九州地域のアイコン

沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2024年05月24日
  • 報道発表

小浜島におけるオオヒキガエルの捕獲について

 令和6年5月17日(金)20時頃、小浜島南西部のサトウキビ畑周辺の路上で、特定外来生物であるオオヒキガエル1個体が捕獲されましたのでお知らせします。小浜島では令和5年度に初めて本種の目撃情報がありましたが、実際に捕獲されたのは環境省の記録では初めてです。
 目撃地点周辺では引き続き、オオヒキガエルが潜んでいる可能性がありますので、姿を目撃したり、鳴き声を聞いたり、卵を発見した際には、石垣自然保護官事務所までご連絡をお願いいたします。

1.捕獲された個体について

捕獲日時:令和6年5月17日(金)20時頃
捕獲場所:小浜島南西部(オヤケアカハチの森周辺)(下図参照)
性別:オス
捕獲経緯
 地元在住の方が夜間の見回り中に確認。バケツにて捕獲。環境省へ通報。
 
 

2.小浜島におけるオオヒキガエルの確認状況

 令和5年5月4日(木)に小浜島で初めて本種の目撃情報がありました。その後、環境省ではトラップを仕掛け、夜間調査を実施してきましたが、捕獲に至りませんでした。
 令和6年5月17日(金) 20時頃に地元在住の方が本種を捕獲し、環境省石垣自然保護官事務所へ通報がありました。小浜島での本種の捕獲は、環境省の記録では初めてです。
 なお、今回捕獲された個体が昨年度に目撃された個体と同個体であるかは不明です。
 
 

3.今後の対応

 捕獲された個体以外にも、本種が生息している可能性があることから、捕獲場所付近に誘因トラップを設置したうえで、捕獲場所周辺での生息確認調査を実施する予定です。また、港等にチラシを置き、目撃情報の収集に努めます。
 上記に加え、夜間調査や、自治体等と連携した目撃情報の収集、新たな侵入防止に関する普及啓発活動等を実施していく予定です。
 
 

4.目撃情報等の周知のご協力のお願い

 石垣島以外の周辺離島(小浜島を含む)には、オオヒキガエルやシロアゴガエル等の外来カエル類は定着していません。しかしながら、既にこれらの種が定着している石垣島から資材等に紛れて離島に拡散する恐れがあります。
 万が一、離島においてこれら外来カエル類の姿を目撃したり、鳴き声を聞いたり、卵を確認した場合には、石垣自然保護官事務所(Tel:0980-82-4768)まで通報をお願いいたします。また、道路上などで捕獲可能な場合は、手袋やビニール袋、網などを活用して、直接個体に触れない方法で捕獲をお願いいたします。捕獲後は、ビニール袋などに入れて逃げないようにした上で石垣自然保護官事務所に通報してください(移動運搬はしないでください)。
 オオヒキガエルの捕獲にあたっては、目の後ろにあるコブ(耳腺)を強く刺激すると毒液を出す場合がありますので、十分に注意し、直接素手で触れないようにお願いいたします。
 
 

5.オオヒキガエルについて

 オオヒキガエルは中南米原産の大型のカエルで、サトウキビ害虫駆除の目的で日本に移入され、各地で生態系に係る被害を引き起こしている侵略的外来種です。本種は、特定の食物に対する選好性がないため、多くの在来小動物に高い捕食圧を及ぼしていると考えられています。また、成体が耳腺から強力な毒物を分泌するだけでなく、幼生も毒を有していることから、イリオモテヤマネコをはじめ、カエル類を食物とするさまざまな在来捕食者への毒による悪影響が懸念されます。さらに、繁殖力が強いために在来カエル類を駆逐し生態的に置き換わってしまうおそれも指摘されています。環境省では「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(通称:外来生物法)」に基づく特定外来生物に指定し、本種の飼育、保管、運搬等を禁止しています。
 
【オオヒキガエルの特徴】
オオヒキガエルは全長が8~15cm 程度で、耳腺が目立ち、背中にある一面のイボイボが特徴です。オスは「ボボボボボ・・・・」と機械音のような鳴き声をし、夜間には街灯等の光に集まる虫を捕食するために明るい場所に出没します。
 
オオヒキガエルとシロアゴガエルについて(鳴き声もこのHPから確認できます。)
※沖縄奄美自然環境事務所HP「オオヒキガエルとシロアゴガエルについて」
 
■提供写真
小浜島で初めて捕獲されたオオヒキガエル
(捕獲者撮影・提供。報道への使用について了承を得ています)
 
 
■捕獲地点図(国土地理院地図より作成)

お問い合わせ先

沖縄奄美自然環境事務所
所長 北橋 義明

石垣自然保護官事務所
上席自然保護官 山本 以智人
担当:自然保護官 古見 用介
電話:0980-82-4768