報道発表資料
- その他
報道発表:イリオモテヤマネコの保護について(お知らせ)
環境省 那覇自然環境事務所
所長 植田 明浩
担当:西表自然保護官事務所
自然保護官 福田 真
電話:0980-84-7130
(携帯:090-5287-6035)
(西表野生生物保護センター)
8月26日午前1時4分に西表島高那の県道上で交通事故の可能性が高いと考えられるイリオモテヤマネコの仔ネコが保護されました。現在、西表野生生物保護センターで治療中であり、骨折などはみられていませんが頭を打っている可能性が高く、経過を観察中です。
ヤマネコの交通事故発生件数は、本件が交通事故であれば今年に入って既に3件目(死亡2件)となり、過去最悪であった昨年に引き続き多発しています。特に今回の交通事故発生地点では、仔ネコの出没が多発しており、標識を設置するなどヤマネコ交通事故注意喚起を集中的に行っています。
西表島で車を運転する際には、法定速度を守ってスピードを控えるとともに、野生動物の飛び出しに十分注意して下さい。特にヤマネコの目撃が多発している区間には注意標識を設置していますので、十分にご配慮おねがいします。
1.保護の概要
- ①発見日時:
- 平成26年8月26日(火) 午前1時4分頃
- ②場所:
- 西表島高那の県道路上(別紙1.位置図 [PDF 130KB]参照)
- ③個体の状況
- 体重1500g、体長不明、雌 幼獣
2.発見時及び保護の状況
8月26日午前1時4分頃、西表島高那の県道路上でイリオモテヤマネコの幼獣を発見した通行者から西表野生生物保護センターに連絡が入り、センター職員が保護し、センターに搬送しました。発見時、個体は大原向け車線の中央に横たわっていたとのことで、発見時の状況や額付近の擦過傷(擦り傷)及び血液検査の結果から交通事故の可能性が高いと診断されました。生後数ヶ月程度の幼獣で骨折などはみられませんが、瞳孔の開きが左右で違うなど頭を打っている可能性が高く慎重に経過を観察中です。
引き続き獣医師、専門家らによる治療を続ける予定です。
3.イリオモテヤマネコの交通事故の発生状況
- イリオモテヤマネコの交通事故は記録が残っている1978年以降、65件目(うち62件が死亡)
- 最近のイリオモテヤマネコ交通事故記録。アンダーラインは仔ネコの死亡
2010. 1. 3 オス 幼獣 2010. 2.14 オス 亜成獣 2010. 4.13 メス 亜成獣 (2010.5.12 性別不明 事故目撃)※交通事故発生のカウントには入れていない。 2010. 7.12 オス 成獣(放浪) 2010. 9. 9 メス 幼獣 2011. 6.22 メス 成獣(定住・授乳中) 2011.8.7-8 性別不明 幼獣 2012. 4.3 オス 成獣 2012.10.25 オス 幼獣 2013. 5.14 メス 亜成獣 2013. 5.18 オス 成獣 2013. 6. 6 不明 幼獣(保護を試みたが逃亡) 2013. 6.26 オス 幼獣 2013. 8.24 メス 幼獣 2013.10.20 オス 成獣 2014. 1. 1 メス 成獣(定住) 2014. 1.22 不明 幼獣 2014. 8.26 雌 幼獣
4.傷病及び死亡個体発見時の連絡
イリオモテヤマネコの交通事故が過去最悪の6件発生した昨年に続き、今年に入って、本件を含めると3件の交通事故が発生しています。県民のみなさまに現状を知っていただくとともに西表島を車で走行する際にはヤマネコが飛び出す可能性があることを十分に認識してもらうよう、竹富町、沖縄県などの関係機関とともにさらなる取り組み強化を進めることといたします。特に8月~11月は仔ネコの分散期にあたり、事故に遭いやすくなる時期ですので、夜間の運転には十分な注意をお願いします。
イリオモテヤマネコを目撃した、衝突してしまった、死体を発見した、などの場合は、365日24時間いつでも対応できる体制を取っていますので、西表野生生物保護センター(Tel:0980-85-5581)に至急の通報をお願いします。万が一、交通事故の当事者となってしまっても、故意でない限り罪に問われることはありませんので、情報をお寄せ下さいますようお願い致します。頂いた情報から交通事故の場所や時間、死傷個体の状態、道路周辺状況等の情報を分析し、対策に役立てています。
また、西表島での車両の走行時には、特に夜間は十分周囲に注意して急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるくらいまでスピードを落として運転していただきますようお願いします。
【傷病及び死亡個体発見時の連絡先】
Tel:0980-85-5581(環境省西表野生生物保護センター)24時間連絡可
保護個体写真