報道発表資料
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報道発表 : 特定外来生物タイワンスジオの生息調査に伴う買上げの実施について
那覇自然環境事務所
沖縄島中部に定着している特定外来生物タイワンスジオに関する生息状況調査の一環として、捕獲した個体を、1個体5千円で買い上げることとしましたのでお知らせします。本種の発見と捕獲について、地域にお住まいの方々へ注意と協力をお願いいたします。なお、買上げは200頭に達した時点で終了させていただきます。
タイワンスジオは本来、台湾に生息する大型のヘビで1970年代末に沖縄島中部に定着したと考えられています。わが国では生態系への影響を与える恐れがあることから、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づき、特定外来生物に指定されています。
環境省では平成23年度の冬季に引き続き、タイワンスジオを買い上げることとしましたのでお知らせします。買上げの目的は、本種の分布状況についての情報を収集することと、食性調査のためのサンプル収集です。捕獲したタイワンスジオを1頭5千円で買い上げることとします。
に活動が活発で発見しやすくなると考えられることから1頭5千円とし、より多くのサンプルを収集したいと考えています。また、今年度の買上げは200頭に達し次第、終了させていただく予定です。登録者には終了の段階で改めてご連絡いたします。捕獲にご協力いただける方は、事前登録など以下のことについてご了解いただく必要があります。
- 捕獲希望者は成人であることが条件です。また事前登録が必要です。
- 捕獲した場合、その方法や日時、場所をお聞きしますので、場所の記録をお願いします。
- 生きた個体、あるいは新鮮な死亡個体であることが条件です(腐敗個体は対象外)。
- 計測を行うので、捕獲個体は切断しないでください。
- 捕獲した日あるいは次の日に連絡いただければ、連絡をいただいた翌日までには受け取りに伺います。
- 傷害保険はかけていません。捕獲や取扱いのケガなどは、自己責任となります。
- 捕獲器の貸し出しはありません。
タイワンスジオには毒はありませんが、捕まえようとすれば咬みついてきます。ヤブの中などにはハブなどが生息している可能性もあります。捕獲や取り扱いには十分に注意して下さい。
生息する市町村などにチラシ[PDF 693KB]を置いてあるほか、業務を請負っている財団法人沖縄県公衆衛生協会(098-945-2686)までご連絡下さい。
タイワンスジオの沖縄島における分布状況について
タイワンスジオElaphe taeniura friesi は、中国南部から東南アジアにかけて生息する大型のヘビ、スジオナメラElaphe taeniuraの台湾産の亜種です。1970年代末に沖縄島中部で野生化し、分布域を拡大していることが分かっています。本亜種は哺乳類・鳥類を捕食する大型の捕食者であることから、在来の希少野生動物や生態系に大きな被害を及ぼすおそれがあり、外来生物法に基づく特定外来生物に指定されています。
現在、タイワンスジオの分布の中心はうるま市、沖縄市、北中城村、北谷町、嘉手納町、読谷村、恩納村、金武町の一帯です。これとは別に本部半島中央部にも小個体群があるとの情報があります。ただし、目撃情報は、南部は那覇市、南城市、北部は国頭村まで寄せられています。しかし、これらは一時的な確認あるいは誤認の可能性もあり、今のところ明らかな分布情報かどうかは不明です。買上げは上述の市町村と本部半島周辺に集中すると予想されますが、他地域からの捕獲がないとは断言できません。
平成23年度は沖縄島中部を中心に183名の方々に登録していただき、10月から3月までの間に浦添市から金武町までの地域で80頭のタイワンスジオを捕獲することができました(地図参照)。しかしながらヘビ類の活動が低下している冬季の捕獲でもあり、多くは分布域の中でも比較的、生息密度が高い地域を中心に捕獲されたのではないかと考えています。今年度はヘビ類の活動が活発な春から買上げを開始することにより、より詳細な分布域や生息状況が明らかになるのではないかと期待しています。
なお、宮古諸島と八重山諸島には日本産の亜種サキシマスジオElaphe taeniura schmackeriが生息していますが、これは在来種であり買上げの対象外です。
図.平成23年度に買い上げられたタイワンスジオの捕獲地点.
このほかにも本部半島の一部地域にも定着しているとの情報があります.