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投稿者:対馬野生生物保護センター 投稿日:2007/10/25(Thu) 12:00 No.159
三井住友海上火災保険株式会社が主催するシンポジウム「企業が行う生物多様性保全の取り組みに関するシンポジウム~企業が語るいきものがたり~」が東京で開催され、その中で、対馬の上対馬町舟志で進められている「舟志の森づくり」の取り組みが、住友大阪セメント(株)から発表されることになりました。
このシンポジウムは、生物多様性の保全に関する企業のCSR(企業の社会的責任)活動が、一層推進されることを目的に開催されるもので、2010年に開催される生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)の名古屋開催(有力候補)を視野に入れてのものということです。
■シンポジウム概要
主催 : 三井住友海上火災保険株式会社 (後援:環境省、林野庁 、協力:日本経団連自然保護協議会)
日時 : 2007年11月21日(水) 午後 1:00 ~ 5:20
場所 : 中央大学駿河台記念館 281号室 (千代田区神田駿河台3-11-5)
プログラム :
<第1部> 生物多様性の保全活動に関する事例紹介
「トヨタの森」(トヨタ自動車株式会社)
「ツシマヤマネコの棲むもりづくり」(住友大阪セメント株式会社)
「生物多様性保全に関する国内外での木材調達の取組み」(住友林業株式会社)
「食材調達における生物多様性保全」(株式会社アレフ)
「京浜工業地帯トンボネットワーク・プロジェクト」(トンボはドコまで飛ぶかフォーラム)
「ジャワ島パリヤン野生動物保護林の修復再生事業」(三井住友海上火災保険株式会社)
<第2部> 分科会(テーマ別に同時進行)
第1分科会(テーマ:社会貢献活動としての取り組み)
第2分科会(テーマ:CSR調達等企業の事業活動そのものに関係する取り組み)
参加費 : 無料
定員 : 200名(先着順)
参考URL : http://www.ms-ins.com/news/h19/1004_2.html
■参考:舟志の森づくりについて
「舟志の森づくり」は、住友大阪セメント、舟志区、ツシマヤマネコ応援団、対馬市の4者で2007年2月に協定を締結し、「舟志の森づくり推進委員会」を発足させました。住友大阪セメントが所有する約16haの土地について森林管理を推進することで、
・ツシマヤマネコをはじめとする対馬の野生生物の保全、
・木材の質の維持・向上を図り、
人と自然が共生するモデル森を確立することを目的としています。
また、市民、企業、行政、ボランティア団体の協働を通じて、森林保全・野生生物保全に対しての意識向上を図ることも目的として活動を開始しました。
投稿者:対馬野生生物保護センター 投稿日:2007/10/25(Thu) 10:13 No.158
<概要>
平成19年10月4日にお知らせしましたツシマヤマネコの分散飼育については、10月30日(火)に対馬野生生物保護センター(以下「センター」といいます。)から井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアに、また、11月5日(月)にセンターと福岡市動物園と富山市ファミリーパークの間でツシマヤマネコの個体を移動することになりましたのでお知らせします。
1.分散飼育について
ツシマヤマネコの分散飼育のため、10月30日(火)に、センターからオス、メス各1頭、計2頭を、井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアに移動します。井の頭自然文化園に移動するオス及びよこはま動物園ズーラシアに移動するメスは、それぞれ対馬で保護された個体で、繁殖個体群の遺伝的多様性を向上する目的で導入します。
また、11月5日(月)に、センターからオス、福岡市動物園からメスの各1頭、計2頭を、富山市ファミリーパークに、危険分散のために移動します。
2.福岡市動物園から対馬への里帰り(移動)について
飼育頭数が上限に達している福岡市動物園から、11月5日(月)にオス2頭、雌1頭がセンターに里帰り(移動)します。オス2頭は平成19年度生まれ、メスは平成18年度生まれの個体です。
3.その他
移動日は予定であって、ツシマヤマネコの状態及び航空機の運航状況等により、変更も考えられます。報道関係者の取材につきましては、担当までお問い合わせください。
投稿者:前田 投稿日:2007/10/24(Wed) 14:37 No.157
<概要>
平成19年10月23日(火)、対馬市上対馬町比田勝(ひたかつ)において、交通事故により死亡したツシマヤマネコの亜成獣を対馬野生生物保護センター(以下「センター」といいます。)に収容しました。今年度2件目の交通事故で、初めての死亡事故となります。
1. 発見日時
平成19年10月23日(火)午前6時50分頃
2. 発見場所
対馬市上対馬町比田勝の国道
3. 発見の経緯
道路上で死亡しているツシマヤマネコを地域住民が発見し、ツシマヤマネコを守る会の会長の山村辰美氏を経由してセンターに連絡があり、同日山村辰美氏がセンターに死体を搬送しました。
4.個体の情報
(1)性別:メス
(2)年齢:亜成獣
(3)体重:1,410g
(4)全長:61.4cm
(5)死体の状態:頭蓋骨が粉砕骨折していた。栄養状態は悪く、削痩していた。
(6)死因:頭蓋骨が骨折し、腹腔内に出血が見られたこと、道路上で死体が発見された状況から、交通事故により死亡したものと推測されます。
(7)FIV、FeLV検査:共に陰性
(FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)
5. その他
この事故により、平成19年度における交通事故発生件数は累計で2件、1頭が死亡。また、平成4年以降の交通事故発生件数は累計で47件、41頭が死亡となります。
10月15日に引き続き、交通事故が発生しています。これからの時期は、例年、親離れした亜成獣の交通事故が多くなっています。運転をされる方は、特に夜間の運転につきまして、スピードを落とし、安全運転に心がけるよう、また、万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター等までご連絡くださるよう併せてお願いします。
投稿者:対馬野生生物保護センター 投稿日:2007/10/17(Wed) 14:04 No.156
<概要>
平成19年10月15日(月)、豊玉町田(た)において、地元の方からツシマヤマネコがうずくまっていたのを保護したと連絡があり、対馬野生生物保護センター(以下、「センター」といいます。)に保護・収容しました。原因は、現場の状況等から交通事故によるものと推測されます。今後治療を行うとともに、疾病等の検査結果を踏まえ対応を検討します。
1.保護された経緯
10月15日(月)午後6時55分頃、豊玉町田の国道上において、須川篤氏(上県町仁田在住)がうつ伏せでうずくまっていたツシマヤマネコを発見しました。当該個体は、触ると目を開け、生きていることが確認されたため、ツシマヤマネコ応援団代表の野田一男氏(上県町仁田在住)に連絡し、同氏が現場へ出向き保護し、午後8時20分頃センターに収容しました。
2.個体の情報
(1)性別:オス
(2)年齢:亜成獣
(3)体重:1,750g
(4)個体の状況:口の中から出血している他は目立った外傷はない。左前肢の脱力がみられる。骨折はない。内臓を損傷している可能性がある。
(5)原因:国道上で発見されたこと、内臓を損傷している可能性があることなどから、原因は交通事故によるものと推測されます。
(6)FIV、FeLV検査:共に陰性(FIV:ネコ免疫不全ウイルス、FeLV:ネコ白血病ウイルス)
3.今後の予定
治療を行うとともに、疾病等の有無を検査中であり、それらの結果を踏まえ個体の今後の取り扱いを判断することとしています。
4.その他
平成19年度初めての交通事故。平成4年以降の交通事故発生件数は累計で46件、うち40件が死亡事故となります。
これからの時期は、親離れした亜成獣の交通事故が多くなります。運転をされる方は、特に夜間の運転につきまして、スピードを落とし、安全運転に心がけるよう、また、万が一事故に遭遇した場合又はツシマヤマネコの死体を発見した場合は、速やかにセンター等までご連絡くださるようお願いします。
投稿者:環境省 投稿日:2007/10/04(Thu) 14:10 No.155
<概要>
ツシマヤマネコの保護増殖の取組の一環として、環境省は福岡市動物園と連携し、飼育下繁殖に取り組んできたところです。これまでに23頭が福岡市動物園で成育し、井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアの協力も得て、飼育下繁殖事業は順調に進んでいると考えています。
この度、飼育下個体群の危険分散等を目的として、新たに「富山市ファミリーパーク」に御協力頂き、ツシマヤマネコを2頭移動し、飼育していただくことになりましたのでお知らせします。
また、ツシマヤマネコの保護意識が、普及啓発によって一層高まることを目的とした一般公開について、10月20日(土)から井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアで開始されることとなりましたのでお知らせします。
さらに、福岡市動物園から、今年度生まれの個体2頭を含む計3頭を対馬に里帰り(移送)させます。
今年度の飼育下における繁殖は、飼育下個体群の遺伝的多様性を高める目的で、対馬で保護された2頭を井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアに移動し、繁殖を試みるほか、福岡市動物園においても引き続き繁殖を試みます。
1.ツシマヤマネコとは
ツシマヤマネコは、我が国では長崎県対馬にのみ生息し、かつては対馬島内全域にわたり広く分布していましたが、生息環境の悪化等により危機的な状況にあります。
平成6年に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称「種の保存法」)に基づく国内希少野生動植物種に指定され、平成7年に同法に基づく保護増殖事業計画(環境省及び農林水産省告示)を策定し、保護の取組を進めています。
平成19年8月に当省が公表したレッドリストでは、絶滅危惧IA類に分類されており、平成17年9月に発表した調査結果によれば現在野生下には80~110頭生息していると推定されています。
2.飼育下繁殖事業の経緯
平成5年に「ツシマヤマネコ人工繁殖基本計画策定調査」を実施し、平成8年より野生個体の確保を開始し、5頭の個体が確保できた平成11年より福岡市動物園の協力を得て飼育下繁殖事業を開始しました。
平成12年4月に初めて繁殖に成功し、その後も福岡市動物園関係者の多大な御努力により、これまで23頭が福岡市動物園で成育しています。また、平成18年11月から、災害や感染症の発生などに備えて危険分散を図る目的で、井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアに個体を移動し、飼育しています。
現在、飼育下繁殖のために捕獲した個体も合わせて福岡市動物園で17頭、井の頭自然文化園で2頭、対馬野生生物保護センターで12頭、よこはま動物園ズーラシアで2頭、併せて33頭を繁殖個体群として飼養しています。
環境省では、飼育下個体群の最終目標として、遺伝的多様性を維持した持続可能な飼育下個体群を確立するために、100頭程度の繁殖個体群を維持することが重要と考えています。
3.分散協力動物園の追加
環境省は分散飼育について、専門家等の意見を踏まえつつ、社団法人日本動物園水族館協会と連携して、動物園との調整を進め、この度「富山市ファミリーパーク」にオス1頭、メス1頭、計2頭のツシマヤマネコを移動させ、分散飼育を進めることとしました。なお、同園への個体の移動は11月中を予定しています。
4.飼育下個体の公開
近年の飼育下繁殖事業の成功に伴い飼育個体が増加し、老齢や遺伝的多様性の為等により必ずしも全ての個体が繁殖に参加できる状況ではなくなってきているため、例えば兄弟が十分子孫を残している等の理由により繁殖に参加する可能性が低い個体については、福岡市動物園以外の動物園においても、普及啓発を行う目的で一般に公開します。
各地の動物園で個体を公開し、全国的な普及啓発を行うことは、生息環境である対馬及びツシマヤマネコの現状を広く国民に伝えることができ、対馬島外からの保護の支援が促進されることが期待され、ツシマヤマネコの保護に役立つものと判断しました。
今年度は、井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアで、10月20日(土)から一般公開を開始します。富山市ファミリーパークにおいても、将来的に一般公開を開始する予定です。
なお、将来対馬において野生復帰を行う飼育下繁殖個体については、平成16年8月策定の「ツシマヤマネコ再導入基本構想」において野生復帰のために誕生時からの専用の飼育方法、訓練が必要であるとされており、現在飼育している飼育下個体を野生復帰させることは想定されないこととなりました。今後野生復帰事業のスケジュールを考慮しつつ、野生復帰候補個体を動物園と協力して生産していく予定です。
5.福岡市動物園からの対馬への里帰り(移送)及び今年度の繁殖計画
飼育頭数が施設の上限に達している福岡市動物園より、今年度生まれの2頭及び平成17年生まれの1頭、計3頭を対馬野生生物保護センターに里帰り(移送)します。
また、昨年に引き続き、対馬で保護され、野生復帰が困難であると判断される2頭を対馬野生生物保護センターから井の頭自然文化園及びよこはま動物園ズーラシアに移動し、飼育下個体群の遺伝的多様性を高める目的で繁殖を試みるものとします。なお、福岡市動物園においても、引き続き繁殖を試みる予定です。
(写真は、福岡市動物園から対馬に里帰りを予定している個体(福岡市動物園提供))