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【開催予定】「奄美地域の自然資源の保全・活用に関する基本的な考え方」の最終版及び「琉球孤自然フォーラムin奄美」の開催について(お知らせ)
2009.01.13 那覇自然環境事務所
環境省那覇自然環境事務所では、「奄美地域の自然資源の保全・活用に関する検討会」における意見をもとに、「奄美地域の自然資源の保全・活用に関する基本的な考え方(以下、「基本的な考え方」という)」をとりまとめたのでお知らせします。
この基本的な考え方は、奄美地域において新たな国立公園の指定を具体的に検討し、また、国立公園の運営を通じた地域の活性化を図る際の基本指針として活用していく予定です。今後は、地域の人たちをはじめとする関係者に、基本的な考え方や国立公園の制度などについて理解を求めるとともに、具体的な区域等についても十分調整を図って検討していきます。
また、環境省那覇自然環境事務所、鹿児島県及び沖縄県等で構成する琉球弧自然フォーラムin奄美実行委員会は、平成21年1月31日(土)に、奄美市名瀬の奄美観光ホテルにおいて、「琉球弧自然フォーラムin奄美」を開催します。フォーラムでは、世界自然遺産の候補となっていることをきっかけに奄美群島の将来を考えることとしています。
I 「奄美地域の自然資源の保全・活用に関する基本的な考え方」について
1.基本的な考え方のポイント
基本的な考え方では、奄美地域の自然資源の概要をまとめた上で、それらの保全・活用にあたっては、国立公園の指定が有効であるとし、奄美地域における国立公園の姿を示している。
奄美地域において指定を検討する国立公園は、以下の2つの点で新しい国立公園といえる。
○ 生態系管理型国立公園
世界に類を見ない固有種・希少種が生息・生育する亜熱帯照葉樹林を中心とする生態系とそれらが醸し出す景観を保全することが不可欠であることから、森林生態系全体を保全対象とし、管理手法に踏み込んでいく国立公園である。
○ 環境文化型国立公園
奄美地域の自然資源は、人々の暮らし、営みなど、文化と深く関わりを持ってきており、その関わりそのものが資源である。奄美地域の自然と文化を住民と利用者がともに楽しみ、ともに守る国立公園とする。
また、国立公園の指定及び管理にあたっては、以下の点などに留意する。
○ 亜熱帯照葉樹林における森林管理
希少種の生息環境を保全しつつ、かつ経済合理性にも配慮した林業のあり方を検討し、亜熱帯照葉樹林に適した国立公園の森林管理手法を確立する必要がある。
○ 持続可能な観光利用の推進
地域経済の活性化のためにも、自然資源を持続的に活用した観光振興は重要である。利用者の増加を想定してのルール作りを行った上で、奄美地域の魅力を十分に味わえるような利用ルートや利用メニューを地域主体で検討し、提供することが重要。
2.今後について
基本的な考え方や国立公園の制度などについて、地域の人たち等に理解を求めていくとともに、関係者と十分調整を図りながら具体的な区域の検討を進めていく。
(参考)奄美地域の自然資源の保全・活用に関する検討会
1.委員
- 遠藤 日雄
- 鹿児島大学農学部教授(森林管理)
- 小野寺 浩
- 鹿児島大学特任教授(保全計画)
- 木部 暢子
- 鹿児島大学法文学部教授(文化)
- 清水 愼一
- 株式会社JTB常務取締役(観光)
- 田川 日出夫
- 鹿児島大学名誉教授(森林生態)
- 田淵 英樹
- 岩崎産業株式会社 資産管理部長(林業)
- 中野 実
- 前鹿児島県大島支庁長(離島行政) ※ 第1回まで
- 中山 清美
- 奄美市歴史民俗資料館長(地域の歴史と考古学)
- 服部 正策
- 東京大学付属医科学研究所奄美病害動物研究施設准教授(動物)
- 元山 義和
- 鹿児島県大島支庁長(離島行政) ※ 第2,3回
- (五十音順)
2.開催日時
- 平成20年3月17日
- 第1回検討会
- 平成20年7月26日
- 第2回検討会
- 平成20年11月17日
- 第3回検討会
II 「琉球弧自然フォーラムin奄美」の開催について
1.開催主旨
平成15年、奄美及び沖縄は琉球諸島として国により世界自然遺産の候補地に選ばれました。世界中でも奄美や沖縄の島々にしか住まない固有の動植物により構成される生態系の存在が世界的に見ても非常に貴重であると評価されことによるものです。また、奄美や沖縄の島々には島唄や集落行事をはじめ独特の文化も色濃く残されており、これらを後世に引き継ぐことが重要であると考えられます。
本フォーラムでは、世界的にも貴重な自然や独特の文化を守りつつ、これらを生かした元気な島づくりについて模索します。
2.開催日時及び会場
(1)開催日時
- 平成21年1月31日(土)
- 第1部 14:00〜17:15
第2部(交流会)17:30〜19:00
(2)会場
- 奄美観光ホテル(鹿児島県奄美市名瀬港町2−10)
- 第1部:平安の間
第2部:孔雀の間
3.主催
琉球弧自然フォーラムin奄美実行委員会
4.プログラム
(1)第1部
- ・基調講演
- 「島の内外から見た奄美」 恵原義之/日本島嶼学会会員
- ・話題提供
- 「地域になじむ国立公園を目指して〜奄美地域の自然資源の保全・活用に関する基本的考え方」 環境省那覇自然環境事務所
- ・島民からの報告
- 「奄美の未来予想図〜10年後の奄美はこうなる!」 龍郷町立龍瀬小学校児童
- ・パネルディスカッション
- 「よ−りよ−り 話さんばや 島ぬ未来〜世界遺産をきっかけに島の未来を考える」
- ○コーディネーター
- 花井恒三(元奄美市企画部長兼総務部長)
- ○パネリスト
- 伊谷 玄(西表島エコツーリズム協会事務局長)
奥田直久(環境省那覇自然環境事務所長)
サーモン&ガーリック(ミュージシャン)
島袋裕也(東村エコツーリズム協会長・(有)やんばる自然塾副代表)
中山清美(奄美市立奄美博物館長) - ※五十音順 敬称略
(2)第2部
- ・交流会
- 講演者、パネリスト、主催者と参加者の方々が気兼ねなく交流・意見交換できる場です。
5.参加申込み
事前申込み不要です。当日直接会場にお越し下さい。
参加費無料。 ※交流会は、会費制(4,000円)です。
6.問い合わせ先
- 環境省奄美野生生物保護センター
- (担当 田中) 電話:0997-55-8620
- 中央開発株式会社
- (担当 大堀) 電話:03-3208-9913