報道発表資料
2023年08月02日
- 報道発表
国内希少野生動植物種・国指定天然記念物ケナガネズミの 市街地出没に関する注意について
奄美大島、徳之島、沖縄北部にのみ生息するケナガネズミの奄美市名瀬市街地や瀬戸内町古仁屋付近での目撃や轢死がここ数ヶ月で相次いでおります。
ケナガネズミは、国内希少野生動植物種や国指定天然記念物に指定されている希少性の高い生き物です。各種法令により保護対象種として指定されているため、捕獲などをする場合は許可を受ける必要があります。ただし、各種法令により指定されていないネズミ類(クマネズミなど)を捕獲しようとして罠などに誤ってかかった場合は、罪に問われることはありません。
罠に誤ってかかった場合や、民家などに入り込んだ個体がどうしても外に出ていかない場合などお困りのときは、環境省奄美野生生物保護センターかお住まいの市町村教育委員会までお知らせください。
ケナガネズミは、国内希少野生動植物種や国指定天然記念物に指定されている希少性の高い生き物です。各種法令により保護対象種として指定されているため、捕獲などをする場合は許可を受ける必要があります。ただし、各種法令により指定されていないネズミ類(クマネズミなど)を捕獲しようとして罠などに誤ってかかった場合は、罪に問われることはありません。
罠に誤ってかかった場合や、民家などに入り込んだ個体がどうしても外に出ていかない場合などお困りのときは、環境省奄美野生生物保護センターかお住まいの市町村教育委員会までお知らせください。
1.ケナガネズミついて
ケナガネズミは奄美大島、徳之島、沖縄北部にのみ生息するネズミ科の動物で、国内で最も大きなネズミです。30㎝程度の長い尾の先端半分が白いことや、体に長い毛が生えていることが特徴です。夜行性で樹上性が強く、木の実や昆虫類、カタツムリなどを主食としています。森が途切れている所では、電線や道路上を歩く様子がしばしば見られています。
個体数が少ないため、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)や文化財保護法(天然記念物)などで捕獲等を規制し保護してきましたが、マングース防除事業やノネコ対策などの外来種対策の効果や、また昨年のどんぐりの豊作などもあって、個体数が増加してきています。それに伴い、近年一部市街地での出没が発生しています。
図1.木に登るケナガネズミ
2.出没・轢死(ロードキル)事例について
令和5年1月から7月25日までの間に、奄美市名瀬市街地で10件、瀬戸内町古仁屋近辺で3件の救護及び死体回収がありました。未解剖で死因が確定できていないものもありますが、そのうち3件が交通事故(ロードキル)と判明しています。このほかに、民家や商店などに侵入したという目撃情報が名瀬市街地で3件確認されています。
これまでも名瀬朝仁町、朝戸トンネル付近や大浜などでの目撃や死体回収はありましたが、さらにその内側での出没は今年に入ってから顕著に増加しています。
表1.令和5年のケナガネズミの死体回収、救護および目撃情報(名瀬市街地)
※2022年は保護のち放獣1件、保護のち死亡1件のみ(図2で示した赤い枠内)。
表2.令和5年のケナガネズミの死体回収、救護および目撃情報(古仁屋)
※2022年は保護のち放獣1件のみ(図3で示した赤い枠内)。
図2.名瀬市街地でのケナガネズミの出没地点
図3.古仁屋市街地でのケナガネズミの出没地点
3.もしもケナガネズミが家の中にいたら、もしもわなにかかっていたら
ケナガネズミは非常に鋭い前歯を持っています。また、寄生虫や感染症を持っている可能性もありますので、絶対に素手などで触らないようにしてください。家屋に入っていた場合は、出口を一箇所にして外へ出るように誘導してください。どうしても出ていかない場合や、わなにかかっていた場合は、殺したりせずに下記連絡先までご連絡ください。また、ケナガネズミが家屋に侵入しないように、網戸の破れや天井の隙間などは塞いでおきましょう。
ケナガネズミは法令で保護されている生きものですが、法令規制対象外の他のネズミ類を捕獲しようとして誤って捕獲してしまった場合や、殺鼠剤等を他のネズミ類に用い誤って死亡してしまった場合でも、故意でなければ罪に問われることはありません。ただし、罠を使用する際は、粘着シート式わなでは捕獲されたケナガネズミが死亡する可能性があるため、ネズミ用捕獲器(かご式わな)などを用い、かつ、ケナガネズミの入らない小さな罠を用いるなど、なるべくケナガネズミを傷つけない、捕獲しないための可能な範囲でのご配慮をお願いいたします。
捕獲された個体は、咬まれる危険がなく放せる場合は、近くの森へ放していただいても構いません。その際には、写真などを撮影し、下記環境省アドレスにお送りください。
4.夜道の運転は法定速度内で
奄美大島では野生動物が街中に出没する可能性があります。ケナガネズミは夜行性のため、夜間に見られることが多い生きものです。夜間の運転時は街中だからと気を抜かず、安全運転の実施にご協力ください。もし、ケナガネズミを轢いてしまっても罪に問われることはありませんので、その場合はすぐに下記までご連絡ください。また、死体やケガをしている個体を見つけた時も、下記までご連絡ください。
いただいた情報は今後の保護対策に活用いたします。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
お問い合わせ先
<連絡先>
・環境省奄美野生生物保護センター TEL:0997-55-8620、メール:RO-AMAMI@env.go.jp
・奄美市教育委員会 天然記念物担当 TEL: 0997-54-1210(奄美博物館内)
・瀬戸内町教育委員会 天然記念物担当 TEL: 0997-72-3799(瀬戸内町立図書館・郷土館内)
本件のお問い合わせ先
環境省 奄美群島国立公園管理事務所
担当:阿部 愼太郎、鈴木 真理子、白石 大晴
電話:0997-55-8620
・環境省奄美野生生物保護センター TEL:0997-55-8620、メール:RO-AMAMI@env.go.jp
・奄美市教育委員会 天然記念物担当 TEL: 0997-54-1210(奄美博物館内)
・瀬戸内町教育委員会 天然記念物担当 TEL: 0997-72-3799(瀬戸内町立図書館・郷土館内)
本件のお問い合わせ先
環境省 奄美群島国立公園管理事務所
担当:阿部 愼太郎、鈴木 真理子、白石 大晴
電話:0997-55-8620