報道発表資料
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(お知らせ)徳之島の集落で発見されたノライヌによると思われるアマミノクロウサギの死亡事例について
令和2年10月13日(火)から14日(水)にかけて、徳之島北部の集落の居住地域内において、アマミノクロウサギ2個体の死亡が発見され、死亡個体に付着していたDNA検査によりイヌのDNAが検出されました。周辺のノライヌ情報も合わせて考えると、今回のアマミノクロウサギの死因は、どちらもイヌによるものと判断されましたのでお知らせ致します。集落の居住地域内でアマミノクロウサギの死亡が確認されたのは初の事例となります。環境省では、関係機関と連携し、引き続きモニタリングを実施していきます。
1.個体情報:以下の通り
動物種 | 発見日時 | 発見場所 | 個体の状況 | 死因 | |
No.1 | アマミノクロウサギ | 10月13日(火)朝 | 徳之島北部集落 | 皮と骨のみ | イヌ |
No.2 | アマミノクロウサギ | 10月14日(水)朝 | 徳之島北部集落 | 皮と骨のみ | イヌ |
2.当初の対応:発見されたアマミノクロウサギの死亡個体は、いずれの個体も皮と骨のみの状態であった。周
辺での目撃情報によると集落内ではノライヌと思われるイヌが集落内を頻繁に徘徊しているこ
とが確認されており、それと同一個体と思われるイヌが、環境省が森林内に設置した自動撮影
カメラにも撮影されていた。これらの情報より、イヌに襲われたものと推測されたため、徳之
島保健所にて犬用ワナを設置した。目撃情報にあったイヌは、10月16日に捕獲され、その後
徳之島保健所により飼養管理後、譲渡予定である。
3.検査の実施:死因を特定するため、環境省から国立環境研究所に死亡個体に付着したDNA検査を依頼し
た。検査の結果、いずれの死亡個体からもイヌのDNAが検出された。ただし、死後にイヌと
接触した可能性もある。しかしながら、いずれの死亡個体も頚椎の粉砕骨折が認められた。頚
部に強い力が加わったことを示すもので、食肉目の捕食の可能性を示す所見でもある。
4. 所見:集落の居住地域内を生活の場としているノライヌがアマミノクロウサギを捕食していたと考えられ
る。
5.今後の対応 :引き続きモニタリングを継続するとともに、関係機関と連携し一般住民への適正飼養に向け
た注意喚起を実施する。
図2:アマミノクロウサギ(No.1) 図3:アマミノクロウサギ(No.2)
- ■ 問い合わせ先
- 環境省 奄美群島国立公園管理事務所
所 長 阿部 愼太郎
担 当 徳之島管理官事務所
国立公園管理官 福井 俊介
電 話:0997-85-2919
FAX:0997-85-2045