那覇港新港ふ頭地区におけるオオヒキガエルの確認について

　令和５年７月10日（月）20時47分頃、那覇港新港ふ頭緑地周辺で、特定外来生物であるオオヒキガエル１個体を県の外来種対策事業におけるモニタリング調査で確認したのでお知らせします。オオヒキガエルは、沖縄本島には定着しておらず、令和元年７月25日に１個体が那覇港新港ふ頭地区で捕獲されて以来の確認となりますが、生態系への影響が大きく、繁殖力も強いことから、早急に防除する必要があります。
　確認した場所の周辺では引き続き、オオヒキガエルが潜んでいる可能性がありますので、姿を目撃したり、鳴き声を聞いたり、卵を発見した際には、沖縄県自然保護課または沖縄奄美自然環境事務所までご連絡をお願いします。

１オオヒキガエルについて

　オオヒキガエルは、アメリカ南部から中米、南米北部を原産とする国外由来のカエルです。県内では、大東諸島と石垣島に主にサトウキビ害虫駆除の目的で意図的に導入されました。その後、物資や建材等の輸送に伴い移入されたと推測されている個体が県内の複数の島で確認されましたが、現在は大東諸島と石垣島だけに定着していると考えられています。
　オオヒキガエルは大型になるカエルで、昆虫など小型の動物を大規模に捕食します。
　さらに、強力な毒を分泌するため、カエルの捕食者への影響も懸念され、侵入先の生態系へ与える影響は甚大になると危惧されています。

※沖縄県オオヒキガエル防除計画
https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/kankyo/shizen/hogo/gairaisyutaisakushishin.html

【オオヒキガエルの特徴】

オオヒキガエルは全長が８～15cm 程度で、耳腺が目立ち、背中にある一面のイボイボが特徴です。オスは「ボボボボボ・・・・」と機械音のような鳴き声をし、夜間には街灯等の光に集まる虫を捕食するために明るい場所に出没します。

オオヒキガエルとシロアゴガエルについて（鳴き声もこのHPから確認できます。）
※沖縄奄美自然環境事務所HP「オオヒキガエルとシロアゴガエルについて」
https://kyushu.env.go.jp/okinawa/wildlife/mat/m_2_2.html

　環境省の「日本の外来種対策」HPの掲載写真より

２捕獲された個体について

(1) 捕獲日時：令和５年７月10日 (月)20時47分頃
(2) 捕獲場所：那覇港新港ふ頭緑地（下図参照）
(3) 個体情報：体長132 mm、体重 288 g、性別オス
(4) 捕獲経緯
　県の外来種対策事業におけるオオヒキガエルのモニタリング調査で確認された。個体はその場で捕殺し、解剖後に冷凍保存した。

３沖縄本島におけるオオヒキガエルの確認状況

　沖縄本島については、これまでに、平成23年８月に浦添市の港川地区から小湾地区にかけて発見、平成25年12月までに約700匹を捕獲・排除した結果、その後根絶に至ったものと思われます。また、令和元年７月25日に那覇港新港ふ頭地区で1匹捕獲されたことがありますが、今回の確認はそれ以後、４年ぶりとなります。

４ご協力のお願い

　オオヒキガエルの定着地（石垣島、大東諸島）以外の地域において、本種の姿を目撃したり、鳴き声を聞いたり、卵を確認した場合には、できるだけ早く沖縄県自然保護課（Tel：098－866－2243）もしくは沖縄奄美自然環境事務所（Tel：098－836－6400）まで通報をお願いします。
　また、資材等の運搬や車両の移動時に紛れて侵入する可能性があるため、資材搬入の際には、オオヒキガエルがいないか、十分にご確認ください。
　早期発見・早期防除へのご理解とご協力をお願いします。

※オオヒキガエルを発見し、捕獲可能な場合

　道路上などで発見し、捕獲可能な場合は、手袋やビニール袋、網などを活用して、直接個体に触れない方法での捕獲をお願いします。オオヒキガエルの捕獲にあたっては、目の後ろにあるコブ（耳腺）を強く刺激すると毒液を出す場合がありますので、十分に注意し、直接素手で触れないようにしてください。
　捕獲後は、ビニール袋などに入れて逃げないようにした上で沖縄県自然保護課または沖縄奄美自然環境事務所に通報してください（移動運搬はしないでください）。

■確認個体の写真