九州地域のアイコン

沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2013年04月30日
  • その他

報道発表:イリオモテヤマネコの保護について

那覇自然環境事務所

 4月11日に竹富町西表島船浮にて衰弱したイリオモテヤマネコが保護されました。船浮の住民から通報を受けた西表野生生物保護センター職員が、集落内の公園の植え込みで衰弱し動けなくなっているところを保護しました。現在西表野生生物保護センターにて治療中であり、順調に回復しています。治療には1ヶ月程度かかる見込みですが、獣医師、専門家の確認の上、十分に回復したと判断されれば、野生復帰させる予定です。

1.保護時の状況について

4月11日午後1時頃に船浮の住民から、集落内の公園の植え込みでイリオモテヤマネコが衰弱して動けなくなっているとの通報が西表野生生物保護センターに入りました。センター職員が現場へ急行し確認したところ、集落内の公園のハマユウの植え込みの下に潜り込んでいるのを発見し、船浮住民の協力のもと午後4時頃保護しました。

2.保護個体の状況について

保護された個体は成獣の若いオスで、外傷は見られないもののひと目でひどくやせていることがわかる状況でした。個体は重度の疥癬(カイセン)*にかかっており、衰弱の一因と考えられます。保護当日から栄養の補給及び疥癬の治療を行っており順調に回復しています。治療には1ヶ月程度かかる見込みですが、獣医師、専門家の確認の上、十分に回復したと判断されれば、野生復帰させる予定です。
*疥癬(カイセン)とはヒゼンダニによる皮膚疾患で感染症のひとつ。

3.過去の保護の状況について

過去10年間で5件の保護事例がありそのうち野生復帰できたものは2例にとどまります。最近では平成22年に衰弱又は交通事故と考えられる生存個体の保護が3例ありましたが、いずれも死亡しています。

4.傷病及び死亡個体発見時の連絡

イリオモテヤマネコを目撃した・衝突してしまった・死体を発見した、などの場合は、365日24時間いつでも対応できる体制を取っていますので、西表野生生物保護センター(Tel:0980-85-5581)に至急の通報をお願いします。万が一、交通事故の当事者となってしまっても、故意でない限り罪に問われることはありませんので、情報をお寄せ下さいますようお願い致します。頂いた情報から交通事故の場所や時間、死傷個体の状態、道路周辺状況等の情報を分析し、対策に役立てています。
また、西表島での車両の走行時には、特に夜間は十分周囲に注意して急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるくらいまでスピードを落として運転していただきますようお願いします。

【傷病及び死亡個体発見時の連絡先】
Tel:0980-85-5581(環境省西表野生生物保護センター)
24時間連絡可

保護個体(保護4日目の写真)