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沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2023年05月16日
  • 報道発表

小浜島におけるオオヒキガエルの目撃情報について

 令和5年5月4日(木)21時50分頃、小浜島「ちゅらさん広場」付近の路上で、特定外来生物であるオオヒキガエル1個体を一般の方が目撃したとの通報がありましたのでお知らせします。環境省が把握している限りでは、小浜島での本種の確認は初めてとなります。現時点ではこの個体の捕獲には至っていません。
 目撃地点周辺では引き続き、オオヒキガエルが潜んでいる可能性がありますので、姿を目撃したり、鳴き声を聞いたり、卵を発見した際には、石垣自然保護官事務所までご連絡をお願いいたします。

1.オオヒキガエルについて

 オオヒキガエルは中南米原産の大型のカエルで、サトウキビ害虫駆除の目的で日本に
移入され、各地で生態系に係る被害を引き起こしている侵略的外来種です。本種は、
特定の食物に対する選好性がないため、多くの在来小動物に高い捕食圧を及ぼしている
と考えられています。また、耳腺から強力な毒物を分泌し、幼生も毒を有していること
から、イリオモテヤマネコをはじめ、カエル類を食物とするさまざまな在来捕食者への
毒による悪影響が懸念されます。さらに、繁殖力が強いために在来カエル類を駆逐し
生態的に置き換わってしまうおそれも指摘されています。環境省では「特定外来生物に
よる生態系等に係る被害の防止に関する法律(通称:外来生物法)」に基づく特定外来
生物として、本種の飼育、保管、運搬等を禁止しています。

※沖縄奄美自然環境事務所HP「オオヒキガエルとシロアゴガエルについて」
 
【オオヒキガエルの特徴】
オオヒキガエルは全長が8~15cm 程度と、小浜島の在来カエル類より大きく、耳腺が
目立ち、背中にある一面のイボイボが特徴です。オスは「ボボボボボ・・・・」と機械
音のような鳴き声をし、夜間には街灯等の光に集まる虫を捕食するために明るい場所に
出没します。

オオヒキガエルの鳴き声(前田憲男氏提供)
 
 

2.目撃された個体について

目撃日時:令和5年5月4日 21時50分頃
目撃場所:小浜島(ちゅらさん広場)(下図参照)
目撃情報:成体(性別不明)
目撃経緯
 観光目的で小浜島を来島した一般の方が「ちゅらさん広場」付近の路上でオオヒキガ
エルを目撃し、個体を撮影。捕獲は行っていない。
 


3.八重山諸島のオオヒキガエルの状況

 近年では、令和4年5月に西表島の船浦地区を通る県道上で、オオヒキガエル(成体
メス)が捕獲されています。オオヒキガエルは、県内ではサトウキビ畑の害虫駆除のため、
南大東島に持ち込まれ(年代不明)、石垣島へは昭和53(1978)年に南大東から持ち
込まれました。現在では石垣島の全域でよく見られます。石垣島以外の周辺離島では、
度々、オオヒキガエルが発見・捕獲される事案が発生していますが、これまで小浜島に
おいてオオヒキガエルが発見・捕獲された事例はなく、今回、小浜島では初確認となり
ます。
 
 

4.ご協力のお願い

 石垣島以外の周辺離島に侵入・定着のおそれのある、オオヒキガエルやシロアゴガ
エルの姿を目撃したり、鳴き声を聞いたり、卵を確認した場合には、できるだけ早く
石垣自然保護官事務所(Tel:0980-82-4768)まで通報をお願いします。早期発見・
早期防除へのご理解ご協力をお願いします。また、道路上などで捕獲可能な場合は、
手袋やビニール袋、網などを活用して、直接個体に触れない方法での捕獲をお願いい
たします。捕獲後は、ビニール袋などに入れて逃げないようにした上で石垣自然保護
官事務所に通報してください(移動運搬はしないでください)。オオヒキガエルの
捕獲にあたっては、目の後ろにあるコブ(耳腺)を強く刺激すると毒液を出す場合が
ありますので、十分に注意し、直接素手で触れないようにお願いいたします。
 また、島外から搬入される資材等に紛れて侵入する可能性があるため、資材搬入の
際には、オオヒキガエル等がいないか、十分にご確認をお願いいたします。
 
■提供写真

小浜島で目撃されたオオヒキガエル(写真ダウンロード
 
■目撃地点図(国土地理院地図より作成)

お問い合わせ先

環境省沖縄奄美自然環境事務所
所長 宇賀神 知則
石垣自然保護官事務所
上席自然保護官 山本 以智人
担当:自然保護官 古見 用介
電話:0980-82-4768