九州地域のアイコン

沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2022年11月04日
  • 報道発表

湯湾岳利用ルールの試行開始について(お知らせ)

 湯湾岳の貴重な自然環境の保全と、その自然環境を損なうことなく利用していくために守るべき湯湾岳利用ルールを策定し、令和4年11月25日(金)から試行を開始しますので、お知らせいたします。希少な動植物の生息・生育地の保全と、より質の高い持続可能な利用の両立に向けて、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

湯湾岳利用ルールについての詳細はこちら

1. 背景・目的

奄美群島の最高峰である湯湾岳(694m)には、アマミノクロウサギ、ケナガネズミ、アマミトゲネズミなど、世界的に希少な固有の動物が生息するとともに、湯湾岳の限られた場所にのみ生育する非常に希少な植物が存在しています。令和3年7月に奄美大島が世界自然遺産に登録され、湯湾岳においても利用の質や利用満足度の向上が求められる一方で、急激な利用者の増加による自然環境への影響が懸念されています。また、湯湾岳には奄美大島の始祖シニレク・アマミコ降臨の地の伝説や、與湾大親の墓所の伝承が残り、地元からも霊山として神聖視されています。祠広場には、こうした石碑や祠が祭られていることから、厳かな雰囲気を損なうことのないよう利用することが求められています。
このような背景から、行政機関や地元関係団体など、湯湾岳に関係する多様な主体が連携・協働し、湯湾岳の「貴重な自然環境の保全」を前提に「持続可能な利用の推進」を図ることを目的として、湯湾岳で登山者が守るべきルールを策定しました。
 

2. 実施概要

【試行開始時期】

令和4年11月25日(金)から試行開始
 

【対象】

湯湾岳登山道を利用するすべての方(災害や火災、人命救助等緊急事態発生時の対応に従事する者、法令等による許認可や届出等に基づく行為を行う者は除く)。
 

【湯湾岳利用ルール】

■貴重な自然環境の保全のためのルール

① 動植物をとらない、持ち帰らない
② 外来種等を持ち込まない、拡散しない
③ 植物を踏まない、樹木の枝を折らない・切らない
④ 歩道や祠広場以外の場所に立ち入らない
⑤ 山頂付近の保全ゾーン※には立ち入らない
 

■持続可能な利用の推進のためのルール

① 少人数利用の推進
② ガイド帯同の推奨
③ 地元から神聖視される場所としての配慮
 
※祠広場から山頂までの歩道は特に希少な植物が生育していることから、保全ゾーンとして設定し、利用の制限を行っていますので、立ち入らないようにお願いします。なお、学術研究、その他やむを得ない事情のうち事務局(環境省、林野庁、鹿児島県、大和村、宇検村)が必要と認めた理由で立ち入ることについては、事前申請の内容に応じて立ち入り可能としています。
 
なお、本ルールは、地域の関係者の合意に基づいて設定する地域独自の自主ルールであり、 順応的管理の一環として、今後の運用状況を踏まえて適宜ルールの改善等を行っていく予定です。
 

【事務局】

環境省奄美群島国立公園管理事務所、林野庁鹿児島森林管理署、
鹿児島県環境林務部自然保護課、大和村企画観光課、宇検村企画観光課

お問い合わせ先

(対応時間 8:30~17:15)
環境省奄美群島国立公園管理事務所(住用事務室)
電話:0997-69-2280
メール:RO-AMAMI@env.go.jp