報道発表資料
【通知】波照間島における特定外来生物オオヒキガエルの捕獲について(お知らせ)
2008.07.11 那覇自然環境事務所
7月9日夜、波照間島においてオオヒキガエルのメス成体1個体が捕獲されました。波照間島におけるオオヒキガエルの捕獲例は環境省が把握している中では昨年10月に続き2件目です。
オオヒキガエルはもともと国内に生息していなかった外来生物で、県内では八重山地域と大東諸島で定着が見られます。在来の自然生態系に対し悪影響を及ぼすおそれがあるため、環境省では、平成13年度から西表島における監視・捕獲調査をはじめとする対策を実施しています。
【オオヒキガエルとその対策の概要】
オオヒキガエルは中南米原産の大型のカエルで、サトウキビ害虫駆除の目的で石垣島を含む多くの環太平洋地域に導入され、定着した各地で生態系等に被害を引き起こしている侵略的外来生物である。本種は、特定の食物に対する選好性がないため、多くの在来小動物に高い捕食圧を及ぼしている。また、耳腺から強力な毒液を分泌し、幼生も毒を有していることから、カエル類を食物とする様々な在来捕食者への毒による悪影響が懸念される。さらに、繁殖力が強いために在来カエル類を駆逐し生態的に置き換わってしまうおそれも指摘されている。
近年、西表島や近隣の島嶼においても生息情報が得られるようになっており、固有種や希少な在来種を含む八重山地域の生物多様性に対して悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。このため、環境省では、平成13年度より「西表島移入種対策事業」として本種の監視捕獲を目的とした調査を継続して実施してきた。また、平成17年には「外来生物法」に基づく「特定外来生物」に指定するとともに、「八重山地域オオヒキガエル防除実施計画」を策定し、各島々の特性や状況に応じた防除対策を実施しているところである。
【捕獲の状況】
7月9日20:30頃、波照間島北集落において、見慣れないカエルがいるのを住人が発見してビニール袋に捕獲した。翌朝、環境省に電話連絡するとともに、石垣島へ搬送。石垣自然保護官事務所職員がオオヒキガエルであることを確認し、計測後、解剖検査等に供するため冷凍処分した。
【捕獲個体の状況】
- 性別:背面のまだら状の大きな隆起列から判断して、メスと判別された
- 成長段階:成体 ・体長:128mm ・体重:207g
【その他】
今後も、高密度に定着している石垣島以外の島々で、オオヒキガエルの目撃情報があった場合は、西表島については環境省西表野生生物保護センター(0980-85-5581)に、西表島以外については環境省石垣自然保護官事務所(0980-82-4768)に連絡ください。 以上以下のオオヒキガエル捕獲状況のデジタル写真(JPEGファイル)の配布を希望される方は、ファイルの受信希望アドレスから、以下のアドレスにメールを送信してください。
なお、ファイルを利用される際には、「環境省石垣自然保護官事務所 提供」等と入れて下さい。

連絡先
環境省那覇自然環境事務所
所長:中島 慶二
担当:石垣表自然保護官事務所
自然保護官 竹永 泰雄
電話:0980−82−4768