馬にしかいない昆虫というのが多数存在するからです。身近な生き物から、島国ゆえの独自の自然環境を感じてもらいました。

いきなり採集

 今回の観察会の趣旨を説明している最中、待ちきれない子どもたちがセンター外壁にとまっている昆虫を発見し、いきなり採集モードに突入です。

ツシマヒラタクワガタ

 捕まえた昆虫はなんとツシマヒラタクワガタ!この他、ノコギリクワガタ、コクワガタ、オオゾウムシ、コカブトムシ、カミキリ・コメツキムシの一種など、たくさんの昆虫を発見!

カブリモドキを探す

 センターの敷地を出る前からステキな昆虫たちに出会え、出だしは好調です。ここからは、本日のメイン昆虫「ツシマカブリモドキ」を探します。ツシマカブリモドキは名前にツシマと入る通り、世界で対馬にしかいない昆虫です。島という閉ざされた環境のなかで、独自の進化をとげ、対馬で生まれた新しい種類なのです。世界的に見るととても珍しい昆虫ですが、実は民家周辺に普通に存在する、とっても身近な昆虫です。

発見!

 ついに発見!ツシマカブリモドキ!側溝に溜まっている落葉の下から、参加者の小学生が見つけてくれました。

ツシマカブリモドキ

 頭と胸、翅外縁の金属光沢がとってもきれい!

チョウも採集

 こんどは虫網を持って参加してくれた少年がキアゲハを捕まえてくれました。この他、この日はミヤマカラスアゲハ、キチョウも採れ、ウラナミジャノメも飛んでいました。

キマワリ

 昆虫に詳しい参加者の方が、この虫を捕まえてきてくれました。朽木に住む「キマワリ」という名前の昆虫だそうです。名前の由来は、朽木をクルクル回りながら移動するので木回り。納得の名前です。

オカトラノオ

 森の中に入ると、オカトラノオが咲いていました。漢字で書くと丘虎ノ尾。初夏を代表する身近な花です。

森の中へ

 この他見られた植物は、ハエドクソウ、ハルジオン、ノアザミ、ハクウンキスゲ、アジサイなどなど。ハルジオンとノアザミのお花畑にはチョウが集まります。

ツシマフトギス

 今回の観察会では、ツシマカブリモドキのほかにもう一種、ツシマフトギスというこれもまた対馬にしかいないバッタを捕まえようと思っていたのですが、雨模様の天候により、かくれてしまったようでみつけられませんでした。残念。しかし6月末はまだ出始めで数も少ない時期。これから秋にかけてたくさん見られるようになるので、ぜひ探してみてください。トノサマバッタほどの大きさで、羽が無い(とても短い)のがツシマフトギスです。

トラップ回収

 昨日までのから天気ではツシマカブリモドキは見つからないかもしれないと思い、地面を歩く昆虫をつかまえるポットトラップというワナをしかけておきました。コップにジュースを入れて地面に埋めておくと、甘いにおいに誘われて昆虫たちが落ちる、というワナです。

いっぱいいました

 全部で6つ仕掛けたワナを見て回ると、こんなにたくさんのカブリモドキやオサムシ、ゴミムシの仲間が採れました。
 対馬にしかいないツシマカブリモドキを追いかける中で、大人も子どもも昆虫に夢中になった1日でした。この日は1日「対馬にしかいない」ということを言ってきましたが、対馬に住んでいるみなさんにとっては当たり前の虫たちです。この当たり前の自然をいつまでも残していきたいですね。