対馬野生生物保護センター

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とらやまの森
環境省 対馬野生生物保護センター ニュースレター

とらやまの森第21号

 

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木庭作に、地域の方々からのご協力を頂いています


武末さん

 ヤマネコのための環境作りとして行ってきた木庭作も2度目の麦収穫をむかえました。今年、作付した麦は全部で4ヶ所、合計約10アール。大麦は、実を小動物の餌にするために刈り取って放置しましたが、1ヶ所では小麦を収穫しました。この小麦は、上対馬町の武末尚子さん(写真)に分けていただいた1kg程の小麦から育てたものです。とらやまの森19号でもご紹介した國分学さんのご協力で、麦撒きから収穫、天日干し、脱穀を手作業で行いました。脱穀は棒で叩いて行いますが、たった30~40kg程度の小麦をきれいにするためにこんなにも時間と手間が必要だったということを身をもって知りました。しかし、作業中に話す世間話も現在のあわただしい生活にはなくなってしまった貴重な時間だなと感じました。
(写真:ご先祖から譲り受けた手織りの着物を着た武末さん)


麦刈

 この麦は、武末さんの指導の下、加工して麦茶にしました。作り方は至って簡単。大きな鍋でじっくり煎るだけです。ただし、焦げ付かないようにずっと混ぜる必要があるので、ものすごい暑さを覚悟しての作業です。武末さんは「地元対馬の私たちが、何かヤマネコのためにできることがあれば」と、麦茶作りを教えて下さいました。この手作り麦茶、どこか昔なつかしい、香ばしい味がします。國分さん、武末さんのご協力でできた麦茶はセンターの窓口でお分けします。




GWの野鳥観察レポート 実習生 木村朗子

 対馬はバードウォッチングの世界では憧れの地のようです。そこで、センターでは、ゴールデンウィーク中の野鳥情報をたくさん提供しようと、野鳥好きの実習生木村さんに情報収集をお願いしました。彼女は対馬に魅せられて遠く北海道からやってきた大学4年生。彼女のレポートの一部を紹介します。秋の渡りが楽しみですね。

 最も多くの鳥が観られたのは、対馬に入った初日の4月26日。上空には無数のツバメが飛び交い、草地をのぞけばこれまた数え切れないほどのキマユホオジロ、コホオアカ、カシラダカの混群が!その後、4月30日も種類数では26日を上回る鳥が観察されました。この26日と30日には共通点があります。一つは前日が雨だったということ、特に26日は3日間降り続いた後の晴天でした。二つ目は前日に強い風が吹いていたということ。29日には4月の最大風速を記録しています。このように、雨が降る、強風が吹くなどの悪天候に遭遇すると、九州北部から朝鮮半島に向けて渡ってきた鳥たちは、途中で渡りを断念して、緊急避難的に対馬に逃げ込んでくる傾向があるようです。ムラサキサギやアカガシラサギ、セグロサバクヒタキなどの珍鳥が確認されたのもこの2日でした。

 一方で、バードウォッチングのために最も人が集まった5月3~5日は、残念ながら、天候に恵まれず(いい天気だったのです)、ガクンと観察種が減ってしまいました。はるばる全国からいらした皆さんがバードウォッチングを楽しめなかったのではと、とても残念です。秋の渡りは、天気予報と相談しながら楽しみましょうね。

セグロサバクヒタキ

セグロサバクヒタキ


カラシラサギ

カラシラサギ



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