ホーム >> 報告書・資料・パンフレット >> 過去のセンター活動 >> センターの活動報告(2004年) >> 2004年6月のヤマネコニュース
2004年6月ヤマネコニュース
投稿者:大林 投稿日:2004/06/30(Wed) 17:35 No.53
6月27日(日)、対馬市上県町において、ツシマヤマネコの幼獣が国道382号線路上にいるところを発見し、対馬野生生物保護センターに保護しました。このヤマネコの捕獲時の発見地点が同月20日夜交通事故にあったメスの個体と非常に近接していることなどにより、その死亡個体の子供ではないかと思われます。対馬野生生物保護センターでは保護された個体以外に幼獣が近くにいないか引き続き調査中です。
<詳細>
1.保護された経緯
6月20日午後11時過ぎ、対馬市上県町樫滝においてツシマヤマネコのメス(成獣)が交通事故死。25日地域住民が交通事故付近でヤマネコの幼獣を見かけたとの情報があり、センター職員が現場に行くも発見できなかった。また、神戸大学による交通事故死亡個体の卵巣の解剖所見によりその死亡個体に今春に出産した可能性があることがわかった。自力で餌等確保できない可能性があること、発見箇所が国道382号近辺でありその幼獣が交通事故に遭う可能性があったので、27日より緊急捕獲を試み、23:30頃国道382号路上にいるところをセンター職員及びボランティアが発見し、28日0:30センターに収容した。
ツシマヤマネコ幼獣の捕獲時の発見現場は、20日夜の交通事故現場と50m程の距離であること、また20日夜に死亡したメスが今年子ネコを生んだ可能性が高いことより、今回保護した個体については交通事故にあった個体の子供の可能性が高い。
2.個体の情報
(1)性別メス
(2)年齢幼獣
(3)体重490g
※ 外傷はなかったが、非常に痩せており、また空腹状態にあった。保護されて2日経ち、食欲旺盛で、順調に健康状態が回復している。
3.保護された個体以外の捕獲について
平均産子数、卵巣の状態から今回保護された個体以外の同齢の幼獣が周辺にいる可能性があるため、28・29日と引き続き捕獲を試みたが、現時点では姿の確認ができていない。
4.今後の予定
幼獣の健康状態等を見ながら血液検査し、感染症検査などを行う。その後、野生復帰を視野に入れながら今後の取り扱いを検討する。
※今回は運良く幼獣の保護ができましたが春期のツシマヤマネコの交通事故は、出産したメスの個体の場合、その子供まで死んでしまう可能性が非常に高くなります。ヤマネコが安心して暮らせるよう、安全運転を心がけ、夜は道路わきで光る目にご注意ください。