対馬野生生物保護センター

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2004年12月:センターの活動日誌・ツシマヤマネコ

2004年12月の活動

遂に・・・

投稿者:大林 投稿日:2004/12/28(火曜) 20:54

2004年が暮れようとしています。
この一年どうだったかな、と振り返ってみると、矛盾しているかもしれないけど、とても早く、そして長い一年でした。
 そして、ここまで来るのに早くて長かったことの一つ。遂に本日一時収容施設(*)に、福岡市動物園から里帰りした子猫が入ることができました。昼前から私が所用で出なければならず、施設に入れるところは見られなかったので、さっき帰ったときに見に行きましたが、ネコたちはまだ新しいところになれないのか、警戒しているように見えました。
 でも遂にです。長かった分、入っているネコを見てじわーっとこみ上げてくるものを感じました。これの建設に関わってくれた方達に本当に感謝です。特に寒い日にも休日にも一生懸命早く完成させようとがんばって頂いたMさんはじめ現場の皆様には心よりお礼を申し上げたいと思います。
 このヤマネコたちが少しでも早く、地域の合意を得て、また安定した状態で対馬に帰れるようがんばっていきたいと思います。
 センターは明日午前中まで開館し、午後みんなで大掃除をする予定です。皆様よいお年を。


*一時収容施設・・・今後ツシマヤマネコの再導入を考えていく上で対馬において野生復帰訓練や繁殖のための施設の整備が望まれる(ツシマヤマネコ再導入基本構想)が、その施設を整備するまで一時的に個体を飼育する施設。野生に復帰する可能性のある個体を飼育しているため非公開。一時収容施設においては繁殖や野生復帰訓練は行わない。

たも網

投稿者:川口 投稿日:2004/12/27(月曜) 20:16

 先日、ヤマネコ捕獲用のたも網が届いた。11月、12月と保護が相次いで、以前使っていた「たも」がでかすぎて使いにくいと思っていたところ、新型を買ってもらうことができて非常に助かる。
 このたも網の呼び名を「猫玉一号」と命名した。注意事項として、①ヤマネコ以外のものを捕獲してはいけない。②保護する個体がいたときは迅速に対応しないといけないため、「猫玉持ってこい!!」と叫ばなくてはならない。
 まあ、使う機会があまりないほうがいいのだが、これからの猫玉一号の活躍に期待大である。

怒涛の11月、12月

投稿者:村山 投稿日:2004/12/22(水曜) 17:24

ヤマネコ関連ニュースを振り返ると、11月、12月がいかにツシマヤマネコにとって厳しかったか分かります。センターの活動報告2004

この年末、そして春まで平和であってくれる事を願います。

とらばさみ

投稿者:村山 投稿日:2004/12/15(水曜) 18:29

とらばさみによる怪我はパッと見ただけよりもずっと重傷の場合が多いです。傷の入り口は小さくとも、深くまで歯が入ってしまい、神経や血管がもう使い物にならなくなる場合、あるいは挟まれた場所から先の組織が死んでしまい、切断しなければならなくなることもあります。

挟まれた動物はパニックになり、暴れてしまいます。時には肢がもぎ取れるまで必死に暴れて外そうとするものもいます。

しかし、このトラバサミをかけることで鶏小屋や農業の被害を減らす事ができるものではありません。逆にどんな動物でも捕らえてしまうので、とても危険な場合もあります。隣りの家で大事に飼われているタマやポチを捕まえてしまうこともあり得るかもしれません。もしも小さな子どもが指先や足先を挟まれてしまったら・・・。

今年は動物たちがやはり多く、そして早く里に降りてきているようです。山の中にエサが無いのでしょうか。動物たちにとってさらに辛い冬にならないように、畑やニワトリ小屋への野生動物対策はトラバサミをかけるのではなく、小屋の強化やネット張りなど他の方法でお願いします。

野生復帰

投稿者:大林 投稿日:2004/12/14(火曜) 21:48

先月22日に上県町湊の鶏小屋を襲い、御用になったヤマネコを、昨日野生復帰させました。私が来てからは初めて野性に帰す個体になったわけで、放す瞬間は結構どきどきものでした。最初扉を開けても躊躇していたのですが、川口さんがケージの後をとん、とたたくと、引き絞られた弓から放たれた矢のように一目散に山の中に入っていきました(あまりに早すぎて私は写真を取り損ねました)。この個体が二度とセンターに帰ることがないよう、そして鶏小屋を襲わないようにと願います。そして鶏小屋などを襲わないよう山や川に充分餌があるよう自然を残し・戻すよう、また襲う気が出ないような頑丈な鶏小屋というのを用意するよう、我々も配慮していかなければならない、とそう思っています。

↑写真は野生復帰の瞬間。木村さん撮影。

週間ヤマネコニュース

投稿者:大林 投稿日:2004/12/07(火曜) 19:19

「白昼の街中で、空腹でフラフラのヤマネコ保護される」
今週の見出しはこんな感じでしょうか。
最近ほぼ毎週ヤマネコの保護や交通事故が起こります。
以前、村山さんが日記で書いていたように台風の影響等で山の中のドングリが少ないのが関係しているのかもしれません。だとすると今後も油断できなさそうですね。

今回、ヤマネコが発見されたのは、街中(あくまで今までと比較してですが)で、道路を渡っていたところだそうです。本当にがりがりでとてもおなかを空かしていました。脚も怪我していたし、熱もありました。発見者の人がヤマネコだと見分けてセンターに知らせてくれて、更に保護できなければ、近いうちに死んでいたと正直思います。
私自身今回はその場にいず、勝手に名前を明かしては怒られるので、イニシャルだけですが、改めて、Sさん、Tさん、本当にありがとうございました。
このような情報の一つ一つがヤマネコにとって大事です。

11月が終わりました

投稿者:大林 投稿日:2004/12/01(水曜) 20:15

とても長かったようで、短かった11月が終わりました。
詳しくはもぎたてニュースを見て頂きたいのですが、ヤマネコの交通事故死が2件、生体保護が3件ありました。その他飼育個体が体調を崩したり、またドングリの森作りイベントがあったりして、てんやわんやの、そして人とヤマネコの関係を改めて考えた一ヶ月でもありました。

←11月28日とらばさみで重傷をおったヤマネコ。センターで治療を続け、少しずつ回復してきてはいますが、左後肢については障害が残る可能性も。