報道発表資料
- その他
浦添市に定着した特定外来生物オオヒキガエルについて- 根絶確認の最終ステージ宣言 -
平成23年8月に特定外来生物オオヒキガエルが、浦添市のキャンプキンザーとその南北の港川から小湾地区にかけて生息していることが確認されました。その後、関係機関の連携と地域住民の協力による捕獲作業の結果、平成25年度末までに約700個体を発見・捕獲した結果、個体数がきわめて少ない状況に至り、根絶間近になりました(今年度の捕獲数0)。現在は根絶確認の最終ステージに入り、探索と繁殖阻止の努力がなお一層必要となります。根絶宣言に向けて、地域の皆様にもこれまで以上のご協力をお願いします。
1.背景
本来沖縄に生息しないオオヒキガエルは中南米原産で、体長8~20cmの大型のカエルです(写真)。わが国では生態系への影響を与える恐れがあることから、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づき、特定外来生物に指定されています。また、国際自然保護連合(IUCN)によって「世界の外来侵入ワースト100」にランクされている種です。国内では南西諸島の石垣島・北大東島・南大東島、小笠原諸島の父島・母島で野生化しており、いったん定着すると防除はかなり困難です。
浦添市では平成23年8月に初めてオオヒキガエルが発見され、その後の調査でキャンプキンザーとその南北の浦添市港川~小湾地区にかけて生息していることが確認されました。オオヒキガエルがどこからどのように持ち込まれたのかはっきりしていませんが、対策地域では、関係機関と地域住民の皆様のご協力で、オオヒキガエルの捕獲を行ってきました。現在、根絶が目前の状態に達しており、今後も根絶までの取組におきましては、地域住民の皆様のご協力をお願いいたします。
2.これまでの取り組みと成果
浦添市にオオヒキガエルが移入したのは平成22年であったと推定されています。発見後すぐに、関係機関(浦添市、琉球大学、沖縄県、環境省、在沖米軍海兵隊)で連携し、キャンプキンザー及び浦添市港川~小湾地区において探索・捕獲作業を開始し、3年後の平成25年8月までに約700個体を発見・捕獲しました。直近の発見は平成25年12月(メス1個体)で、以降一年以上にわたって個体の存在につながる事例はなく、オオヒキガエル個体群は極低密度状態に至り、根絶確認の最終ステージに入ったと考えられます。外来種侵入定着直後の迅速な対応により、根絶を達成した例は数少なく、今回オオヒキガエル根絶を達成すると世界でも稀な成功例となります。
しかしながら、オオヒキガエルは一度に数万個の卵を産みますので、一度でも繁殖を許してしまうと、せっかくここまでの努力と成果が水の泡になってしまいます。それを防ぐためにも、この最終ステージは根絶対策の最後の正念場となってきます。
3.根絶のために皆さんに協力していただきたいこと
根絶達成に向けて関係機関でより一層の連携を図りつつ探索を継続していますが、市民の皆さまの情報提供や捕獲協力も今後ますます重要になってきます。オオヒキガエルを発見しましたら、捕獲して逃げないようにビニール袋に入れてしばったうえで浦添市環境保全課(098-876-1234 内線3218)まで連絡をいただきますよう、お願いいたします。(運搬は法により禁じられていますので、持ち込まないようお願いします。)
また、事業者の皆さまにおかれましては、すでに定着している石垣島などから物流等を通じて持ち込むことがないよう、資材等に紛れ込んでいないか、十分な確認をお願いいたします。
注意:オオヒキガエルを捕まえる際、目の後ろのあたりを押すと、耳腺とよばれる部分から強い毒を出すことがあります。ゴム手袋などをつけて捕獲するようにし、万一、白い毒液が手についたときには水でよく洗い流してください。