報道発表資料
2022年11月01日
- 報道発表
アマミノクロウサギ交通事故死過去最多更新のお知らせ
環境省では、希少な野生動物の生息に影響を及ぼす要因の把握や保護対策への活用のため、野生動物の死体の情報を収集し、死体確認件数・死因内訳の整理等を行っています。
このたびアマミノクロウサギの2022年の交通事故件数について、9月末までの段階で、奄美大島および徳之島の両島共に過去最多の昨年の件数を上回りました。
国道や県道を含む生活道路での事故が多発していますので、通勤・通学などで夜間に運転される際は、十分注意していただけるようお願いいたします。
このたびアマミノクロウサギの2022年の交通事故件数について、9月末までの段階で、奄美大島および徳之島の両島共に過去最多の昨年の件数を上回りました。
国道や県道を含む生活道路での事故が多発していますので、通勤・通学などで夜間に運転される際は、十分注意していただけるようお願いいたします。
1.2022年に回収された死体の死因内訳(1月~9月末までの集計)
2022年9月末までに回収されたアマミノクロウサギの死因内訳を整理しました(表1)。表1.2022年に回収されたアマミノクロウサギの死因内訳
2.アマミノクロウサギ交通事故件数の増加について
・2022年9月末までの交通事故の確認件数は、奄美大島では68件(すべて死体)、徳之島では21件(すべて死体)となり、いずれも過去最多件数となりました(図1)。・奄美大島では、これまでの事故多発道路上での事故が増加しています。
・徳之島では、アマミノクロウサギの分布の辺縁部での事故が増加しています。
・今年、事故の増加が顕著に多い車道は、奄美大島では、国道58号線(県道85号線との分岐点)、瀬戸内町道網野子峠線、宇検村と瀬戸内町をつなぐ県道85号線、湯湾岳周辺の林道、県道612号線(役勝~篠川間)、大和村・宇検村の県道79号線、徳之島では県道629号線(手々~金見間)などです。
*死因について
死体の状態や発見現場、死体解剖の結果から推測しています。死体確認件数は情報が寄せられ把握ができた数であり、自然界での実際の死亡頭数とは異なります。また、死体は人目に付きやすい道路上で発見されるものが多いため、交通事故による死体が多く発見される傾向にあります。死体の腐敗や劣化が激しい、死体の一部のみが回収された、剖検をしても異常所見が認められなかったなどの理由で死因が特定できなかったものは、不明としています。
死体の状態や発見現場、死体解剖の結果から推測しています。死体確認件数は情報が寄せられ把握ができた数であり、自然界での実際の死亡頭数とは異なります。また、死体は人目に付きやすい道路上で発見されるものが多いため、交通事故による死体が多く発見される傾向にあります。死体の腐敗や劣化が激しい、死体の一部のみが回収された、剖検をしても異常所見が認められなかったなどの理由で死因が特定できなかったものは、不明としています。
3.交通事故防止の対策と協力のお願い
アマミノクロウサギだけでなく、ケナガネズミやトゲネズミ等希少野生動物の交通事故も近年確認されています。交通事故は林道のみならず、スピードの出やすい国道・県道上でも発生しています。交通事故が多発している地点には、警戒標識などが設置されています。動物が活動する夜間は、特に警戒標識設置場所では注意し、野生動物が急に飛び出してきてもすぐに止まれる速度まで減速していただくようお願いします。環境省では、これまで関係機関と連携し、リーフレット配布等による各種普及啓発活動や注意看板の設置等を行っており、今後も関係機関と連携した対策を強化・継続して参ります。現在運用している三太郎線の夜間利用ルールについては、今後利用状況やロードキルの発生状況を踏まえ、必要な改善を行って参ります。また、進入抑制フェンスの効果検証のための情報収集を進め、関係機関と連携して新たな対策に関する検討を進めて参ります。
4.情報提供のお願い
環境省奄美野生生物保護センター、徳之島管理官事務所ではアマミノクロウサギなど希少種の死体情報を集めています。傷ついたり、死んでいる個体を見つけたら下記連絡先までご連絡ください。ケガであれば、早めの対応によって動物が助かる可能性が高まります。傷病鳥獣や事故の情報は、今後の交通事故防止や希少種の保全策に活用します。
※本発表においてご不明点等ありましたら、以下、宛先までご連絡ください。
お問い合わせ先
奄美大島:環境省奄美野生生物保護センター TEL:0997-55-8620
徳之島 :環境省徳之島管理官事務所 TEL:0997-85-2919
徳之島 :環境省徳之島管理官事務所 TEL:0997-85-2919