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沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2022年03月10日
  • その他

『カンムリワシ交通事故 非常事態宣言』の発出について

 令和4年3月5日に石垣島において3羽のカンムリワシの交通事故が発生しました。これにより令和4年の石垣島におけるカンムリワシの交通事故件数が6件となり、既に令和3年の年間交通事故件数8件に迫っています。引き続きカンムリワシの交通事故が多発する時期のため、『カンムリワシ交通事故 非常事態宣言』を発出することとしました。3月末まで集中的な周知を実施しますので、注意喚起にご協力をお願いいたします。

1.概要

 令和4年3月5日(土)に石垣島において3羽のカンムリワシの交通事故が発生しました。1日に3羽のカンムリワシが収容されたのは統計開始以来はじめてのことです。これにより令和4年1月1日から3月6日までの石垣島におけるカンムリワシの交通事故件数が6件となりました。既に令和3年の年間交通事故件数8件に近づいています。
 本種の生息に影響を及ぼす恐れがあること、また石垣島内における治療や収容体制が逼迫していることから、『カンムリワシ交通事故 非常事態宣言』を発出します。これから3月末にかけてさらに交通事故が多発することが予想されますので、関係機関と連携し、集中的に注意喚起のための対策を実施する予定です。

2.令和4年3月5日(土)収容個体の詳細

  ・1件目
   若鳥。11 時30 分頃、名蔵神田橋付近にて轢かれたとみられる個体を救護。動物病院到着時には死亡していた。


  ・2件目
   幼鳥。15 時頃、名蔵宮良農園付近の歩道上で、轢かれたとみられる個体がカラスに襲われているところを救護。口に出血があったものの翼等に異常は見られず動物病院において治療中。


  ・3件目
   幼鳥。17 時頃、伊野田漁港付近で轢かれたとみられる個体を救護。発見・通報時には生存していたが、環境省職員が到着した時点で死亡していた。


3.この時期に交通事故が多発する要因

 12 月から3月にかけて、幼鳥がひとり立ちを始めることや春先の繁殖期を前に成鳥の採餌行動等が活発になることから、交通事故にあう危険性が高くなると考えられます。


4.注意事項

 春先の温かい日は特にカンムリワシの出現が増えることが予想されます。制限速度を守り、野生生物の飛び出しに配慮した運転をよろしくお願いいたします。特に森林地帯を通行する場合や、道端でカンムリワシを見かけた場合は、道路に飛び出てくる恐れがありますので、徐行運転をお願いいたします。

5.今後実施予定の対策

関係機関と連携し、非常事態宣言(別添)のチラシ配布を行います。また、事故多発地点マップを公表し、関係機関と連携し、運転者に対して周知を行います。さらに、過去の記録から交通事故が多発している地点に注意喚起看板の設置を行います。


(参考)近年の交通事故発生状況
 石垣島におけるカンムリワシの交通事故は、2022 年は合計6件(内訳:死亡4件、放鳥1件、治療中1件)となっています。また、西表島では合計2件(内訳:死亡1件、放鳥1件)となっています。

石垣島 西表島
交通事故件数 うち死亡 交通事故件数 うち死亡
平成22(2010)

12

5 2 1
平成23(2011) 7 5 5 3
平成24(2012) 8 5 6 3
平成25(2013) 9 7 8 5
平成26(2014) 8 5 2 2
平成27(2015) 6 2 1 1
平成28(2016) 6 5 3 1
平成29(2017) 8 7 1 0
平成30(2018) 9 8 6 5
令和元(2019) 8 5 3 1
令和2(2020) 5 3 5 4
令和3(2021) 8 2 5 5

令和4(2022)

※3月7日現在

6 4 2 1

添付資料

■ 問い合わせ先
沖縄奄美自然環境事務所
 所長 宇賀神 知則

(担当)石垣自然保護官事務所
 上席自然保護官 山本 以智人

 電話:0980-82-4768