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沖縄奄美自然環境事務所

報道発表資料

2011年04月11日
  • その他

イリオモテヤマネコ飼育下個体の死亡について

那覇自然環境事務所

 4月9日22時59分環境省西表野生生物保護センターにおいて飼育され、通称「よん」の愛称で親しまれていたイリオモテヤマネコのオス(W-48)が死亡しました。
 当該個体は平成8(1996)年8月に交通事故に遭い野生復帰を目指していましたが、野生復帰は困難と考えられたため西表野生生物保護センターにてイリオモテヤマネコの研究及び普及啓発を目的に飼育されていたものです。イリオモテヤマネコの飼育個体としては最長の14年8ヶ月3日間飼育下で生存(推定生存期間15年1ヶ月)しました。
 死亡個体は死因究明、健全性把握、病理検査及び寄生虫検査等のため、4月10日鹿児島大学農学部獣医学科に搬送しました。
 今後とも地元と連携して野生動物の交通事故防止に努めて参ります。

1.死亡までの経緯

 平成22(2010)年12月20日に西表野生生物保護センター野外ケージ内で体調を崩して動けなくなっているのを発見し、室内リハビリ室にて治療・リハビリを行ってきました。12月23日には肺水腫の症状が見られ、一時は生存が危ぶまれましたが、その後快方に向かい、今年1月には歩き回れるまでに回復しました。2月・3月中は段差を上り下りするなど、徐々に運動機能が回復する兆しが見られていましたが、4月に入ってから少しずつ食欲が減退し、4月5日より再び体調が悪化しました。その後介護を続けていましたが、4月9日22時59分に死亡が確認されました。計測等を行った後、専門家による死因究明、健全性把握、病理検査、寄生虫検査等のため、鹿児島大学農学部獣医学科に搬送しました。

2.W-48保護の経緯

[1]事故発見日時

 平成8(1996)年8月6日 21時45分

[2]発見場所

 西表島 県道ナダラ橋付近路肩(位置図:資料1)

[3]保護時の状況

 交通事故に遭い、怪我をしているところを発見されました。体重1600g、生後約5ヶ月令(推定)、離乳済み個体でした。

[4]保護後の飼育の経緯

 保護時は自力で体温調節ができないほどの重体であったため、翌朝石垣島の動物病院へ搬送され、治療を受けました。24日間の入院後、平成8(1996)年8月31日、再び西表島に戻り、平成11(1999)年までの約2年半、西表野生生物保護センターの屋内リハビリ室で飼育されていました。その後、野外飼育施設の整備に伴い、平成11(1999)年2月3日より野外でのリハビリが開始されました。当初は野生復帰を前提としてリハビリを行っていましたが、後遺症の影響から野生復帰は困難と判断され、その後は生態解明のための基礎的研究、傷病個体の適切な飼育環境の検討に必要な情報収集などを行ってきました。また普及啓発を目的として、飼育の様子を、西表野生生物保護センター展示室の大型画面、西表野生生物保護センターのホームページ、インターネット自然研究所等を通じて提供して参りました。イリオモテヤマネコの飼育個体としては最長の14年8ヶ月3日間飼育下で生存(推定生存期間15年1ヶ月)しました。

 イリオモテヤマネコW48のデジタル写真、参考資料「イリオモテヤマネコよんの歩み2011版」(pdfファイル)の配布を希望される社は、デジタルファイルの受信希望アドレスから、以下のアドレスにメールを送信してください。
 DAISUKE_NAGAOSA@env.go.jp
 なお、写真を利用される際には、「環境省西表野生生物保護センター 提供」と入れてください。

別添資料

 別添 [PDF 97KB]

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