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【お知らせ】ヤンバルクイナの最高齢飼育個体の死亡について
2009.09.03 那覇自然環境事務所
8月29日(土)、環境省が実施しているヤンバルクイナ保護増殖事業の飼育下繁殖事業の一部として、ネオパークオキナワ(名護市)の国際種保存研究センターにおいて飼育していたヤンバルクイナが心不全により死亡しました。
この個体は平成7年6月に保護され、ヤンバルクイナの飼育個体としては国内最高齢(推定15歳齢、雄)であり、これまで飼育下における国内初の繁殖にも成功していました。
1 死亡したヤンバルクイナの経過及び死因について
(1)死亡日時
平成21年8月29日(土)15時ごろ
(2)死亡にいたる経過及び剖検所見等
- 8月24日
- 健康状態の悪化(循環障害の疑い)により、飼育下繁殖事業の個体について健康管理等を委託しているNPO法人どうぶつたちの病院(うるま市)に搬送し、治療を開始する。
- 8月27日
- 呼吸困難が始まり、起立困難となる。
- 8月29日
- 15時ごろ死亡確認。
NPO法人どうぶつたちの病院により剖検が行われました。死亡までの臨床症状と、心臓の拡大、腹水貯留などの解剖所見などから、心不全による死亡と考えられています。
2 本個体のこれまでの飼育による成果について
本個体の14年の長期にわたる飼育経験により、安定的な飼育下繁殖技術の確立や、今後のヤンバルクイナ保護増殖事業の本格的な実施に向けて、以下のような貴重な知見が得られました。
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- 飼育下において、14年は生きるということが判明した。
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- 2006、2007年と2ヶ年にわたり、ペアリングにより飼育下での繁殖(自然孵化)に成功した(現在3羽の子供が生存)。これはヤンバルクイナ保護増殖事業の開始以降、初めての成功例です。
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- 高齢での繁殖歴から、雄の場合、少なくとも12〜13歳までは繁殖に用いることが可能であることが判明した。
なお、本個体の死亡により、ヤンバルクイナ保護増殖事業の飼育下繁殖事業において現在飼育しているヤンバルクイナは、ネオパークオキナワでの5個体を含めて40個体となっています。
※本件については、ネオパークオキナワ(名護自然動植物公園株式会社)からも報道発表されております。画像を希望される場合や飼育経過の詳細については、ネオパークオキナワ(0980-52-6348 担当:動物課 伊東 孝)へお問い合わせ下さい。