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2002年9月ヤマネコニュース
2002/09/17(Tue)ツシマヤマネコニュースより センター山本
猫免疫不全ウィルス(FIV)に感染しているため、対馬野生生物保護センターで隔離飼育していたツシマヤマネコの2頭のうち1頭が、14日16時48分に死亡しました。死因は調査中ですが、FIVによる発病は認められず、老齢であることから老衰と推察されます。
<詳細>
この個体は、1996年に福岡市動物園での人工繁殖用に捕獲したもので、捕獲後、猫免疫不全ウィルス(FIV)に感染していることがわかったため、隔離して飼育していたもの。
昨年後半から消化器系の様々な疾患(長期の下痢、長期の便秘など)がおこり、体重が徐々に減少した。今年の7月前半より、採食量が極端に減少したため強制給餌を行っていたものの、8月20日前後からそれもほとんど受け付けなくなり、14日16時48分に死亡した。死亡時の体重は2000gであった。年齢は不明であるが、捕獲時に成獣だったことから、少なくとも8歳は超えていると考えられる。
今年4月の検査によると、FIVによる発病の兆候(リンパ節の腫れ、口内炎など)は認められず、代わって、白内障などの老齢性の機能低下と思われる症状が見られており、死亡は老衰によるものと考えられる。
死体は、14日深夜、センターにおいて解剖したが、死因等については臓器を鹿児島大学に送付して専門家の意見を聞くことにしている。なお、精巣は神戸大学に送付した。
(参考)個体の情報
1996年12月5日人工繁殖用に捕獲、福岡市動物園へ移送
1996年12月12日FIVに感染していることが判明したため、鹿児島大学に移送し検査
1998年10月9日対馬野生生物保護センターに移送し隔離飼育
2002年9月14日死亡
2002/09/18センター職員の日誌より センター村山
しばらく体調不良が続いていたFIV(ネコエイズウイルス)に感染していたヤマネコのNo.2が、残念ながら、14日の夕方死亡してしまいました。
センターの展示用モニターで中継をしていたヤマネコなので、見覚えのある方もいるでしょう。
毎日飼育をしていた私たちにとって、No.2はセンターの大先輩であり、親しみ深い存在でした。
昨年の11月にセンターで働き始めたときには元気一杯ながらも、すでに風貌は「おじいさん」。
今年4月の健康診断では白内障を指摘されていました。
高齢にはかなわず、動物はいつか死んでしまうものであるとは思いますが、空のケージを見ると悲しい気持ちになってしまいます。