報道発表資料
- その他
お知らせ:ヤンバルクイナ及びケナガネズミの交通事故について
那覇自然環境事務所
今年、6月30日の時点で確認されたヤンバルクイナの交通事故が19件となりました。これは非常事態宣言を出した昨年の確認件数(20件)とほぼ同数であり最悪のペースです。
また、ケナガネズミも14件の交通事故が発生しており、過去最多であった昨年のペースを上回っています。
沖縄島北部(特に国頭村内)のこれら希少種生息域を運転する際は、昼夜問わず道路周囲に気を配り自動車のスピードを十分落としていただきますようお願いします。
- ※
- ヤンバルクイナ、ケナガネズミ及び保護個体の治療の様子についての画像を希望される場合は、やんばる野生生物保護センターまでご連絡下さい。
1.2011年(6月30日現在)のヤンバルクイナの交通事故確認件数
1月0件 2月1件 3月2件 4月4件 5月6件 6月6件 計19件
2.2011年(6月30日現在)のケナガネズミの交通事故確認件数
1月0件 2月3件 3月1件 4月1件 5月5件 6月4件 計14件
3.ヤンバルクイナ及びケナガネズミの交通事故の発生状況(別紙参照) [PDF 795KB]
ヤンバルクイナは今年6月30日時点で計19件の事故が確認されており、昨年同時期の20件とほぼ同数であり最悪のペースです。7、8月はヤンバルクイナのヒナ成長期にあたり、注意力の低い若鳥が道路へ飛び出す可能性が高くなります。過去最多で1年間に33件の交通事故を確認した昨年の7月には8件もの事故が発生しています。したがって、今後さらにヤンバルクイナの交通事故が増加することが予想されます。
ケナガネズミは6月30日時点で計14件の事故が確認され、過去最多で1年間に17件の交通事故を確認した昨年のペース(6月末時点で10件)を上回っています。ケナガネズミは夜行性であり、ふだん樹上で生活しているため、道路上では動きが鈍く交通事故に遭いやすいと考えられます。特に県道2号線の与那から大国林道始点入口までの区間で事故が集中しており、また注意力の低い幼獣が事故に遭うケースが増えています。
交通事故を防ぐには車のスピードを落とすことが最も肝要です。今後ともやんばる地域(特に国頭村内)での車両の走行時には、十分周囲に注意して急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるくらいまでスピードを落としていただきますようお願いします。
4.交通事故を防ぐための取組み
平成23年度からやんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議*のメンバーが中心となり、重点区間を設け集中的な交通事故対策を行う「ストップ!ロードキル」運動を展開しています。県道70号9.0kp-10.0kp(楚洲)に設けた重点区間(1km)内で、ヤンバルクイナの餌となるミミズなどの小動物の発生を防ぐため側溝にたまった腐葉土等の除去を行うなどの活動をしています。今年、重点区間内では既に2件の事故が発生していますが、区間前後においても事故が多発しています。重点区間付近では最も注意が必要です。
また環境省では、交通事故が起きた場所やヤンバルクイナの道路横断が頻繁に観察されている地点に、ドライバーへの注意喚起のための簡易看板(資料写真有り)を設置しています。看板を見かけた場合は、周囲に注意し車のスピードを落としていただきますようお願いいたします。
*やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議
近年、ヤンバルクイナ等、希少野生動物の道路周辺における死亡事故(ロードキル)が多発していることを受け、関係機関が連携して対策に取り組むことを目的に、平成16年6月に発足。自然保護、道路管理及び道路利用に関連する行政ならびに関係する機関、計25機関(下記参照)によって構成。事務局は那覇自然環境事務所。
構成機関
沖縄総合事務局開発建設部北部国道事務所、沖縄総合事務局北部ダム事務所、沖縄総合事務局北部ダム統合管理事務所、林野庁九州森林管理局沖縄森林管理署、沖縄県環境生活部自然保護課、沖縄県土木建築部道路街路課、沖縄県土木建築部道路管理課、沖縄県農林水産部農村整備課、沖縄県農林水産部森林緑地課、沖縄県文化観光スポーツ部観光振興課、沖縄県北部土木事務所、沖縄県教育庁文化財課、沖縄県北部農林水産振興センター森林整備保全課、沖縄県警察本部交通企画課、沖縄県名護警察署、国頭村、国頭村教育委員会、大宜味村、大宜味村教育委員会、東村、東村教育委員会、社団法人沖縄県獣医師会、NPO法人どうぶつたちの病院、やんばる国頭の森を守り活かす連絡協議会、環境省那覇自然環境事務所