報道発表資料
2025年01月23日
- 報道発表
西表石垣国立公園 石西礁湖のサンゴ白化現象の2024年12月調査結果について(お知らせ)
西表石垣国立公園の石西礁湖(せきせいしょうこ)における今年度のサンゴ白化現象の状況を把握するため、2024年9月の調査に引き続き同年12月上旬に調査を実施しました。
調査の結果、全調査地点の平均白化率は9月調査時の84.0%から65.5%まで回復した一方で、白化の影響で死亡した群体が増加し、平均被度は同年9月の17.4%から13.7%まで低下していました。
2022年の大規模白化以来、緩やかに回復してきたサンゴ被度が今回の大規模白化で再び低下しており、引き続き影響把握に努めます。
調査の結果、全調査地点の平均白化率は9月調査時の84.0%から65.5%まで回復した一方で、白化の影響で死亡した群体が増加し、平均被度は同年9月の17.4%から13.7%まで低下していました。
2022年の大規模白化以来、緩やかに回復してきたサンゴ被度が今回の大規模白化で再び低下しており、引き続き影響把握に努めます。
■ これまでの経緯及び趣旨
・過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的とした自然再生推進法(2003(平成15)年1月1日施行)に基づき、石西礁湖における自然再生事業を2006(平成18)年から実施している。・自然再生事業の一環としてサンゴのモニタリング調査を、2002(平成14)年の試行調査を経て、2005(平成17)年から実施している。
・大規模白化現象が発生した2016(平成28)年からは、スポットチェック法※1(15分間のスノーケリングを行い、被度※2、白化率※3等を目視観察)による調査を実施している。
■ 調査内容
(1)調査地点モニタリング調査の調査定点として設定している石西礁湖内の31地点で実施した。調査定点の位置は、付属資料の図1のとおり。
(2)調査期間
2024(令和6)年12月1日から12月6日まで
(3)調査方法
・調査地点毎におよそ50m四方の調査地点を設定し、スポットチェック法により、調査を行った。
・サンゴ群体の白化状況の程度を4階級に分類し、それぞれの被度の割合を記録した。
Ⅰ 健全:群体全体が白化していない状態
Ⅱ 薄色:群体の一部白化・一部死亡・全体的に色が薄い状態
Ⅲ 白化:群体全体が完全に白化している状態
Ⅳ 死亡:群体全体が白化により死亡した状態
■ 調査結果
各調査地点における白化率、全地点の平均白化率(以下、「平均白化率」という。)は、付属資料の図2、図3のとおり。また、各調査地点における被度、全地点の平均被度(以下、「平均被度」という。)及び2016(平成28)年以降の被度の変化は、付属資料の図4のとおりである。(1)白化の状況
・平均白化率は65.5%であり、2024年の大規模白化のピークであった9月の84.0%から18.5%回復したが、過去に大規模白化があった2016年、2022年と比較して「薄色」や「白化」の群体が多く、夏季の大規模白化の影響が残存していた。これは30℃を超える夏季の高水温が例年9月初旬までであったところ、2024年は9月下旬まで長く続いたことが要因の一つだと考えられる。
・平均白化率の内訳は、健全34.5%(同年9月比+18.5ポイント)、薄色38.1%(同年9月比-21.3ポイント)、白化1.8%(同年9月比-11.9ポイント)、死亡25.5%(同年9月比+14.6ポイント)であった。
・平均白化率が高かった上位4地点はS6、S19、S2・24(S2、S24は同順位)であった。また、死亡率が高かった上位3地点はS6、S18、S19の順であった。
・平均白化率が低かった上位3地点はS27、S28、S26であり、石西礁湖北側の小浜島北側から竹富島北西側のリーフで低かった。
(2)被度の変化
・平均被度は、2024年9月の17.4%から同年12月には13.7%に低下した。
・多くの調査地点では、2022年の大規模白化以降緩やかに被度が回復していたが、2024年9月の大規模白化のピーク時には多くの地点で被度が低下していた。さらに今回調査においてはさらに被度が低下していた。これは、2024年9月調査時に白化していた群体の一部が死亡したためであった(付属資料の図5)。
■ 今後の対応
・上記の結果を踏まえ、来年度も引き続き今年度に発生した大規模白化現象の影響把握等に努める。・また、各種の結果は石西礁湖自然再生協議会等においても報告予定である。
■ 注釈
※1 スポットチェック法モニタリングサイト1000サンゴ礁調査マニュアル第5版(環境省生物多様性センター 2013(平成25)年)による。
https://www.biodic.go.jp/moni1000/manual/spot-check_ver5.pdf
※2 被度
着生可能な海底面の範囲のうち、生きているサンゴ群体が占める範囲の割合。
※3 白化率
白化現象が起きる前まで生きていたと思われるサンゴ群体が占める範囲(健全+薄色+白化+死亡)のうち、白化したサンゴ群体と白化により死亡したサンゴ群体が占める範囲(薄色+白化+死亡)の割合
添付資料
お問い合わせ先
環境省九州地方環境事務所
沖縄奄美自然環境事務所
所長 北橋 義明
自然再生企画官 山崎 麻里
(担当)
石垣自然保護官事務所
自然保護官 近藤 千尋
【TEL】0980-82-4768
沖縄奄美自然環境事務所
所長 北橋 義明
自然再生企画官 山崎 麻里
(担当)
石垣自然保護官事務所
自然保護官 近藤 千尋
【TEL】0980-82-4768