報道発表資料
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イリオモテヤマネコの交通事故発生について(お知らせ)
7月6日(水)21時45分頃、字上原の県道上でイリオモテヤマネコの交通事故による死亡が確認されました。死亡したのはオスの幼獣で、今年に入って6件目の交通事故発生となります。
今年はまだ半年しか経過していませんが、すでに過去最多件数(6件)の交通事故が発生しています。ヤマネコの推定個体数が約100頭のなか、半年で6頭の命が交通事故で失われており、絶滅のおそれが高まっています。
現在、環境省と竹富町ではイリオモテヤマネコ交通事故多発警報を発令中です。西表島内では法定速度を守り、生き物に配慮した安全運転をお願いいたします。
1.事故の概要
①発見日時 :平成28年7月6日(水) 午後21時45分頃
②場所 :字上原の県道215号線路上(別紙1.位置図参照)
③個体の状況 :体重1,360g、体長410mm、オス 幼獣
2.発見時の状況
7月6日(水)午後21時45分頃、字上原の県道路上でイリオモテヤマネコの交通事故が発生しました。発見した地域住民から西表野生生物保護センターに連絡が入り、センター職員がイリオモテヤマネコの死体を回収しました。死亡個体はオスの幼獣です。
死体はセンターにて、計測、一次検査等を行った後、専門家による詳しい死因究明のための病理検査、寄生虫検査等を実施するため、鹿児島大学共同獣医学部獣医学科に搬送する予定です。
3.イリオモテヤマネコの交通事故の発生状況
イリオモテヤマネコの交通事故は記録が残っている1978年以降、75件目(うち72件で死亡確認)。
・最近のイリオモテヤマネコ交通事故件数。
今回は今年6件目の交通事故。半年ですでに過去最多件数の交通事故が起きています。(2013年と同数)
2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | |
交通事故件数 | 5件 | 2件 | 2件 | 6件 | 4件 | 3件 | 6件 |
4.交通事故防止に向けたお願い
これ以上の事故を起こさないために、西表島で運転する際には法定速度を守り、より一層生き物に配慮した安全運転をお願いいたします。
特に4月から8月にかけてはヤマネコの出産・子育て時期にあたり、親子連れのヤマネコ、仔ネコが道路で頻繁に目撃されるようになり、事故に遭いやすくなる時期です。推定個体数が約100頭しかいないヤマネコにとって、半年で既に6頭の命が交通事故で失われたことは非常に憂慮すべき事態です。交通事故で健康な個体の命が一瞬で失われることは絶滅危惧種であるイリオモテヤマネコにとって大きな脅威となっており、絶滅のおそれが高まっています。
西表島では全島的にイリオモテヤマネコの目撃情報がありますので、特に夜間は十分周囲に注意して急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるくらいまでスピードを落として運転していただきますようお願いします。特にイリオモテヤマネコの目撃情報が多い箇所には移動式の注意看板を設置していますので、特にこの付近での運転はご注意ください。
5.イリオモテヤマネコ交通事故多発警報について
今年のイリオモテヤマネコの交通事故発生件数が、過去最多件数の交通事故が発生した平成25年(2013年)を超えるペースで交通事故が発生していることから、環境省及び竹富町ではイリオモテヤマネコ交通事故多発警報を発令中です。
西表島内を運転する方に4つの呼びかけを行っています。
1.場所に注意!
ヤマネコの目撃情報が多発していたり、交通事故の可能性が高い場所には移動式看板を設置しています。移動式看板の付近では減速をお願いいたします。
2.時間に注意!
ヤマネコが活発に行動する夜明と夕暮れ前後の時間帯は特に注意して運転をお願いします。
3.速度に注意!
ヤマネコは突然飛び出します。運転速度は集落内時速30キロ、西表島内時速40キロでお願いします。
4.事故の連絡
イリオモテヤマネコを目撃した、衝突してしまった、死体を発見した、などの場合は、365日24時間いつでも対応できる体制を取っていますので、西表野生生物保護センターに至急の通報をお願いします。万が一、交通事故の当事者となってしまっても、故意でない限り罪に問われることはありませんので、より迅速な救護と今後の対策に役立てるためにも情報をお寄せ下さいますようお願いします。
【傷病及び死亡個体発見時の連絡先】
Tel:0980-85-5581(環境省西表野生生物保護センター)24時間連絡可
<沖縄県政記者クラブ、八重山記者クラブ 同時発表>
環境省 那覇自然環境事務所 所長 西村 学 |
担当:西表自然保護官事務所 自然保護官 相原 百合 電話:0980-84-7130 (西表野生生物保護センター) |