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沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2023年09月27日
  • 報道発表

名護市内におけるヤンバルクイナの初確認について

 県及び環境省ではマングース防除事業の成果を評価するため、希少種回復実態調査を実施しており、2023(令和5)年7月10日、県の調査で設置している自動撮影カメラに、名護市源河において初めてヤンバルクイナが撮影されました。
 本種の生息域拡大の証拠となる重要な事例となりますので、お知らせいたします。

1 ヤンバルクイナについて

 ヤンバルクイナは、沖縄島北部地域にのみ分布しており、1981(昭和56)年に新種として発見、1982(昭和57)年に「文化財保護法」における国の天然記念物に指定され、また、1993(平成5)年に「種の保存法」の施行に伴い国内希少野生動植物種に指定されています。
 1910(明治43)年にハブ対策等を目的として沖縄島南部地域に放逐された外来生物であるマングースの北上等に伴い、ヤンバルクイナの生息域及び生息数は減少し、1986(昭和61)年に約1,800羽と推定されていた生息数は、2005(平成17)年の調査では約720羽と推定されました。
 現在は、環境省及び県によるマングース防除事業の実施や環境省による保護増殖事業の実施により、ヤンバルクイナの分布域及び生息数は回復傾向にあると考えられており、2021(令和3)年時点で、生息数は約1,700羽まで回復していると推定されています。


  

2 希少種回復実態調査の結果について

 県及び環境省では、マングース防除事業の評価を行うため、希少種回復実態調査を実施しています。
 調査を開始した当初、本種は国頭村を中心に分布していましたが、マングース防除事業の進捗に伴い、徐々に大宜味村や東村側へ分布域が拡大しています。大宜味村や東村でのヤンバルクイナ等の希少種の回復が見られたことから、県では、2019(平成31)年度から名護市内においても自動撮影カメラによる調査を開始しました。
 この度、同調査の結果、2023(令和5)年7月10日に名護市源河で初めてヤンバルクイナが確認され、本種の生息域拡大が示唆されました。
 県及び環境省では、引き続きマングースやその他外来種対策に取り組んでまいりますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。また、県民をはじめとする皆様におかれましては、ヤンバルクイナ等希少種が多く生息する沖縄島北部を車で走行する際は、スピードを抑えるなどのご配慮をお願いします。


■名護市内に設置する自動撮影カメラで撮影されたヤンバルクイナの写真
 

■ヤンバルクイナ生息状況調査結果の推移(環境省調査結果)
 

 

お問い合わせ先

沖縄県環境部自然保護課
課長 出井 航
生物多様性推進監 東盛 舞子
担当:希少種・外来種対策班
   当真 秀
   和宇慶 剛
電話:098-866-2243

環境省沖縄奄美自然環境事務所
所長 北橋 義明
野生生物課長 永長 大輔
担当:野生生物課
   小野 宏治
   内野 祐弥
電話:098-836-6400

やんばる自然保護官事務所
担当:椎野 風香
   石川 伊智子
電話:0980-50-1025