報道発表資料
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西表島船浮地区におけるシロアゴガエルの侵入について
平成29年7月22日20:15頃に西表島の船浮地区にて、特定外来生物・シロアゴガエルが捕獲されました。西表島において当該種は平成27年8月に上原地区で侵入、その後定着が確認され防除活動を行っています。
今般、船浮地区へは資材等に紛れて侵入した可能性が濃厚であり、まだ島内においてシロアゴガエルが根絶できていないことから、シロアゴガエルの目撃情報があれば、西表野生生物保護センターまで連絡をお願いいたします。
1.シロアゴガエルとは
東南アジア原産のアオガエル科の1種。沖縄諸島や与論島、宮古諸島、大東諸島、石垣島では既に広範囲に定着しています。生活場所や餌資源をめぐる競合や新たな寄生虫の感染など、在来のカエル類等に影響を及ぼす恐れがあるとして、2006年2月、環境省では「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づいて、特定外来生物に指定し、飼育、保管及び運搬等を禁止しています。また捕食による在来の昆虫等への影響も、懸念されています。
2.捕獲された個体について
①捕獲日時:平成29年7月22日 20:15頃
②捕獲場所:竹富町字西表(別紙1参照)
③個体の状況:オス成体、体長55mm
④捕獲経緯
環境省では平成27年からシロアゴガエルの防除活動を上原地区で行っています。また、侵入状況を把握するため、各集落に調査員を配置して監視活動を行っています。監視活動ではオス個体の鳴き声に反応して鳴き返す習性を利用したコールバック調査等を行っています。
7月20日20:20 船浮地区の調査地点において、コールバック調査中に鳴き声を確認しました。コールバックしながら捕獲しやすい場所への移動を期待しましたが、叶わず0:15 頃に捕獲を断念。
7月21日5時から調査開始、コールバックに反応するのが少し遅かったものの昨晩と同じ場所から鳴き返しがありました。しかし、目視できるところに移動しなかったため捕獲を断念しました。
7月22日19:45 から調査開始、コールバックにすぐに反応して鳴き返しがありまた。21 日早朝にいた場所と同じ所から鳴き声があり、枯れたアダン葉上にいるのを確認し、20:15 頃捕獲に至りました。
⑤捕獲後の調査について
船浮地区では捕獲された後も継続して調査を行っているところですが、7月の捕獲から1ヶ月以上経過した現在も鳴き声の確認がなく、船浮集落にシロアゴガエルが定着している可能性はかなり低いと思われますが、引き続き警戒が必要です。
上原地区の個体と同様、今回捕獲された個体も資材等に紛れて石垣島から侵入してきた可能性が高いと考えられます。
3.西表島でのシロアゴガエルの捕獲状況
環境省では平成27年8月から西表島の上原地区でシロアゴガエルの防除活動を行っています。同地区では今日までに成体61個体が防除されました。
これまでは上原地区だけでしか発見されていませんでしたが、今回新たに船浮地区で捕獲となりました。
西表島におけるシロアゴガエル成体の捕獲結果
年度 |
件数 |
捕獲された地区 |
平成26年度以前 |
0件 |
|
平成27年度 |
21件 |
上原 |
平成28年度 |
39件 |
上原 |
平成29年度 |
2件 |
上原、船浮 |
4.ご協力のお願い
シロアゴガエルの繁殖期は4~11月までの期間で、繁殖期を終えると発見や対策も困難になります。11月までの繁殖期間中、島内の多くの方々にシロアゴガエルについて注意を払っていただくとともに、鳴き声を聞いたり、木の枝やコンクリート壁面等に産み付けられる泡巣(泡状の卵塊)を発見したら、西表自然保護官事務所(電話:0980-84-7130)までご連絡をお願いいたします。
また、シロアゴガエルは資材等に紛れて拡がるおそれがありますので、沖縄県の他の島から資材を導入する際や、西表島内でも資材を運搬する際には、シロアゴガエルの成体や卵塊などがついていないか、十分にご注意をお願いいたします。
シロアゴガエルの鳴き声や特徴などは以下のページから確認できます。
※那覇自然環境事務所HP「オオヒキガエルとシロアゴガエルについて」
那覇自然環境事務所パンフレット「シロアゴガエル・オオヒキガエルを知っていますか」
写真 平成29年7月22日に西表島船浮地区にて捕獲されたシロアゴガエル
図 平成29年7月22日の西表島船浮地区でのシロアゴガエル捕獲地点
担 当:西表自然保護官事務所 自然保護官 杉本 正太 電 話:0980-84-7130 (西表野生生物保護センター) |