2015年12月10日
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2015年12月10日パークボランティア活動報告!【屋久島地域】
屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川
みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。
あっという間に2015年も残り1カ月を切りましたね。
屋久島も寒くなって、薪ストーブ稼働に向け着々と準備を進めているところであります( ̄^ ̄)ゞ
▲左:一冬分の薪が届きました!
▲中央:煙突掃除も完了!
▲右:よく燃えて着火時にもってこいのスギの葉も採集完了!
また、年末の大掃除...にしては少し早いですが、官用車3台を洗車しました!
雨が多く湿度が高いので(という言い訳)、緑のコケが生え始めていた官用車ですが、ピカピカになりました~♪
1年間ありがとう、そして来年もたくさん走ってね。
さて、12月5日に、2015年最後となるパークボランティア活動を実施しました。
今回の活動は二手に分かれて、西部地域にある環境省の看板補修と、塚崎海岸に生えたアメリカハマグルマの除去を行いました。
まずは、西部地域の看板補修の様子からレポートします!
屋久島の西部地域は屋久島国立公園と屋久島世界自然遺産になっていて、環境省の看板が4つ建っています。
パークボランティアの方にはその4つの看板を磨いたり防腐塗料を塗ったり、看板周辺の草を刈っていただきました♪
▲看板の補修
▲看板周辺の草刈り
西部地域の看板補修に続いて、アメリカハマグルマの除去作業の様子をレポートします!
みなさんは、アメリカハマグルマという植物をご存知でしょうか?
中央アメリカ原産で、緑化用として沖縄に導入されたのをきっかけに野生化し、南西諸島や小笠原諸島などで繁茂しています。
繁殖力が強く、つる状の茎は地面を這うように伸びて、在来の植物の生育場所を奪うなど生態系への影響が懸念されている外来生物です。
▲アメリカハマグルマ
※我が国の生態系に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)における、緊急対策外来種。
※IUCN(国際自然保護連合)が選定した、世界の侵略的外来種ワースト100。
在来種のネコノシタ(別名ハマグルマ)によく似ていますが、ネコノシタと違って鋸歯(葉のふちにあるギザギザの切れ込み)が均等ではなく、最下端のものだけが深くなっています。
▲ネコノシタ
近頃は、沖縄や徳之島など各地で駆除活動も行われているようです。
先日のアクティブレンジャー日記では石垣地域の仲本アクティブレンジャーがアメリカハマグルマの駆除体験の様子を投稿していました。
http://kyushu.env.go.jp/blog/2015/12/in-5.html
屋久島では今のところ2か所の海岸でアメリカハマグルマを確認しています。
そのうちの1か所が今回除去作業を行った塚崎海岸です。
屋久島国立公園区域内の一区画に生えていました。
塚崎海岸ではこの一区画だけに生えているようなので、今なら局所的な根絶が可能かもしれません。
▲塚崎海岸のアメリカハマグルマ(除去前)
実は、11月の海岸巡視の際に除去作業を試みたのですが、予想以上に繁茂していて、とても1人では取りきれませんでした(≧∩≦)
そこで今回パークボランティアの皆さんに加勢頂き、塚崎海岸のアメリカハマグルマを一気に除去しました!!
アメリカハマグルマは刈り取るだけではまた生えてきてしまうので、根から抜き取る必要があります。
他の草を縫うように這って長く伸びた茎はとても抜きづらく、引っ張ると切れてしまうのでとてもやっかいです。
草むらに埋もれながら長い茎を根本まで伝って根っこから引き抜くという大変な作業でしたが、さすがは屋久島パークボランティアの皆さん!
少しの茎や根の取り残しも許さない(`∩´)と、見つけたアメリカハマグルマは全てきれいに除去してくださいました。
▲除去作業の様子
終わってみれば、ゴミ袋4袋分ものアメリカハマグルマを除去することができました!
海岸巡視時の除去分を合わせると、ゴミ袋8袋分です。
▲左:11月の海岸巡視時に除去したアメリカハマグルマ
▲右:今回除去したアメリカハマグルマ
見つけきれなかったアメリカハマグルマや取り残してしまった根があるかもしれないので、今後も注意深くこの場所を観察していこうと思います。
パークボランティアのみなさん、お疲れ様でした!
▲アメリカハマグルマ除去班のみなさん!
▲看板補修班のみなさん!
ラムサール条約に登録されている漫湖は、カニやゴカイなどの底生生物が豊富で、渡り鳥にとって国際的に重要な飛来地となっています。漫湖水鳥・湿地センターでは、毎年渡りの季節になると定期的に野鳥観察会を行っており、11月下旬に沖縄南部自然保護官事務所と共催で「秋の野鳥観察会『シギ・チドリのなかまたち』」と題して野鳥観察会を行いました。
▲パワポを使った説明
講師は沖縄野鳥研究会の嵩原さん。沖縄の鳥類相の特徴や渡り鳥についての説明などをパワーポイントを使い、とても丁寧にわかりやすく話してくださいました。
さて、実際にフィールドへ出て観察開始です。11月下旬ということで、参加者の持ち物の中に防寒着をお願いしていましたが、当日は最高気温が27℃を越える晴天で、熱中症が心配されるお天気となりました。こまめな水分補給の声掛けや、帽子を被っていない方へ帽子の貸し出し等、スタッフは参加者一人ひとりの様子を見ながら観察会が続きます。
▲木道からセンター前の干潟の鳥を観察
▲漫湖南岸から干潟を観察
▲初めて双眼鏡を使って干潟の鳥を観察する小学生
なかなか見つけられない遠くの鳥は望遠鏡を使って見ていただきます。「 いた!いた!」と歓声が上がるとこちらまで嬉しくなると同時に、スタッフとして安堵感を感じます。
■観察できたのは8種
ダイシャクシギ・チュウシャクシギ・アカアシシギ・アオアシシギ・
ダイサギ・コサギ・ミサゴ・シマキンパラ
▲センターでのまとめ「鳥合わせ」
1時間半近くの観察を終え、センターエントランスで鳥類の写真を見ながら「鳥合わせ」という振り返りをしました。たくさんの種を見ることは出来ませんでしたが、嵩原さんの詳しい説明に参加者は聞き入っていました。
今回、参加者アンケートで特に印象に残ったのは、「よく見ると、鳥がかなりいることを知った」ということです。実際、私自身がそうでした。ぱっと見る泥干潟には白いサギ類こそ目に留まりますが、そこで見ることを止めると他の生きものがいることに気づかないのです。じーっと干潟を観察していると、泥に近い目立たない色をしたシギ・チドリ類たちがちょこちょこ動き回る姿が見えてきて、それを知った瞬間から観察がとても楽しくなってきます。目が慣れてくるとそれまで見えなかったものが見えてきて、世界が広がるのです。その喜びをを多くの方に味わって欲しいと思います。
12月も野鳥観察会が漫湖水鳥・湿地センター主催で行われます。
冬の野鳥観察会「雪の国から、フユドリトリ。」
漫湖水鳥・湿地センターHP
http://www.manko-mizudori.net/
雪国から渡ってきた水鳥たちを観察しませんか。