対馬野生生物保護センター

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2005年3月:お散歩観察会「はじめての雨中観察会」

2005年3月の活動

 3月27日(日)は雨だったのですが、東京と大阪から観察会を目当てに遥々来てくださった方の熱い要望により、傘をさしてのお散歩となりました。参加者はヤマネコの調査に来ている学生さんたちも含めて総勢7名。初めての雨中観察会です。

ナベヅルとカナダヅル

ナベヅルとカナダヅル

 実は、前日の夜に佐護平野に千羽以上のナベヅルが渡来しているという情報があったので、迷わずそこへ直行。何十年もツルを見ている地元の方でも、「こんなに多いのは初めて!」という大群を観察し、「これがホントの千羽鶴だ!」という話で盛り上がりました。しかも、千羽ナベヅルの中にとっても珍しいカナダヅルが1羽紛れ込んでいました。

ゲンカイツツジ

ゲンカイツツジ

 ゲンカイツツジはちょうど見頃、満開で迎えてくれました。花の中にはゾウムシの仲間の昆虫がいました。みんな花が咲くのを待ち焦がれていたようです。

フキノトウがいっぱい

フキノトウがいっぱい

 ツバキ園地では、フキノトウがたくさん生えていました。もう少し早くみつけていれば、フキの新芽が食べられたかも?

かたつむり

かたつむり

 途中、交尾しているカタツムリを発見しました。しかし、カラの模様が大分違います。ホントに同じ種類?疑問が残りました。

アセビ

アセビ

 森の中は独特な臭いが漂っていました。地元の人が言う「新芽が出る臭い」というのは、実はアセビの花の臭いではないでしょうか。花はきれいなのに匂いはきつい!写真奥の白い花がアセビ、手前のピンク色の花はアケボノアセビです。

 カタツムリをはじめ、雨ならではの生き物にも出逢いました。センター脇の「せせらぎ園地」横の道路には、川と間違えて道路に産卵されたツシマアカガエルの卵塊を発見。園地内の池では、もうたくさんのおたまじゃくしが泳いでいました。小さないきものたちで賑わう季節ももうすぐです。

スミレ?ノジスミレ?

スミレ?ノジスミレ?

 ここからは春の棹崎公園で見られる植物たちを紹介します。

 3月の棹崎では、5種類のスミレを見ることができました。見分けるポイントは花の色や葉っぱのかたちなどですが、どれを見てもそっくりで、スミレの世界はとっても奥が深いです。スミレの花は濃い紫色で、葉は細長く上に立つように広がります。

コスミレ

コスミレ

 コスミレは長いハート型の葉を持ち、花の色は白から紫まで濃淡は様々です。大きさ的にはそんなに小さくないのに「コスミレ」です。

タチツボスミレ

タチツボスミレ

 タチツボスミレは丸いハート型の葉っぱが特徴で、棹崎で最もよく見られるスミレです。

ノジスミレ?アカネスミレ?

ノジスミレ

 ノジスミレはコスミレに似ますが、葉に短い毛が生えています。その名の通り、野路でよく見かけます。
 アカネスミレは葉、茎、側弁の基部など全体的に毛深いスミレです。

ナンザンスミレ

ナンザンスミレ

 切れ葉が特徴的なナンザンスミレは、日本では対馬でのみ見られるスミレです。通常ピンク色ですが、対馬北部に分布するものは白色です。最近は採集により数が減少しています。みなさん、野草は野外で楽しみましょう!

クサイチゴ

クサイチゴ

 イチゴの花は3種類咲いていました。ノイチゴの名前で親しまれている赤くて甘い実をつけるのはクサイチゴです。ジャムにするとまた一段とおいしくなります。

ヘビイチゴ

ヘビイチゴ

 黄色い花はヘビイチゴ。人間好みの味ではないので、ヘビが食べるイチゴ、「ヘビイチゴ」です。

ナガバモミジイチゴ

ナガバモミジイチゴ

 ナガバモミジイチゴはキイチゴという名前で親しまれ、その甘さはイチゴの中でも絶品の部類に入ります。実のなる季節が今から楽しみですね♪

スギナ

スギナ

 つくし。正式和名はスギナです。つくしはスギナの胞子体、胞子を飛ばすための身体です。

シロバナタンポポ

シロバナタンポポ

 その他、春一番に咲く花たちです。どれも身近な植物ですので、お家の周りでも探してみて下さいね。
 写真はシロバナタンポポです。

 カタバミフラサバソウホトケノザウシハコベオオイヌノフグリ