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報道発表資料

九州地方環境事務所報道発表資料>2006年度

【通知】平成17年度沖縄島北部地域におけるジャワマングース防除事業の捕獲結果と平成18年度事業計画

2006.05.08 那覇自然環境事務所

環境省那覇自然環境事務所では、平成13年度から沖縄島北部地域においてマングースのモニタリング及び捕獲作業を行っており、平成17年度から外来生物法に基づくマングースの防除事業を開始したところです。

(1)平成17年度事業の結果について
平成17年度は次の防除事業を実施しました。
[1]塩屋-福地ライン(SFライン)周辺におけるマングースの捕獲(4月~6月)
のべワナ日数:23,076 ワナ日
捕獲数:109頭
[2]県道2号線以北におけるマングースの生息状況モニタリング(8月~3月)
のべワナ日数:18,243 ワナ日
捕獲数:3頭
[3]新型ワナによるマングースの捕獲実験(9月~11月)
のべワナ日数:2,018ワナ日
捕獲数:115頭
ヤンバルクイナ等希少野生生物が多く生息している県道2号線以北のモニタリングにおいて、雌の個体1頭を含む3頭のマングースが捕獲されたことは、当該地域におけるマングースの分布の拡大と在来生物への影響が懸念され、継続的なモニタリングと対策が必要となっています。
(2)平成18年度事業の計画について
以上の状況を踏まえ、平成18年度は、沖縄県がSFライン周辺で集中的に捕獲を行うこととし、これと連携して当事務所では次の防除事業を実施する予定です。
[1]県道2号線以北でのマングースの分布の有無を確認するためのモニタリング
[2]県道2号線以南の地域においてマングースの高密度分布地域からの北部への侵入を防止するための捕獲
[3]錯誤捕獲を減らす新型ワナやヘアートラップ等効率の良いモニタリング手法の開発等

今後ともやんばる地域のマングース防除については環境省と沖縄県とが役割を分担しつつ、連携協力して事業を推進していくので、皆様のご理解・ご協力をよろしくお願い致します。

1.平成17年度防除事業の結果

(1)事業実施区域

事業実施区域は、図1のとおりです。

(2)事業内容及び捕獲結果

事業全体の捕獲状況及び捕獲獲結果は表1及び図2の通りです。なお、マングースの他に、在来生物に悪影響を及ぼすノネコ25頭も捕獲しました。

[1]塩屋-福地ライン周辺におけるマングースの捕獲(4月~6月)
 沖縄県では、塩屋-福地ライン(以下「SFライン」という。)においてマングース北上防止柵の設置及び、SFライン周辺での捕獲を進めています。昨年は、県による捕獲の実施が6月以降であったため、その間マングースの県道2号線以北の低密度地域への侵入が容易となるおそれがありました。
 このため環境省では、4月から6月までの間、SFライン周辺及びそれ以北の大国林道、大保川流域を中心に3班6名体制による「カゴわな」による捕獲を実施し、約3ヶ月で109頭のマングースを捕獲しました。
[2]県道2号線以北におけるマングースの生息状況モニタリング(8月~3月)
 県道2号線以北におけるマングースの捕獲は平成16年度以前には2件しかなかったものの、ロードキル個体や写真撮影による確認など、いくつかの目撃情報が寄せられており、マングースの動向を把握する必要がありました。
 平成17年度はワナ捕獲によるマングースのモニタリングを行うとともに、過去の目撃情報を整理し、近年の目撃情報地点については周辺環境等の状況を把握しました。
 この結果、希少種が多く生息している当該地域において、雌の個体1頭を含む3頭のマングースが捕獲され、当該地域におけるマングースの分布拡大と、在来生物に対する影響が懸念され、継続的なモニタリングと対策が必要となっています。
[3]新型ワナによるマングース捕獲実験
 ハブを捕獲するために製作されたワナ(以下ハブワナという)に、たびたびマングースが錯誤捕獲され、一つのワナに3個体ものマングースが捕獲された例もあったため、ハブワナを改良してマングース捕獲に利用できないか検討を行いました。
 本実験では、新型ワナによるマングースの捕獲効果、マングース以外の動物の錯誤捕獲の有無について、現在マングース捕獲事業で使用している「カゴわな」との比較実験をマングースの高密度地域と低密度地域において実施しました。  この結果、115頭のマングースを捕獲しましたが、そのうち新型ワナによる捕獲は1頭のみで、114頭は従来型のワナによる捕獲でした。
 期待されたような結果は得られませんでしたが、今後も、ワナの改良等を検討していきます。

2.平成18年度のマングース防除事業の計画

平成18年度は沖縄県が塩屋-平良ライン(STライン)以北から2号線以南付近で捕獲を行い、これと連携しながら、環境省は昨年度よりも捕獲班体制を充実させ、以下の事業を行う予定です。

[1]県道2号線以北のモニタリング
県道2号線以北でのマングースの分布の有無を確認するためのモニタリングを通年で行う。
[2]マングースの高密度分布地域からの北上防止
県道2号線以南の地域において、マングースの高密度分布地域からの北部への侵入を防止するため捕獲作業を通年で行う。
[3]新型ワナ等の開発
錯誤捕獲を減らす新型ワナ及び通過するマングースの体毛を採取するヘアートラップ等効率の良いモニタリング手法の開発を行う。

添付資料

図1 平成17年度沖縄島北部地域マングース防除事業 実施区域[PDF103KB]
表1 平成17年度環境省マングース捕獲数[PDF13KB]
図2 平成17年度環境省マングース捕獲状況(4月~3月)[PDF70KB]
図3 平成18年度沖縄島北部地域マングース防除事業 実施区域[PDF106KB]
参考 沖縄島北部地域におけるジャワマングース防除実施計画について[PDF15KB]

連絡先

環境省 那覇自然環境事務所
担当 澤 邦之
TEL 098-858-5824 FAX 098-858-5825