みんなでつくろう！「安全運転の島」　「西表島yuriCargo(ゆりかご)プロジェクト」の開始について（お知らせ）

　本プロジェクトは、スマートフォンのアプリケーション「yuriCargo」を活用し、西表島で運転するドライバーの運転を評価することで、ドライバーの安全運転意識の向上を図り、ヤマネコをはじめとした野生動物の交通事故件数を減らすことを目指します。また、「yuriCargo」で収集した運転データを活用し、島内の速度超過状況を可視化することで、交通事故対策の検討を行います。なお、毎月安全意識の高い運転をしたドライバーには、アプリ内で「優良ドライバー認定証」を発行し、特典を提供する予定です。詳細は別添資料①をご確認ください。

 

 

（１）. ヤマネコについて

　ヤマネコは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく国内希少野生動植物種や文化財保護法に基づく特別天然記念物に指定されています。現在、成獣個体数がわずか100頭ほどと推定されている絶滅危惧種です。

 

（２）.交通事故

　ヤマネコの交通事故確認件数は2010年代以降増加傾向にあり、記録が残っている1978年から2023年４月までの間で101件発生し、うち93件でヤマネコの死亡を確認しています（下図グラフ参照）。交通事故は、本種にとって大きな脅威になっており、また、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」として西表島が世界自然遺産に登録の際には、世界遺産委員会から「絶滅危惧種の交通事故死を減少させるための交通管理措置の有効性を緊急的に見直し、必要な場合は強化すること（アマミノクロウサギ、イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナを含むがこれらに限定しない）。」との要請を受けているところです。

 

（３）.交通事故対策

　ヤマネコをはじめとする野生動物の交通事故を減らすため、道路の下に動物用のトンネル（アンダーパス）が数多く設置され、ヤマネコがよく路上に出てくる場所には、道路への進入防止用の簡易柵、ゼブラゾーン（振音舗装）、注意標識が設置されています。道路沿いの側溝には、小型生物が側溝に入っても逃げられるように、また、道路へ侵入しにくい幅広側溝や片側勾配側溝が設置されています。

　また、西表島の車両走行速度は時速40km以下（集落内は時速30km以下）に規制されていることから、島民や来島者に速度遵守を呼びかけるとともに、西表野生生物保護センターで収集している目撃情報を基に「イリオモテヤマネコ運転注意マップ（https://iwcc.jp/iriomotecat/map/）」の配布や、ヤマネコの目撃情報が多い場所への移動式注意看板の設置など、ドライバーへの注意喚起を続けています。

本プロジェクトは、島内における各ドライバーが野生動物や人との交通事故に関して「自分事」として認識することを目的とした実践的な取組みになります。



（４）.傷病及び死亡個体発見時の連絡先
　ヤマネコを目撃した、衝突してしまった、死体を発見した、などの場合は、365日24時間いつでも西表野生生物保護センターのヤマネコ緊急ダイヤル（Tel:0980-85-5581）に通報をお願いします。万が一、交通事故の当事者となってしまっても、故意でない限り罪に問われることはありません。迅速な救護とその後の対策に役立てるためにも情報をお寄せ下さいますようお願い致します。
※緊急でないヤマネコの目撃情報は、西表野生生物保護センターHPの目撃情報投稿ページよりお知らせください。



 

３． 本プロジェクトの協力機関・団体

４． 別添資料