報道発表資料
【開催予定】「久米島の渓流・湿地」のラムサール条約湿地登録及び地元説明会の開催について(お知らせ)
2008.10.2 那覇自然環境事務所
環境省那覇自然環境事務所では、久米島のキクザトサワヘビの生息地をラムサール条約湿地の登録候補地に選定し、準備を進めていましたが、このほど久米島町の同意が得られたため条約の登録簿に掲載される見通しとなりました。併せて、登録に先立ち、地域住民の皆さんを対象に地元説明会(意見交換会)を下記により開催することとしたのでお知らせします。
1.宇江城岳キクザトサワヘビ生息地保護区管理地区のラムサール条約登録
キクザトサワヘビは、久米島の山地渓流のみに生息する日本固有の淡水生ヘビで、環境省のレッドリスト絶滅危惧IA類に記載されています。また、種の保存法により国内希少野生動植物種に、沖縄県文化財保護条例により県指定天然記念物に指定されており捕獲等が禁止されています。さらに、その生息環境を保全するため生息域の一部が種の保存法に基づく生息地保護区に指定されています。
この生息地保護区の管理地区(255ha)を国際的に重要な湿地として「ラムサール条約湿地」候補地として選定し、名称を「久米島の渓流・湿地」として、同町に登録同意の打診をしていたところ、このほど同意が得られたところです。
本年10月28日から11月4日に韓国で開催されるラムサール条約第10回締約国会議の機会に正式に条約の登録簿に掲載される予定です。
2.ラムサール条約登録に向けた地元説明会
登録に先立ち地元住民の皆さんを対象に説明会を開きます。キクザトサワヘビやラムサール条約に詳しい講師の方に講演していただくとともに、説明会参加者、講師、条約登録事務担当者(環境省、県、久米島町)が条約登録を契機に、久米島の渓流・湿地の保全と地域振興にも資するような賢明な利用をテーマに、今後の取組の方向性や課題等について意見交換を行い、一緒に考えていく機会にしたいと考えています。
(1)日時:
平成20年10月19日 (日) 19:00〜21:00
(2)場所:
具志川農村環境改善センター 大ホール
(3)講師及び登録事務担当者
- 講師:
- 沖縄県文化課 当山昌直
ラムサールセンタージャパン 中村玲子、武者孝幸 - 登録事務担当者:
- 環境省那覇自然環境事務所、沖縄県自然保護課、久米島町
(4)内容:
キクザトサワヘビの生態、ラムサール条約登録の意義、登録に当たっての今後の取り組みほか、意見交換会
(参考)
ラムサール条約は、正式には、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といい、国際協力によって渓流や干潟などの多様な湿地の保全と賢明な利用を進めていくために、世界158カ国が加入している条約です。
日本では、全国の33か所、沖縄県内では、漫湖、慶良間諸島海域、名蔵アンパルの3か所の湿地が登録されています。
久米島の登録区域は、種の保存法により、平成10年からキクザトサワヘビの生息地保護区に指定されているため、ラムサール条約登録によって新たな規制がかかることはありません。
連絡先
環境省那覇自然環境事務所
所長 奥田 直久
野生生物企画官 樋口 浩
(TEL:098-858-5824)