対馬野生生物保護センター

ホーム >> 報告書・資料・パンフレット >> 過去のセンター活動 >> センターの活動報告(2006年) >> 2006年3月のヤマネコニュース

2006年3月29日:ツシマヤマネコの死体発見について(お知らせ)

 3月29日(水)8時00分頃、対馬市上対馬町三宇田(みうだ)において、ツシマヤマネコの成獣の死体が発見されました。個体の状況から考えて、28日夜~29日早朝にかけて交通事故にあったものと考えられます。当該個体は雌で2頭の胎児が確認されました。妊娠中の個体が交通事故にあったのは、平成4年から記録をとっている中で初めてとなります。ツシマヤマネコの交通事故死体の発見は今年度5頭目(今年1頭目)です。

<詳細>
1.発見日時 平成18年3月29日(水)午前8時00分頃
2.発見場所 対馬市上対馬町三宇田 市道脇の歩道(三宇田浜付近)
3.発見の経緯 午前8時00分頃道路脇の歩道上で死んでいるツシマヤマネコを地域住民が発見し、ツシマヤマネコを守る会を通じてセンターに連絡があった。その後センター職員が死体をセンターに収容した。
4.個体の情報
(1)性別 メス
(2)年齢 成獣(年齢不詳)
(3)体重 2,960g
(4)全長 80.1cm(頭胴長56.9cm)
(5)死体の状態 死体発見当時死体が死後硬直を起こしていたことから、28日夜~29日早朝に死亡したものと推察される。腹壁が破裂して腹腔内に出血が見られた。栄養状態は普通。妊娠しており、子宮に2体の胎児がいた。
(6)死因 道路脇に死体があったこと、また腹壁が破裂していたことから、交通事故により死亡したものと推察される。

センターでは平成4年から交通事故記録をとっていますが、通算37件目(うち死亡は33頭)の交通事故です。今年度は5件目となります。この時期の雌は妊娠している可能性があり、また今後子育てを行っていきます。そのような親が交通事故にあうと、生まれてくる子供まで損なわれてしまいます。島民の皆様におかれましては、人もヤマネコも安心して行動できるよう、安全運転を心がけ、夜間は道路で光る目にご注意下さい。